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平成26年12月25日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 平成26年12月号
 
はじめに
 今回も港湾関連状況を冒頭にご案内致します。
 此度のスローダウン戦術は、荷動きの悪化が表面化してから既に1ヶ月半が経過しており、いまだ改善の見通しは立っておりません。不定期船と異なり、週単位でサービスが存在するコンテナ物流において中間業者は在庫を持たないことが一般論であるため、各種業界が配船遅延により大混乱しています。
 船会社はこうした状況に対応するため、①東廻り航路のロサンゼルス抜港(1月より4週間)②航路の変更(タコマ・シアトル・バンクーバーの順を入れ替える)③シアトル寄港を当面とりやめ、タコマのみに集中する(一部の船会社)等の配船変更を始めました。
 荷主は対応が難しいスケジュール遅延に係る増高経費に苦慮していますが、船社も本船遅延による著しい増高経費に苦しんでいます。根本的には低下した海上運賃水準を引き上げるためではありますが、増高経費への対応としてGRI(海上運賃一括値上げ)やコンジェスチョン・サーチャージ(港湾荷役の渋滞に伴う割増料金)の発動を視野に入れています。実際に、TSA(太平洋航路安定化協定)加盟各船社は11月中下旬に$1,000/コンテナという、運賃よりも高いコンジェスチョン・サーチャージを発表しました。しかしFMC(連邦海運委員会)はその前提となる環境と文言の疑義があるとし、これを支持しなかったことから各社は「適用延期」として現在に至りますが、「中止」とはされていません。一方で、既に12月CY持込貨物にはGRIが適用されています。
 交渉は継続されており、成立の目処が立っていないため、状況を引き続き注視する必要があります。


1.アルファルファヘイ
 各地での収穫作業は終了しました。
 アルファルファヘイは秋口に新規作付けが行われます。刈取番手が多く、生産量が期待できるカリフォルニア州インペリアルバレーでは、2014年度の作付面積は過去最高水準で推移した一方、2015年度産を占う12月の面積は一転してここ数年(2009年以降)で最低水準となっています。主な原因としては ①同地域は今年旱魃を経験しており、水の使用量が多いアルファルファヘイを敬遠したこと ②中東が米国以外からの購買をすすめたことによる購買量の大幅減が招いた市況価格の下落が考えられます。
 PNWでも、生産者は近年アルファルファヘイの作付に意欲が高かったものの、圃場の地力回復を目的に、アルファルファヘイではなくスイートコーンやジャガイモの作付面積拡大に意欲があるとされています。

2.スーダングラス
 スーダングラスはオフシーズンです。生産者は収入の最大化をはかるためにデュラム小麦収穫後にスーダングラスの遅蒔き播種をする傾向があることから、この時期はカリフォルニア州インペリアルバレーでの小麦の作付面積が注目されます。今年度産はデュラム小麦の主産地が不作であり、気候の違いから早期出荷が期待できる同地域での面積は大きく拡大されています。よって、2015年度産のスーダングラスの供給余力は比較的高いことが予想されます。

3.ストロー類
 ライグラスストロー、フェスキューストローともに需要は堅調ですが、スローダウンの影響を強く受けています。ストローの供給元は基本的に製品在庫向けのスペースを持たないため、出荷が不安定になることは生産量の安定性に直結します。ある供給元は11月の生産量が前年同時期対比で40%減、12月の見通しは60%減としており経営悪化の大きな要素になっています。
 各供給元は原料供給元となるベーラーへプレッシャーを与えるために過剰な原料購買をしていません。このため、ダンピングを迫られる必要性、リスクは少ないことから1月以降は採算確保に向けて価格調整を進める可能性が高いと思われます。

4.USチモシーヘイ
 チモシーも既に収穫作業を終了しています。
 各社、コストを重視して運営する時期ですが、潤沢な収穫量と高値を嫌って減少する需要を背景に、利益を出しづらい品目になっています。需給のギャップから、単発的なダンピングもこの2ヶ月間で散見されました。
 チモシーは収穫地域をPNWにほぼ限定していることから、ここ最近の港湾事情による影響を一番強く受けている品目です。
 なお供給余力については、2番刈はまだ良品も含めて原料市場に残されており、潤沢であると言えます。

 
5.豪州産オーツヘイ
 各地域において豪州産オーツヘイの収穫作業は終了しました。
 東・南豪州では播種-成育時期にかけて天候に恵まれたことから良品が目立つ一方で、西豪州では収穫時期の9-10月にかけて断続的な降雨に見舞われたために適期に収穫できなかったものや、雨当たり品が多いことが今年度産の特徴です。
 東・南豪州の旱魃により生産量は減少傾向にあり、出荷量も平年以下となる見通しです。西豪州の出荷量は平年以上の見込みですが、大半が雨当たり品となりそうです。
 豪州からの年間出荷量は70万トン程度とされています。日本向けの40万トン、韓国向けの15万トン、台湾向けの5万トンという指定席的な需要数量に加えて、中国向けに15万トン程度の需要が見込まれており、需給構造は需要過多の傾向となっていく見通しです。

以上

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