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食鳥情勢(令和4年1月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和3年12月末実施)によると11月の推計実績は処理羽数62,957千羽(前年比103.7%)・処理重量192.8千トン(同105.2%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は0.7%上方修正し、処理重量も3.0%上方修正となった。特に当初の計画を上回る生育の良さにより、処理重量は大幅に増加した。地区別で見ても全国的に処理重量は前年を上回っており、気候が安定していた事や、旺盛な生産意欲が反映したのではないか。
 生産見込みについては12月は各産地増体が良かった事もあり、体感的には例年以上に供給は多かった。1月についても処理羽数が前年同月比で104.7%、処理重量で103.9%と前年を上回る見通しとなっている。11月の入雛が多かった事も反映しているのではないか。鳥インフルエンザの発生次第では影響も懸念されるが順調な生産が暫く続くだろう。全国的な人手不足は解消する見込みは立っておらず、各産地は加工品や副産品(小肉・ハラミ・脂等)の製造調整は続いており、今後も調整が見込まれる。

生産動向表

輸入動向

 財務省12月24日公表の貿易統計によると令和3年11月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月の6,578トン増の5万7,790トンで前年同月の実績を27.5%上回った。前月差ではブラジルが+5,463トン、タイが+842トンとなっており、生産・コスト高はあるものの、国内在庫の減や底堅い加工向け需要等からの増加となったのではないか。12月以降の見通しについてはコロナウイルスの影響で稼働に大きな影響が出ている。飼料価格の高騰、為替動向も加わりコストは増える見込み。国産の凍結玉消化との兼ね合いがあるものの、年明けに一部業者で補充買いの動きもあるため、輸入量は若干増加するのではないか。
 鶏肉調整品の輸入量は4万3,754トンで前年同月比102.4%と前年を上回った。前月差ではタイが+4,414トン、中国が+4,311トンとなった。タイについては前月差では増加しているものの、前年同月比では▲12.4%となっている事から、コロナウイルスによる工場稼働が落ちている事による影響ではないか。中国についてはタイを補填する形で前月差・前年同月差共に上回っている。クリスマス商材については昨年程の外食控えは無かったことに加え、まだまだ消費が内食に向いている事もあり、順調であったようだ。しかし、輸入品の不足等から輸入原料を使用した商品を国産原料へ変更した業者も一部あったと聞かれるため、国産鶏肉の原料使用も増加したのではないか。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和3年11月の生鮮肉消費(購入)は数量4,191g(前年比96.9%)、金額6,264円(同96.3%)と前年を下回った。鶏肉は数量1,536g(同102.5%)・金額1,429円(同100.3%)と9月報告から3か月連続で前年を上回る結果となった。一方、加工品については加工肉全般で金額1,573円(同95.9%)と9か月連続で前年を下回った。調理食品が金額11,500円(同104.9%)、外食が12,401円(同97.9%)となっており、外食控えや調理する手間を省きたい共働き世帯等の調理済み食品の利用が増加している事が数値に反映しているのではないか。鍋に欠かせない葉物野菜等の価格も安定してきており、気温の低下に伴い鍋需要も高まってくることから鶏肉消費が増加することが見込まれる。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和3年11月の食品売上高は全店ベースで前年比99.7%と前年を下回った。生鮮3部門の売上高は全店ベースで前年比98.3%、既存店ベースでも同96.8%と前年を下回った。また、畜産部門の売上高は約1,131億円で全店ベース(同98.3%)、既存店ベース(同96.8%)とも前年を下回った。「緊急事態宣言解除による内食需要の落ち着きに加え、国内産、輸入品共に価格の高騰が続いており、販促も打ちにくく、伸び悩んだ。国産牛、輸入牛ともに価格上昇が続き動きが悪く、なかでも和牛など高単価商品が不調となった。豚肉や鶏肉は鍋需要を中心に回復傾向がみられた。ハム・ソーセージなど加工肉は前年好調の反動で不振とする店舗が多い。」と報告された。総菜部門の売上高は全店ベース(同104.2%)、既存店ベース(同102.3%)ともに前年を上回り、高水準を維持している。「緊急事態宣言解除による通勤の再開などで夕方以降の人流が増加し、夜間売上が回復した店舗がみられた。寿司類は引き続き好調、油脂類の値上げにより家庭での調理を避けるためか、揚物類が好調とのコメントが多い。近場への行楽や、小規模イベントの再開により、弁当類も好調に推移。引き続き、家飲み用の、焼鳥やつまみ類も堅調に推移している。正月のおせち予約注文が好調とのコメントが多い。」と報告があった。野菜価格は安定しているため、鶏肉を使用した料理も増えるのではないかと期待される。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる令和3年11月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比102.0%の4,676トンとなった。うち国内物は同98.0%の3,707トンと前年を下回り、輸入物は同120.9%の968トンと前年を上回った。前月同様に輸入原料を使用した加工品の製造量は増加しており、原料価格の高騰を見込む製造だと推測される。

在庫状況

 (独)農畜産業振興機構の推計期末在庫では国産33.6千トン(前年比127.0%・前月差▲1.1千トン)、輸入品114.7千トン(同87.4%・同+6.5千トン)と合計で148.3千トン(同94.0%・同+5.3千トン)となった。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(令和3年12月23日公表)では、11月の出回り量は国産147.6千トン(前年比104.8%・前月差+1.7千トン)、輸入品48.9千トン(同101.6%・同▲1.7千トン)と合計で196.6千トン(同104.0%・同±0.0千トン)となった。11月以降の国産在庫については消費量は増加傾向にあるものの、需要を上回る生産量により増加するのではないか。一方、輸入在庫についてはタイ現地でのコロナウイルスによる工場稼働への影響が懸念されるが、国内の輸入在庫の減少等によりブラジルからの輸入量は増加する事が見込まれるため、輸入品在庫は一時的に増加する可能性がある。

在庫状況表

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