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海外粗飼料情勢

 
令和元年09月20日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和元年9月号
 

はじめに
 中国政府の9月11日発表によると、昨年7月より実施していた米国貨物への25%分の追加課税について、一部品目で撤廃されることが決定しました。この対象品目には、アルファルファヘイをはじめ、魚粉や飼料用ホエイパウダーも含まれます。追加課税撤廃の対象期間としては、2019年9月17日以降の1年間に中国港へ入船した貨物となります。追加課税撤廃後は従来の7%の課税が適用される予定です。また中国の輸入者は、過去6か月に遡り25%分の追加課税を税関に対して求償することも可能であり、今後対象貨物の荷動きが活発化する可能性があります。
 この動きを受けて、米国内産地ではアルファルファヘイへの中国からの引き合いを期待する声が上がっています。中国バイヤーが際立って活発的な動きを見せているという情報はまだ得られておらず、各米国サプライヤーは様子見の状況です。一方で、一部の米国サプライヤーは先々の中国売りを見越して、特に高品質な玉の買い付けを進めている様子です。

1.アルファルファヘイ
(1)カリフォルニア州インペリアルバレー
 4番および5番刈は夏場の過乾燥により、葉付きや粗たんぱく質などの成分が悪く、輸出向けの引き合いは軟調です。ただし、米国内需は旺盛であり産地相場は引き続き堅調です。一方で今後収穫される6番および7番刈は、気温が下がりじっくりと生育が進むことで、成分値が回復することが期待されます。中国からの需要の回復も含めて、引き続き産地の需給がひっ迫する懸念があります。

 

 
(2)ワシントン州コロンビアベースン
 4番刈の収穫が進行中です。9月中旬に降雨が発生。それ以前に集荷されたスタックの品質は概ね良好ですが、今まさにベーリングされているスタックでは雨あたりが発生するものと思われます。秋を感じさせるほどに気温は下がってきており、4番刈の葉付きはミッドベール集荷であってもある程度維持されたものに仕上がっています。
 昨年からの繰り越し在庫がないことと、1番刈の多くが雨あたりであったことから、米国内酪農家はまだ十分な量の在庫を確保できていないと思われ、4番刈の良品に対する引き合いが集中する可能性があります。米国内乳価は回復基調にあり、また今後中国からの引き合いも増えてくれば、アルファルファの産地相場が更なる上昇を見せる懸念があります。


 
2.チモシーヘイ
(1)ワシントン州コロンビアベースン・コロンビアベースン
 2番刈の収穫が進行中ですが、収穫期の降雨により、一部で雨あたりが発生しています。産地相場は昨年対比でやや軟化していますが、早刈りの良品の多くは馬用需要に取られ、酪農向けには雨あたりか刈り遅れによる茶葉混入のスタックが主に取引されると思われます。

(2)カナダ、アルバータ州
 アルバータ州南部(灌漑地域)について、1番刈の収穫は7月に終了しており、一部で雨あたりも発生しましたが、全体の75~80%程度は上位グレードとなっています。2番刈は9月中旬から収穫開始の予定です。
 アルバータ州中部(灌漑及び天水地域)について、1番刈の収穫は終盤に差し掛かっています。7月に収穫されたスタックの品質は概ね良好ですが、8月中旬から続く天候不順により、それ以降に収穫されたスタックの多くが刈遅れや雨あたりにより輸出品には向かない品質であると予想されます。
 アルバータ州北部(天水地域)について、1番刈の収穫が進行中です。不安定な天候が継続しており、雨あたりや刈遅れの影響から輸出に適した品質のスタックを得ることが難しくなってきています。そのため今年は、ヘイではなくストローとして収穫する生産者も現れるものと思われます。

 
3.スーダングラス
 主産地のカリフォルニア州インペリアルバレーでは、1番刈の収穫は終了しています。シーズンを通して雨あたりの被害は殆どなく、とりわけ6月初旬に収穫された玉の品質は比較的良好ですが、6月中旬以降に収穫された玉は急激な気温上昇に伴い茶葉混入が散見されます。
 直近では2番刈の収穫が終盤に差し掛かっています。今年の2番刈りは、軸太品の発生が少ない(細軸~中軸中心である)事が特徴的です。その理由としては、①スーダンの種子価格が昨年対比で軟化し、生産者が播種密度を高めたことで比較的細軸の傾向となったこと、②スーダンの相場軟化により収益性に魅力を感じなかった生産者が、1番刈終了後に野菜などの他作物へ転作を進めたことが挙げられます。
 産地相場について、PNWのチモシー相場軟化に伴い、スーダンの産地価格も旧穀対比で下落しました。しかし、直近では米国内フィードロットからの低グレード品(軸太品)への引き合いが増加しており、低グレード品の産地相場が上昇し始めています。牛肉消費量の増加を背景にインペリアルバレーでは肉牛の増頭が進んでいること、またクレインやバミューダなどといった他の粗飼料と比較して低グレードのスーダンがまだ値ごろ感があることが堅調な米国内需の理由として挙げられます。


 
4.ストロー類(ペレニアル・アニュアル・フェスク)
 主産地でありますオレゴン州ウィラメットバレーでは、8月後半にストローの収穫は終了しました。今年は同地域全体で収穫時期に降雨があり、アニュアルライグラスやフェスクでは殆どのスタックが何らかの雨あたりの被害を受けている状況です。ただし、No.2グレードと呼ばれるような激しい雨あたりにより著しい変色を伴ったスタックの発生は限定的であり、そのような低グレード品は主に韓国向けに取引が行われるものと思われます。日本むけには軽い雨あたり品であるNo.1グレードが中心に出荷される予定です。またペレニアルライグラスに関しても一部で雨あたりは発生していますが、その程度、量は限定的です。
 ストロー類は圃場単位での受け渡し(スタックバイスタック)が行われないため、クロップイヤーごとの品質の振れ幅を理解することが重要ですが、今年は圃場により雨あたりの程度やタイミングが異なるため、例年よりも品質の振れ幅が大きくなることが予想されます。
 下記写真の通り、雨あたりといっても採種時のコンバインの際に茶葉はある程度は除去されるため、著しく色目が劣化しているわけではありません。ただし、作柄の良かった昨年と比較しますと茶葉や軸の変色が目立つと思われるため、顧客への事前説明が肝要です。



5.豪州産オーツヘイ
 オーツの育成状況について、各州とも降雨が見られているものの、降水量は例年を下回っております。特に西豪州は降雨が少なく、生育が例年よりも遅れております。また、肉相場(牛、羊)が好調なことから、豪州国内農家からオーツの下位グレードおよびストロー類の引き合いが徐々に強くなっております。
 日本や韓国からの引き合いについて、北米産イネ科乾牧草の相場が新穀切り替えにより軟化し、オーツヘイの価格帯に割高感が出てきたことから、荷動きが鈍っている状況となっております。




                                                      以上
 


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