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食鳥市況

1.生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会5月下旬実施)によると、4月の推計実績は、処理羽数61,892千羽(前年比103.2%)・処理重量185.6千トン(同103.1%)と前月時点の計画値と比較すると処理羽数(同102.9%)、処理重量(同101.8%))ともに若干上回った。近畿・中国・四国地区で処理重量(同98.5%)が下回ったものの主要産地である北海道・東北地区(同102.7%)・南九州地区(同104.5%)が順調に推移しカバーした形となった。なお、一部で内食需要の高まりから生鳥出荷の前倒しがあったとの情報も確実ではないが伝わってきた。
 5月は処理羽数(前年比99.6%)・処理重量(同97.1%)とも前年を下回る計画となっており、逆に6月は処理羽数(同104.7%)・処理重量(同102.1%)ともに上回る計画となっている。7月は処理羽数(同101.8%)は若干上回るものの、処理重量(同99.3%)やや下回る見通しにとどまっている。新型コロナウイルスの感染拡大の影響は鳥インフルエンザ発生の場合と異なり、生産面で直接の影響はないものの、処理場従業員が罹患した場合のBCP対策が課題になると考えられていたが、今のところ大きな問題は生じていない。消費面では、インバウンド需要・学校給食の激減、大規模イベント等の中止・自粛や夜間の外出自粛等による鶏肉消費の落ち込みが続いている。逆に内食需要についても生協・量販店等では好調をキープしている。鶏肉相場は依然落ち込みもせず、弱保合程度で推移している。今後も自粛ムードが長期化すれば、内食需要はあるものの、外食を含め鶏肉全体の消費停滞も考えられるため、早い終息が望まれる。


2.輸入動向

 財務省が5月28日に公表した貿易統計によると、4月の鶏肉(原料肉)輸入量は46.7千トン(前年比98.8%)で、日本食肉輸出入協会の予測(44.6千トン)を約2.1千トン上回った。国別では米国が鳥インフルエンザ発生に伴う輸入停止措置等の影響で0.9千トン(同52.8%)と減少したものの、ブラジルが予測を約2.0千トン上回る35.1千トン(同99.9%)、タイも約0.1千トン上回る10.4千トン(同102.4%)となった。前年は下回ったものの、1-4月累計で前年比5.1%増となっている。同協会(5月21日取り纏め)によると5月44.05千トン(同94.6%)・6月42.65千トン(同98.4%)と予測されている。今回も前月同様新型コロナウイルス感染拡大を受けて書面開催となったためコメントはなしとなった。ブラジルでも感染症が蔓延しており生産にも影響を及ぼすとみられ、日本向けも減少の見通しとなっている。全国的に緊急事態宣言が解除されたものの外食需要の回復には時間を要するとみられ苦戦はしばらく続くと思われる。
 鶏肉調整品の4月輸入量は44.4千トン(前年比99.1%)と、前月より約1.7千トン増加したものの前年を若干下回った。国別ではタイ産は前月並みで前年比99.2%の27.0千トン、中国産はやや回復し前月比約2千トン増の16.9千トンとなった。1-4月累計では1・2月の減少が大きく95.9%と低迷している。5月以降についても、流動的で中国の動向次第ではあるが国内向け需要増もあり調整品全体の輸入減少が見込まれる。


3.消費動向

(1)家計
 総務省統計局発表の家計調査報告によると、3月は、全国一世帯当たりの3畜種生鮮肉の消費(購入)数量は4,261g(前年比109.9%)、金額は6,119円(同110.4%)となった。新型コロナウイルスの影響による家庭での調理機会が増えたことから堅調に推移したことが伺える。牛肉は数量(同105.0%)・金額(同110.6%)ともに上回り、豚肉も数量(同108.9%)・金額(同11101%)ともに上回った。鶏肉についても同様でテーブルミート等の販売が順調で数量(113.2%)、金額(同108.9%)とも前年を上回った。また加工品についても「買いだめ需要」でハム(同110%)、ソーセージ(同109%)の数量も増加した。

(2)量販
 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、4月の食品売上高は全店ベースで前年比114.4%と上回り、生鮮3部門の売上高も全店ベースで前年比116.5%、既存店ベースでも同114.6%と上回った。畜産部門の売上高は1,233億円で全店ベース(同121.0%)、既存店ベース(同118.9%)とも大きく上回った。「家庭での食事機会が増加の影響で需要が高まる中、保存性の高さが評価されたほか、一斉休校による子供の在宅率の増加の影響が大きく、精肉・加工肉ともに好調に推移した。牛肉では和牛や銘柄牛が外食からの需要減少により単価が下落して好調となった。全般的に大容量の需要が高く、ハンバーグや餃子向けの挽肉などが好調となった。豚肉や鶏肉でも需要が大幅に拡大しているものの、相場上昇により伸び悩んだ店舗もみられた。加工品では、主力のハム・ソーセージ・ベーコンに加え、レトルトのハンバーグなど簡便商材も好調となった。今後、輸入品の調達難による相場高も予想されており、価格上昇を心配するコメントもみられた。」と報告された。
 
(3)加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる3月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比105.4%の4.71千トンとなった。うち国内物は同107.9%の4,010千トンと大幅に増加したものの、輸入物は同92.8%の0.702千トンと下回った。鶏肉加工品は4月以降も家庭内需要や中食需要の高まりから動きも堅調と考えられ、逆に中国等からの調整品輸入が減少となっていることを考えると国産物での製造量増加が期待できると思われる。



4.在庫状況

 推計期末在庫は国産31.1千トン(前年比112.5%・前月差+1.34千トン)、輸入品139.3千トン(同111.7%・同+1.39千トン)と合計で170.4千トン(同111.9%・同+2.73千トン)となった。生産量が1.37千トン増加し、輸入量も約2.8千トン増加した。国産品の出回り量が生産量を下回ったため、国産品の在庫は増加し、昨年比でも11.9%増加となっている。輸入品も、出回り量が約2.5千トン増加の45.3千トンだったものの在庫は増加し、前年からも上回った。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月27日公表)では、4月は国内生産量が前月並み(139.1千トン)、輸入量は前月比で約2.1千トン減少、出回り量も前月比で約0.7千トン減少するため期末在庫は約171.7千トンと前月より約1.3千トン増加し、前年より約12.1%増加の見通しとなっている。
 5月は前月比で生産量は前月並み(139.2千トン)、輸入量がブラジル中心に0.5千トン減少し、出回り量は5.0千トン増加することから期末在庫は国産・輸入品合計で4.2千トン減少の167.5千トン(前年比109.7%)と予測されている。6月は生産量が0.9千トン増加する反面、輸入量が1.4千トン減少し、出回り量も6.8千トン減少するため、在庫は2.2千トン増加の169.7千トン(前年比110.5%)と前年を上回る予測となっているが、前月に続き新型コロナウィルスの影響による需給動向に注視が必要である。


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