文字サイズ
標準
拡大

鶏卵情勢(令和4年1月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年11月の全国の餌付け羽数は8,206千羽(前年比101.2%)。東西別の前年同月比では、東日本は107.6%と上回った。特に東北エリアで136.2%、北陸エリアで106.4%と伸長した。西日本は93.5%と下回り、特に近畿エリアで18.2%、東海エリアで72.6%と減少した。
 1月から11月の全国累計では前年比100.0%と前年と同様の推移となっており、増羽意欲が伺える。特に7月~11月累計の前年比は103.6%と上振れ傾向が続いており、12月以降も餌付け羽数の伸長の動向に注視したい。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 生産量は年末の最需要期に向けた生産ローテーションにより増加傾向となった。11月に次いで12月でも採卵鶏で新たに6件の鳥インフルエンザが発生したが、需要・供給への影響は限定的であった。
 今後について、更なる生産量の回復が見込まれる。一方で、今シーズンも全国各地で発生している鳥インフルエンザによる供給への影響に注視する必要がある。サイズバランスは引き続き大玉比率が増加し、小玉の発生が減少する見込み。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料:

とうもろこしのシカゴ相場3月限は、1月3日現在589セント/buでの取引となった。
原油
先物相場1月限については、1月3日現在76.08ドル/バレルとなった。
海上運賃
11月の海上運賃は約66ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、1月4日115円42銭/ドルでの取引となった。

消費動向

家計消費

 令和3年11月の鶏卵の一人当り家計消費量は924g(前年同月比97.4%)。また令和元年度との比較では、前々年同月比105.0%となっている。気温の低下による季節需要の引き合いが見られたが緊急事態宣言解除後の外出・人流の増加もあり、昨年と比較すると巣ごもり需要は落ち着いた形となった。
 12月以降、寒さが本格化することから鍋物等の季節需要の盛り上がりに期待したい。ただし新たな変異株(オミクロン株)による感染者の動向次第では、再度巣ごもり需要の増加に転じる可能性も考えられる。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年11月の外食全体の売上は前年比99.8%となった。9月末に緊急事態宣言やまん延防止措置が解除され、10月下旬には首都圏1都3県や大阪府の時短営業要請も解除されたことで、全体売上高はほぼ平年並みとなり、前々年比でも91.8%となった。ただし業態別でみると、ファーストフード業態が牽引している一方、パブレストラン・居酒屋業態は前々年比でも51.9%となっている。酒類提供が再開されたものの、感染への警戒からか例年通りの回復には未だ至っていない。また加工筋はスポット購買意欲が見られなかったことから、引き続き定期中心の取引となった。
 今後の業務・加工筋は、定期中心の荷動きになることが予測されるものの、新型コロナウイルスの感染動向次第となっており不透明である。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年11月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、8,416億円(前年比98.3%)と前年を下回ることとなった。要因として、令和2年のGoToキャンペーン実施による行楽需要等からの反動が挙げられる。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年11月の売上高(既存店ベース)は、10,868億円(前年比102.8%)となり前年実績を上回った。一方で、食料品は101.5%、畜産品は98.5%となり、ほぼ平年並みとなった。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年10月の売上高は前年比104.7%となり、先月と同様前年を上回った。
小売動向表

価格動向

 令和3年12月の東京相場の月間平均は、Mサイズ210円(前年比+32円、前月比+3円)。
 生産量は依然として回復傾向にあり、また年末の最需要期に向けた生産ローテーションにより増加傾向となった。生産に対し需要が追い付いていなかったため、産地在庫は高い水準で推移している。そのためか、今シーズン発生した鳥インフルエンザによる供給への影響は限定的であった。
 需要面は、全体的に年末へ向けた需要の盛り上がりに欠け、荷動きは横ばいとなった。特に量販筋では、外出機会の増加による巣ごもり需要の減少が進んだ。加工筋についても、販売減少により在庫量を多く抱えたまま推移し、スポットの引き合いは見られなかった。相場は、11月18日以降保合が続いたまま止市を迎えた。
 令和4年1月の初市はMサイズ140円(前年比+20円)でスタートした。店舗休業が例年より1~2日程度多い企業が増えたことで、産地在庫には余力が見られる。また業務・外食筋、加工筋においても、前月に続き販売が伸び悩んでいる。?
 今後について、生産面は引き続き回復傾向であり、需要面は新型コロナウイルス次第だが業務・外食筋、加工筋の回復には時間を要すると推測される。ただし、鳥インフルエンザの発生による供給量減少や新型コロナウイルスの第6波を警戒した需要変動等、先行き不透明な展開も考えられることから動向に注視が必要である。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年11月の鶏卵類輸入通関実績は2,151トン(前年比136.8%)と前年を大きく上回った。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

令和3年11月の殻付卵輸出実績は2,021トン(前年比118.2%)となった。香港を筆頭に輸出向けの引き合いは堅調な推移が伺える。9月~11月実績で3カ月連続で2,000トンを超える実績となっている。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 日本政府観光局によると、11月の訪日外国人客数は前年同月比伸率▲63.5%の20,700人となり、前月に引き続き伸び率がマイナスとなった。また、前々年同月比伸率▲99.2%となっており、新型コロナウイルス影響前の訪日客数には至っていない。感染拡大防止のため多くの国で海外渡航制限の措置が取られる中、日本においても検疫強化や査証の無効化等の措置がとられてきた。2021年10月以降一部の国・地域からのワクチン摂取証明書保持者の待期期間の短縮など入国後の行動制限が緩和されていたが、新たな変異株(オミクロン株)に対する水際措置強化のため、11月30日以降これらの措置は当面1か月の間停止される。
  2. 1月7日、政府は、新型コロナの感染が急拡大していることを受けて沖縄・山口・広島の3県に、1月9日から1月末まで「まん延防止等重点措置」を適用することを決定した。
鳥インフルエンザについて
12月に6件の高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されている。
 ①12月3日熊本県南関町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが検出、肉用鶏約6.7万羽が殺処分。
 ②12月5日千葉県市川市の鴨場で高病原性鳥インフルエンザが検出、あひる(あいがも)約340羽が殺処分。
 ③12月7日埼玉県美里町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが検出、採卵鶏約1.7万羽が殺処分。
 ④12月7日広島県福山市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが検出、採卵鶏約約3万羽が殺処分。
 ⑤12月12日青森県三戸町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが検出、肉用鶏約7000羽が殺処分。
 ⑥12月30日愛媛県西条市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが検出、採卵鶏約12万羽が殺処分。

全国各所で鳥インフルエンザが検出されており、防疫対策の強化をお願いしたい。

ページトップ