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食鳥情勢(令和3年4月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和3年3月下旬実施)によると、2月の推計実績は、処理羽数57,382千羽(前年比96.2%)・処理重量174.1千トン(同97.7%)となり、前月時点の計画値と比較すると処理羽数(同97.1%)は0.9%下回ったものの、処理重量(同97.7%))は0.8%上回った。鳥インフルエンザの拡大や寒波による育成率の低下が反映されたと思われる。廃棄合計は4.22%と前年同月より0.23%下回った。
 3月は処理羽数(前年比104.4%)・処理重量(同103.8%)とも前月時点の計画値(104.6%・103.9%)並み。4月は処理羽数(同100.9%)・処理重量(同100.5%)ともに前年を上回り、前月時点の計画値と比較すると処理羽数(同100.6%)は0.1%増加、処理重量(同100.4%)は0.1%増加と計画値並み。なお、日本種鶏孵卵協会の昨年12月末時点での種鶏導入調査結果によると、2021年次は4,792千羽、2021年度では4,791千羽と推計され、農水省の統計結果の実績に対し年次で同0.4%減少、年度では同1.4%減少が見込まれる。さらにひな生産能力の減少が見込まれ、コマーシャル素ひなえ付羽数を前年比1.5%増と仮定すると、年間11,250千羽不足が見込まれる計算となる。

生産動向表

輸入動向

 財務省3月30日公表の貿易統計によると、2月の鶏肉(原料肉)輸入量は45.5千トン(前年比103.6%)で、日本食肉輸出入協会の予測(44.80千トン)を約0.7千トン上回り、国別ではブラジルが全輸入量の65%と7割を切る落ち込みで29.8千トン(同95.3%)、逆にタイは13.3千トン(同126.8%)となり、輸入シェアの約29%まで伸長した。価格については輸入品(鶏肉調整品を除く)全体で平均193.5円/kgと前年同月比で78%と低水準となっている。同協会では3月の輸入を約44.6千トン(前年比4.5%減)、4月を約44.8千トン(前年比4.1%減)と見込み、新型コロナウィルスの流行による外食需要の落ち込みを受けて、2か月連続で前年実績を下回ると予測している。4月はタイ、米国からの輸入量は増加が見込まれるがブラジルからの輸入量は減少の見込み。
 鶏肉調整品の2月輸入量は34.2千トン(前年比107.1%)と、前月より約0.5千トン増加した。国別ではタイ産が前年比86.7%の約21.6千トンで大きく減少し、一方で中国産は前年比185.3%の約12.2千トン大幅な増加となった。今後の外食関係、夏場の需要も見据え、中国産の商品についてはやきとり関係の輸入量が増加しているとも予測できる。回復の兆しが見えつつあるが長引く業務筋からの需要の落ち込みを反映しているが、3月以降についても、不透明かつ流動的で中国国内の動向次第と思われる。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告によると、令和3年1月は、全国一世帯当たりの3畜種生鮮肉の消費(購入)数量は4,152g(前年比115.3%)、金額も6,206円(同113.2%)と、ともに前年を上回った。畜種別でみると牛肉は数量(同115%)・金額(同112.6%)ともに上回り、豚肉も数量(同114.5%)・金額(同114%)ともに上回った。鶏肉についても同様で、1月に入ってもテーブルミート等での購入が活発で数量(同116.5%)・金額(同112.2%)とも前年を上回り、全体的に数量の伸び率が高かった。また加工品については加工肉全般で金額(同110.3%)が前年を上回っている。4月~5月の行楽シーズンで加工肉の動きがどうなるかは不透明な部分もある。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和3年2月の食品売上高は全店ベースで前年比99.6%と昨年度を下回った。一方で生鮮3部門の売上高も全店ベースで前年比103%、既存店ベースでも同102.1%と上回った。畜産部門の売上高は1,047億円で全店ベース(同101.1%)、既存店ベース(同100.3%)とも前月に続き前年を上回った。「緊急事態宣言発令に伴う自宅調理傾向の高まりは継続しているものの、うるう年の翌年にあたり営業日が一日少ない影響や、前年この時期から保存性の高い食品の需要が増加した反動もみられ、やや伸び悩んだ。豚肉や鶏肉は気温上昇で鍋用は不振となったがそれ以外は堅調に推移した。国産相場が上昇しており、輸入品を拡販する動きもみられた」と報告された。また総菜部門の売上高は全店ベース(同101.2%)は前年を上回り、既存店ベース(同100.4%)でも上回った。「中食ニーズにはやや回復傾向もみられており、米飯類やサラダ関連が好調となった。家飲み向けの焼鳥やつまみ類は引き続き堅調に推移している。駅弁フェアなど遠出できないお客様に向けたイベントが好調である一方、通勤客減少の影響を受けた夕方以降の来店客数減少、ばら売り中止による揚げ物の販売点数減などの苦戦も続いている」と報告があった。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる令和3年1月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比102.7%の4.089千トンとなった。うち国内物は同99%の3.33千トンと僅かに下回り、輸入物は同123.4%の0.76千トンと上回った。鶏肉加工品も一時的に減少はしたものの1月以降も引続き家庭内需要や中食需要があり、国産原料の市況価格は高止まりしているが、中国等からの調整品輸入が減少していることを考えると国産物での製造量回復が期待できると思われる。また、唐揚げをメインにした専門店等の出店も多くあり、国産・輸入品ともに今後数量拡大の兆しもみられる。

在庫状況

 推計期末在庫は国産26.5千トン(前年比90.4%・前月差△0.3千トン)、輸入品129.5千トン(同93.0%・同+5.2千トン)と合計で156千トン(同92.5%・同+4.9千トン)となった。前月に比べ生産量が20.1千トン減少し、輸入量は6.2千トン増加した。国産品は出回り量が133.8千トンで生産量を上回っているが在庫はわずかに減少している。輸入品は、出回り量が6.1トン減少し、43.6トンとなり、輸入品の在庫は129.5千トンで(前年比94.7%・前月差+5.3千トン)増加した。3か月連続で国産・輸入合計の在庫が150千トン台となった。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(令和3年3月29日公表)では、令和3年3月の国内生産量が2月と比較すると、142.2千トンで12.4千トン増加し、輸入量は前月比で約0.7千トン減少、出回り量については前月比で約11.8千トン増加するため期末在庫は約158.3千トンと前月より約1.1千トン増加はするが、前年(169.3千トン)より約7.1%減少の見通しとなっている。
 生産量は、鶏肉生産量の約9割を占めるブロイラーの生産動向が大きく影響し、3月は前年同月をやや上回る一方、4月は約138千トンと予測し、前年同月をわずかに下回る見込み。輸入量は3月は前年同月の輸入量が多かったことから、タイおよび米国からの輸入量は増えるもののブラジルからの輸入量が減少すると見込まれる。

在庫状況表

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