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食鳥情勢(令和3年6月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和3年5月下旬実施)によると4月の推計実績は処理羽数61,996千羽(前年比100.2%)・処理重量188千トン(同101.3%)となり、前月末時点での出荷計画に比べると羽数は0.9%下方修正も重量では0.5%増と上方修正された。5月の出荷計画は前月時点の計画より処理羽数で0.7%、処理重量で0.4%上方修正、6月は同様に処理羽数では0.1%、処理重量で0.4%それぞれ下方修正されたがほぼ安定した出荷が続くと予測される。
 5月以降も処理羽数・重量共に1%前後の伸びがある見通しで安定的な供給が見込まれている。南九州産地・東北産地ともに生産は温暖な気候で鳥インフルエンザのリスクも少なくなってきており、順調な育成となっている。一部産地では大腸菌症等の発症により処理羽数は少し減少しているものの、大きな生産への影響はないと推測される。
 鶏肉消費も緊急事態宣言の延長もあり、飲食店等の時短営業やイベント需要の落ち込みも懸念されるが内食需要は堅調な荷動きが継続され、国産チキンの消費は底堅いと推測される。ただし、供給が順調な中で昨年と比較して需給が少し緩んできていると懸念する声も聞かれる。

生産動向表

輸入動向

 財務省5月28日公表の貿易統計によると2021年4月の鶏肉(原料肉)の輸入量は5万157トンで前年比7.4%増と、前月の5万5626トン(前年比119.1%)に続き、5万トン台となった。直前の日本食肉輸出入協会の予測では4万6,400トン(同99.3%)としていたので2か月連続で予測を大きく上回る輸入量となった。世界的に新型コロナウィルス感染症の影響もあり、中国等での輸入買い付けの増加等の動きや国内での今後の動向を見据えた内食のさらなる需要の高まりを見込んでの輸入量の増加と推測される。
 鶏肉調整品についてはタイからの輸入量が増加しており30.3千トン(112.4%)となっている。国内の需要回復を見込んでの買い付けだと思われるが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置から国内の外食自体の需要回復はまだ時間がかかると考えられる。また、ミャンマーの情勢不安からタイにおける鶏肉生産へ影響が出るのではないかとの声が聞かれている。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告によると、令和3年3月は、全国一世帯当たりの3畜種生鮮肉の消費(購入)数量は4,359g(前年比94.6%)、金額も6,369円(同96.3%)と、令和2年1月以来、前年を下回った。鶏肉についても同様で、3月に入っても内食需要の高まりで家計消費は堅調ではあるが数量(同94.5%)・金額(同96.9%)とも前年を下回った。また加工品については加工肉全般で金額は1,487円(同96.3%)と前年を下回っている。鶏肉・豚肉ともに量販店ではチラシ掲載での特売も徐々に見受けられるため、今後、消費が増加することを期待したい。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和3年4月の食品売上高は全店ベースで前年比94.6%と昨年度を下回った。一方で生鮮3部門の売上高も全店ベースで前年比92.4%、既存店ベースでも同91.7%と下回った。畜産部門の売上高は約1,125億円で全店ベース(同90.1%)、既存店ベース(同89.3%)とも前年を下回った。「家計消費が堅調であり、自宅調理傾向は継続しているものの、前年に保存性の高い畜産品の需要が急増した反動を受けた。豚肉や鶏肉は前年に続き相場高騰でもあり、輸入品を拡販する動きもみられたが、特に挽肉で前年との反動が大きかった。牛肉は国産牛や味付け肉に反動が大きいが国産相場の上昇により輸入肉の動きがよかった。ハムなど加工肉は前年からの反動減が顕著にみられる」と報告された。また総菜部門の売上高は全店ベース(同109%)は前年を上回り、既存店ベース(同108%)でも上回った。「前年は内食の急伸や通勤客の減少、バラ売り中止の影響で伸び悩んだため、今年は回復が見られた。中食ニーズには引き続き好調であり、サラダ関連や自宅で調理しにくい商品群、寿司類や揚げ物、天ぷらなど好調に推移した。「家飲み」向けの焼鳥やつまみ類も引き続き堅調。イベント関連のオードブルもやや回復傾向である」と報告があった。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる令和3年3月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比96.8%の4,563トンとなった。うち国内物は同90.5%の3,628トンと下回り、輸入物は同133.2%の935.5トンと上回った。鶏肉加工品も一時的に減少はしたものの依然として内食での需要は高い水準であり、家計消費も堅調のため、国産原料の市況価格は高止まりしているが、中国等からの調整品輸入が減少していることを考えると国産物での製造量回復が期待できると思われる。量販店では大手メーカーの鶏肉加工品の特売も目にするため、需要の高まりも予測される。

在庫状況

 推計期末在庫は国産31.7千トン(前年比116.4%・前月差+2.9千トン)、輸入品129.8千トン(同89.9%・同▲5.2千トン)と合計で161.4千トン(同94%・同▲2.4千トン)となった。昨年は緊急事態宣言の影響等もあり、国産品はチルド品の販売が好調であったこと、また、チルド品の不足により量販店向けで凍結品への代替えを行った影響もあり、在庫増の要因とも推測される。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(令和3年5月27日公表)では、出回り量は国産136.3千トン(前年比93.8%・前月差▲6.2千トン)、輸入品51.7千トン(同124.4%・同+9.7千トン)と合計で187.9千トン(同100.6%・同+3.5千トン)となった。5月末の推定在庫は168.3千トン(同99.4%)、出回り量は179千トン(同102.5%)と在庫については4月末在庫並みで推移が見込まれる。6月以降についても在庫量、出回り量ともに同水準で推移すると予測される。国産鶏肉在庫については昨年度のような量販店での買い込み需要もないため、また、生産状況も順調に推移していることから、各品目積み増しになるのではないかと推測される。

在庫状況表

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