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食鳥情勢(令和4年8月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和4年6月末実施)によると6月の推計実績は処理羽数60,936千羽(前年比101.3%)・処理重量183.9千トン(同100.8%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は0.8%上方修正され、処理重量は0.7%上方修正となっている。気温上昇の影響で増体の鈍りや大腸菌症の発生などが見られたものの、前月予測から処理重量と処理羽数の修正値がほぼ同じであることから、育成は概ね安定しているように見られる。
 7月の処理羽数・処理重量はともに前年を下回る見通しとなっており、地区別で見ると北海道・東北・関東地区で処理重量が前年を大幅に下回っており、高騰する飼料の使用を控えるため出荷日齢を早め増体を抑えていることが考えられる。一部工場では海外技能実習生の入国が再開されつつあると聞かれるが、人数が完全に回復するのは当分先のようだ。加工品(手羽中二ツ割・砂肝スライス等)や副産品(小肉・ハラミ等)の調整が今後も見込まれる。また、8月以降、新型コロナウィルス感染拡大による工場稼働への影響が懸念される。

生産動向表

輸入動向

 財務省7月28日公表の貿易統計によると令和4年6月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から9.7千トン増の52.2千トンで、国別ではブラジルが+6.5千トン、タイが+2.9千トンとなっている。前年同月の実績に対しては9.3千トン増となった。新型コロナウイルスの影響によるタイの人手不足が回復傾向にあり、輸入量が戻りつつある。(独)農畜産業振興機構(ALIC)による今後の見通しでは、7月が44.1千トン(前年比98.5%)、8月が47.1千トン(前年比100.4%)となっている。6月実績より徐々に輸入量は増加しており、韓国の鶏肉輸入関税撤廃によりブラジル産の買い付けが韓国へ流れていたが上限に達したため、日本向けへ戻る可能性が予想される。ただし、今後の買い付けは12月・1月の入船予定となるため年内は現状の価格水準が続く見通しである。懸念材料として、外部冷蔵庫において在庫積み増しとなっており、新たに入庫が出来ない状況が発生している。一部在庫消化の話も出ているので、今後の動向に注視したい。
 鶏肉調整品の輸入量は前月から4.0千トン増の46.2千トンで、国別では中国が+0.6千トン、タイが+3.4千トンとなった。前年同月の実績に対しては5.7千トン増となった。タイの人手不足が回復傾向にあることとEU向けの引き合いが落ち着いてきたとの話もあり、徐々に国内向けにオファーがきている。外食についてはコロナの影響がどの程度出てくるかが懸念事項であるが、中食・総菜向け等の引き合いは継続して強い状況なので、今後の動向に注視したい。
 財務省が7月28日に公表した貿易統計によると6月の輸入鶏肉(解体品)の価格は前年同月より53.8%上昇し、鶏肉調整品は前年同月より19.0%上昇した。依然として、世界的なコストアップや為替相場の円安により高値が続いており、ブラジル産の価格が301円/kg(前月比33円高)、タイ産が428円/kg(同13円高)となっている(国別平均価格)。ブラジル産は世界的なコスト高や円安の影響もあり価格が上昇しており年内は現状の水準との予測である。タイ産については人手不足の回復やEU向けが落ち着いてきたとの話もあるため、今後の国産鶏肉への影響に注視したい。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和4年6月の生鮮肉消費(購入)は数量3,917g(前年比93.1%)、金額5,989円(同98.1%)と、数量・金額共に前年を下回った。鶏肉は数量1,433g(同98.1%)・金額1,375円(同103.5%)・単価96.0円/100g(前年同月+5.1円)と、数量は前年を下回ったものの、金額・単価は上回る結果となった。調理食品が金額10,918円(同100.8%)、外食が11,994円(同131.9%)となっており、新型コロナウイルス感染が落ち着き、外食へ行く世帯が増えたと考えられる。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和4年6月の食品売上高は全店ベースで前年比98.1%と前年を下回った。生鮮3部門の売上高は全店ベースで同96.9%、既存店ベースは同95.7%となった。また、畜産部門の売上高は約1,106.3億円で全店ベース同97.7%、既存店ベース同96.4%となった。一般社団法人全国スーパーマーケット協会によると、内食需要の落ち着きや相場高騰により全般的に買上点数が低迷した影響を受け不振となった。牛肉は、国産牛を中心に焼肉用が比較的好調も、輸入牛は価格高騰により不振となっている。気温が高く、火を使う食材が不振とのコメントがみられた。豚肉や鶏肉に需要がシフトしており、冷しゃぶをはじめとする涼味用食材の動きがよかった。ハムなどの加工肉は前年に好調だった反動もあり、伸び悩んだ。仕入価格の高騰が、利益を圧迫しているとの指摘がみられた。
 7月に入り新型コロナ感染が再拡大していることで、再び内食需要が高まる可能性もあるが、行政による行動制限は現状では予定されておらず、慎重に消費者動向を見守る必要がある。物価高騰の影響は国内経済全体に波及しつつあり、家計の節約志向が食品以外の消費にも広がることは、スーパーマーケットでの消費行動に与える影響がマイナスだけに作用しない可能性もある。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和4年6月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比99.9%の4.6千トンとなった。うち国内品は同110.5%の3.8千トンと前年を上回り、輸入品については同66.2%の0.7千トンと前年を下回った。

在庫状況

 (独)農畜産業振興機構(ALIC)の推計期末在庫では国産30.5千トン(前年比89.1%・前月差▲0.7千トン)、輸入品119.1千トン(同97.8%・同+3.4千トン)と合計で149.6千トン(同96.0%・同+2.7千トン)となった。
 (独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表(令和4年8月8日更新)では、6月の出回り量は国産140.9千トン(前年比103.1%・前月差+1.9千トン)、輸入品48.8千トン(同96.7%・同+5.7千トン)と合計で189.7千トン(同101.4%・同+7.7千トン)となった。7月以降の国産在庫については、競合する輸入鶏肉の高騰等から引き合いが強く在庫は減少していくと予想する。輸入鶏肉の入荷量は前述の(独)農畜産業振興機構(ALIC)予測でもあるように7月は前年をわずかに下回り、8月は前年をわずかに上回る見通しであり、外食・総菜向け等の引き合いが強いことから、7月以降の輸入品在庫は減少していくと予想する。

在庫状況表

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