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食肉情勢

(1)牛肉

<供給>
(1)国産
 令和2年4月の成牛と畜頭数は、84.5千頭(前年比92.4%)となった。内訳を見ると、和牛37.0千頭(前年比88.9%)、交雑牛18.8千頭(同 87.7%)、乳牛去勢13.6千頭(同 94.5%)であった。
 令和2年5月の成牛と畜頭数は、速報値(5/29まで集計)で75.9千頭(前年比94.3%)と前年を下回った。
 (独)農畜産業振興機構が5月27日に公表した牛肉の需給予測によると、6月の生産量は全ての品種で出荷頭数の増加が見込まれることから前年同月をやや上回ると予測している。3ヶ月平均(4~6月)では、出荷頭数、生産量ともに前年同期をわずかに上回ると予測している。

(2)輸入

 令和2年4月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で69.1千トン(前年比102.7%、前月比145.3%)となった。内訳は、チルドが28.3千トン(前年比109.4%、前月比113.6%)、フローズンが40.8千トン(同 98.5%、同 180.3%)となった。チルドの輸入量は日米貿易協定のSG回避に伴い、3月の未通関玉が4月に繰り入れられたこと等で前年を上回る結果となった。主な国別でみると、チルドは豪州11.8千トン(前年比95.3%)、米国14.2千トン(同 123.5%)、カナダ1.2千トン(同 123.1%)、フローズンは米国18.3千トン(同 118.5%)、豪州15.7千トン(同 81.4%)、カナダ2.4千トン(同 63.7%)、ニュージーランド2.2千トン(同134.8%)、メキシコ1.0千トン(同 95.3%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が5月27日に公表した牛肉の需給予測によると、チルドビーフ輸入量は、5月は前年同月を大きく下回り、6月は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う北米現地工場の稼働停止等による生産量の減少や、これによる供給不足を補う動きから豪州産の現地価格が高騰しているため、輸入量の減少が見込まれ、前年同月をかなりの程度下回ると予測している。なお、3ヶ月平均(4月~6月)では、前年同期をやや下回ると予測している。

<需要>
(1)家計
 総務省発表の令和2年3月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は600g(前年比105.1%)、支出金額が1,848円(同110.6%)となった。

(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,233億円(前年同月比118.9%)となった。家庭での食事機会の増加の影響で需要が高まる中、保存性の高さが評価されたほか、一斉休校による子供の在宅率の増加の影響が大きく精肉・加工品ともに好調に推移した。牛肉では、和牛や銘柄牛が外食からの需要減少により単価が下落して好調となった。全般的に大容量の需要が高く、なかでもハンバーグや餃子向けの挽肉などが好調となった。豚肉や鶏肉でも需要が大幅に拡大しているものの、相場上昇により伸び悩んだ店舗も見られた。加工品では主力のハム・ソーセージ・ベーコンに加え、レトルトのハンバーグなどの簡便商材も好調となったとの報告がなされた。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は937億円(店舗調整後で前年同月比118.0%)となり3か月連続で前年実績を上回る結果となった。畜産品の動向としては、牛肉、豚肉、鶏肉といった精肉に加え、鶏卵やハム・ソーセージなど、いずれも好調だったとしている。

(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査4月度結果報告によると、新型コロナウイルスの影響を前月以上に大きく受け深刻な事態となったとしている。7都道府県を対象に発令された7日の緊急事態宣言が16日には全国へと拡大され、外食店舗は全国的に営業時間の短縮を要請された。このため休業する店舗も増え、また営業を続ける店舗でも外出自粛の中での時短営業により客数が大幅に減少、4月の外食全体の売上は前年比60.4%と、調査開始以来最大の下げ幅となったとしている。業態では、ファーストフードの全体売上が84.4%と踏みとどまったが、ファミリーレストランの全体売上が40.9%と前年を大幅に下回り、焼肉は休業する店舗も多く売上30.9%となり、なかでも居酒屋は9.7%、ディナーレストランは16.0%と壊滅的な打撃を受けたとしている。

<在庫>
 (独)農畜産業振興機構公表の令和2年3月末の推定期末在庫量は、126.8千トン(前年比109.4%、前月比104.1%)となった。内訳は、輸入品在庫が116.1千トン(前年比108.3%、前月比104.1%)、国産品在庫が10.7千トン(同122.7%、同 104.4%)となった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、4月が142.0千トン(前年比 121.2%)、5月が139.4千トン(同 116.4%)、6月が142.9千トン(同 115.1%)と予測している。

<市況>
(1)5月~6月
 令和2年5月の東京市場枝肉卸売価格(速報値5/29時点)は、和牛去勢A5が2,196円(前年比81.0%)、和牛去勢A4が1,813円(同75.2%)、和牛去勢A3が1,603円(同 72.8%)、交雑牛B3が1,252円(同 76.1%)、乳牛去勢B2が994円(同93.9%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が5月27日に公表した6月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が37.5千頭(前年比108.7%)、交雑牛が18.3千頭(同 100.2%)、乳用種が26.4千頭(同 105.1%)であり、全体では83.5千頭(同 105.5%)と見込んでいる。
 5月の枝肉相場は、政府の緊急事態宣言に伴う外出自粛要請などによる内食需要が継続し、GW明けは巣ごもり需要で持ち直し、中旬は外食需要の低迷などで弱持ち合いとなったものの、下旬は緊急事態宣言の解除による外食需要への期待感により強含みの展開となった。6月は緊急事態宣言の解除による影響が不透明な中、供給面は出荷頭数が前年よりも多い予測となっており、需要面ではインバウンド需要は期待できず、外食需要が以前のような状況に戻ることは難しいと考えられるが、緩やかに回復することを期待したい。枝肉相場は需要と供給、加えて梅雨などの季節的な背景もあり、5月と比して持ち合いの展開が予測される。

(2)豚肉

<供給>
(1)国産

 令和2年4月度全国の肉豚出荷頭数は1,449千頭(農林水産統計5/29公表 前年同月比103.2%、前月比101.0%)となった。4月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道108.6%、東北105.7%、関東102.4%、北陸甲信越98.3%、東海95.0%、近畿97.0%、中四国100.8%、九州・沖縄104.0%となった。
 令和2年5月の全国と畜頭数は、速報値で1,223千頭(5/29まで集計)、前年同月比90.2%となっている。稼働日数では昨年より2日少なく、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で64,353頭となっている。(前年は64,556頭/日)
 農水省食肉鶏卵課令和2年5月18日付肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は令和2年6月1,257千頭(前年同月比104%)、7月1,282千頭(同94%)、8月1,260千頭(同100%)、9月1,296千頭(同101%)となっている。  

(2)輸入
 令和2年4月の輸入通関実績は豚肉全体で101.7千トン(前年同月比103.4%、前月比150.2%)となった。内訳はチルドが37.7千トン(前年同月比104.2%、前月比106.2%)、フローズンが64.0千トン(同102.9%、同198.7%)となった。主な国別では、チルドがカナダ18.0千トン(前年同月比100.8%)、米国18.8千トン(同108.1%)、メキシコ0.9千トン(同95.5%)となった。フローズンは、スペイン12.6千トン(前年同月比96.9%)、メキシコ9.6千トン(同118.7%)、デンマーク12.0千トン(同67.0%)、カナダ4.2千トン(同117.3%)、米国8.7千トン(同218.6%)となっている。チルドはTPP11、日欧EPA、日米貿易協定による関税率の削減により、3月末の未通関玉が4月に繰り越したことで輸入量が増加し、前年を上回った。フローズンは日米貿易協定の関係で米国産が大幅に増加し、3月未通関玉の4月への繰り越しにより全体では前年を上回る結果となった。
 
<需要>
(1)家計

 総務省発表の令和2年3月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は2,044g(前年同月比109.0%)、支出金額が2,820円(同111.1%)となっている。


(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,233億円(前年同月比118.9%)となった。家庭での食事機会の増加の影響で需要が高まる中、保存性の高さが評価されたほか、一斉休校による子供の在宅率の増加の影響が大きく精肉・加工品ともに好調に推移した。牛肉では、和牛や銘柄牛が外食からの需要減少により単価が下落して好調となった。全般的に大容量の需要が高くなかでもハンバーグや餃子向けの挽肉などが好調となった。豚肉や鶏肉でも需要が大幅に拡大しているものの、相場上昇により伸び悩んだ店舗も見られた。加工品では主力のハム・ソーセージ・ベーコンに加え、レトルトのハンバーグなどの簡便商材も好調となったとの報告がなされた。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は937億円(店舗調整後で前年同月比118.0%)となり3か月連続で前年実績を上回る結果となった。畜産品の動向としては、牛肉、豚肉、鶏肉といった精肉に加え、鶏卵やハム・ソーセージなど、いずれも好調だったとしている。
 5月は新型コロナウイルスの影響により内食需要が継続したなかで、輸入商品の供給懸念もあったが量販店や宅配などの荷動きは全体的に堅調であったものの、一部の量販店などでの販促チラシの自粛などもあり月末に向け荷動きは落ち着きをみせてきた。部位ではロースやバラの引き合いは徐々に落ち着いてきており、モモ・ウデ、ひき材の引き合いが強く荷動きは堅調であった。輸入チルドポークについては国産同様に荷動きが堅調であった。冷凍品については輸入品がチルドポークの代替え需要で4月より荷動きが良くなり、国産品は冷凍食品向けなどの需要により堅調な荷動きとなった。


(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表 令和2年3月の豚肉加工品仕向量は30.8千トン(前年同月比103.1%、前月比109.0%)となった。この内、国内物が5.4千トン(前年同月比101.7%)、輸入物が25.5千トン(同103.4%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは10.9千トン(前年同月比108.8%)となっている。

<在庫>
 農畜産業振興機構発表の令和2年3月末の推定期末在庫量は、210.1千トン(前月比101.0%、前年同月比126.2%)となった。内訳は、輸入品の在庫が185.1千トン(前月比100.0%、前年同月比127.4%)、国産品が25.1千トン(同108.6%、同118.1%)となり、輸入品、国産品いずれも、前年を大きく上回る結果となっている。

<市況>
(1)5月~6月

 令和2年5月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(5/29時点)で627円/kg(前年同月比103.7%、前月比102.6%)となった。需要面では新型コロナウイルス拡大による非常事態宣言の影響で外食需要が減少したが、外出自粛や休校などに伴う巣ごもり需要の高まりにより量販店・宅配などの荷動きが良かった。供給面では国産が全国と畜頭数が前年同期を下回る出荷となり、輸入チルドポークが工場停止などの減産などにより先行きにひっ迫感があった。相場はGW明けが新型コロナウイルスの影響で高値となり、中旬以降は反落する状況となったが、全体としては前年同月を上回ることとなった。
 農畜産業振興機構発表の6月出荷予測頭数は1,257千頭(前年同月比103.5%)と予測している。需要面では緊急事態宣言の解除後の消費者動向が不透明ではあるものの、継続して家庭消費は継続するものとみられ、量販店や生協宅配などの内食需要は継続することが見込まれる。新型コロナウイルスの収束がポイントとなるが、枝肉相場は夏場まで底堅い展開が予測される。なお、供給面では新型コロナ禍に伴う北米工場の休止、減産などにより、しばらく輸入チルドポークが減少することから売場への影響は大きいとみる。

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