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海外粗飼料情勢

 
令和2年3月23日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年3月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 インペリアルバレー灌漑局からの3月11日付け発表によりますと、アルファルファの作付面積は昨年同時期対比で2%の減少です。
 1番刈が進行中です。不安定な天候が続いており、一部で雨あたりの発生、また強風により葉付きが損なわれ成分値が下がってしまったスタックが散見されます。一方で天気の良い週に収穫、ベーリングが行われたスタックでは高成分が期待され、同じ1番刈でも地域や収穫作業のタイミングでグレードが多岐にわたっている状況です。産地相場に関しては昨年産の高騰時と比較して軟化傾向にありますが、サウジアラビアが高品質なスタックを中心に購買を進めており、また米国内需も旺盛であるため、今後産地相場が再び上昇する可能性は高いと考えられます。



(2)オレゴン州クラマスフォールズ
 冬場の降水量が少なく干ばつ気味です。今のところ農作物の生育に懸念は示されていませんが、今後も干ばつの状況が続けば州政府による取水制限が設けられる可能性があります。

(3)ワシントン州コロンビアベースン
 今年は暖冬で山間部の一部地域を除けば降雪は殆ど見られません。3月に入っても乾燥した気候が続き、降水量は例年を下回っています。また風の強い日が多く、播種が行われて間もない圃場では、覆土や種子自体が飛ばされてしまい、作付けに支障をきたしている状況です。その後、再度播種を試みる生産者もいれば、時期を見て他の作物への転作を考えている生産者もいる様子で、これまで昨年対比微減の見通しであったアルファルファの作付面積の減少に拍車がかかる懸念があります。長期の天気予報によると、3月の降水量は例年並みか下回る見通しであり、乾燥した気候が続くと土壌水分の不足からアルファルファの生育も影響を受ける可能性があります。

2.米国産チモシーヘイ

 コロンビアベースン産について、上記アルファルファの情勢でも触れましたが、強風により生育中のチモシーが飛ばされてしまい生育に支障をきたしている圃場もあるようです。チモシーはアルファルファほど地中深くに根を張らないため、強風による打撃を、より顕著に受ける懸念があります。また昨年相場が大きく下がったことに不満を抱いている生産者は、他作物への転作を進めており、チモシーの作付面積は昨年対比で大きく減少するのではないかと予想されます。
 エレンズバーグおよびその他のドライランドでは、作付面積は昨年から大きく変わらないとの見方が有力です。旧穀の産地在庫はほぼ払底していますが、一部の下位グレードであればまだドライランドの圃場には残存している様子です。


3.スーダングラス
 新穀の作付けが開始しています。作付面積の全容が見えてくるには時期尚早ですが、昨年産はその前の年と比較して相場が軟化し、スーダンの収益性に不満を抱いている生産者は他作物への転作を進めているという話も聞こえてきます。スーダン種子相場は、2年前に高騰しましたが、昨年相場は軟化し、引続き需給と相場は安定しています。そのため種子の供給不足による播種密度の低下(それに伴う軸太の多量発生)の懸念は今のところありません。

4.ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 ストロー類の例年の収穫は6月下旬にオレゴン州ウィラメットバレーの南部から開始され、順次収穫作業は北上します。秋口に潤沢な降雨があったものの、冬に入り例年よりも降水量は減少しています。このまま乾燥した気候が続けば、ライグラス、フェスクは例年よりも早い時期に種子を実らせる事となり、早めに収穫が開始される可能性があります。この場合、茎の背丈はあまり成長しないまま収穫を迎え、ストローの単収は低下するものと予想されます。加えて生産者は、茎の成長を阻害し種子の生産性増加を意図して成長阻害剤を使用することもあり、その場合にはより一層ストローの単収は減少する懸念があります。いずれにしても今後の降雨次第のため、引き続き状況を注視する必要があります。アニュアルは昨年対比減少、トールフェスクは増加の見通しです。昨年秋の潤沢な降雨によりペレニアルおよびフェスクの生育が順調に進むと予想される一方で、早播きのアニュアルの一部圃場では虫害の発生が懸念されています。


5.豪州産オーツヘイ
(1)豪州各地の森林火災について
 2月の始めより豪州全地域で発生した降雨を受け、森林火災は収束しました。その後の継続した降雨により土壌水分は順調に回復しています。下図は4~6月の雨量が例年の雨量の中央値を超える可能性(%)を表していますが、今後も十分な降雨により、豪州穀倉地帯の全地域で土壌水分の改善が期待されます。



(2)オーツヘイ
 新穀オーツヘイの収穫は終了しています。豪州農家は、来期作付けする作物について2~4月に農業コンサルタントと打ち合わせを行いますが、今期は穀物に比べ牧草の収入が良かった事から、牧草生産を増やしたい意向が伺えるものの、森林火災影響を受けた地域は、牧草の種子不足が懸念されています。
 サプライヤー毎に温度差はありますが、一部のサプライヤーは、プレススケジュールが一杯になっており、即積みオーダーのETAが8月上旬~中旬末以降となっています。年間オーダーを早めに入れて頂く事で、製造スペースや船腹を確保するなどの対応が求められるでしょう。

(3)小麦ストロー
 新穀小麦ストローの収穫が完了しました。新穀は昨年に比べ雨あたりも無く良品が収穫されており、西豪州以外はロングタイプのストローが収穫されています。
 価格については、豪州森林火災の影響による豪州国内農家と輸出業者の競合により、一部サプライヤーが値上げを表明しています。
 また、西豪州を中心としたサプライヤーが旧穀を大量に繰り越しており、オーツヘイとのミックス品の製造出荷に加えて、旧穀ストローの輸出も継続して行っているため、色目には注意が必要です。

6.海上運賃
 低硫黄燃料や脱硫装置の設置を目的したチャージが本格的に導入され、値上げの一端となっています。また、新型コロナウィルスが蔓延している影響から、コンテナ本船が中国を抜港したり、本船そのものを休航したりするケースが多発しており、2月以降、入船スケジュールの乱れが例年と比較して多く発生しています。
 さらに船会社からは3月および4月に立て続けにGRI(海上運賃一斉値上げ)が通知されています。この背景としては、抜港や休航から貨物が運べない状況が続いていることが主要因として挙げられます。運賃の上昇が避けられない状況の中、夏場にはオリンピックを控えていることもあり、特に京浜港は混乱しやすい状況下にあります。
 いずれにせよ、貨物の到着が例年以上に遅延しやすい環境下にあることから、早めのオーダーと在庫を厚めに構えておくことが肝要です。



                                                       以上


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