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鶏卵情勢(令和3年10月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年8月の全国の餌付け羽数は7,881千羽(前年比98.1%)。
 東西別の前年同月比では、東日本は102.2%となった。特に北海道エリアで108.6%、関東エリアで112.7%と伸長した。一方で西日本は93.5%と下回り、特に近畿エリアで64.9%と減少した。
 1月から8月の全国累計では前年比97.6%と前年をやや下回る推移となっており、全国的に昨年ほどの増羽意欲は現状見られない。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 生産量は鳥インフルエンザからの回復の兆しが見えた。また、夏場の猛暑日が過ぎ朝晩の外気温に涼しさが戻ったことでB卵発生率は減少する一方で、大玉の発生率は増加傾向となった。
 今後、更なる回復が見込まれる。またサイズバランスも大玉の発生増加が見込まれる。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料

とうもろこしのシカゴ相場12月限は、10月1日現在542セント/buでの取引となった。4月下旬では740セントを超え、中国による大量成約・米国、ブラジルにおける天候不安による収穫懸念もあり高騰が続いていたが、8月下旬以降、降雨による米国産地の作柄改善への期待などから価格上昇が抑えられている。
原油
先物相場11月限については、10月1日現在75.88ドル/バレルとなった。
海上運賃
8月の海上運賃は約77ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、10月1日111円40銭/ドルでの取引となった。

消費動向

家計消費

 令和3年8月の鶏卵の一人当り家計消費量は915g(前年同月比98.3%)。また令和元年度との比較では、前々年同月比105.1%となった。夏場としては稀に見る高卵価によって安価な特売実施が抑制され、購買が減少したと思われる。一方で、コロナウイルス感染者の急増もあり、巣ごもり需要は継続して見られた。
 今後は暑さの緩和による家庭内需要の増加から次第に回復基調になると予想する。季節需要における喫食機会の増加に期待したい。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年8月の外食全体の売上は前年比91.4%となった。緊急事態宣言やまん延防止措置が継続している中、ファストフード業態の持ち帰り需要は前月同様に前年を上回る結果となった。しかしオリンピック開催期間に感染者が急増したため、酒類提供や営業時間の制限は続いたことで例年通りの回復には未だ至っていない。
 加工筋はお盆時期の帰省需要も無くスポット購買意欲は見られなかったことから、定期分のみの取引となった。
 今後の業務・加工筋は、酒類の提供や営業時間の短縮は残るものの、大手ファストフードのプロモーションが好調であることや緊急事態宣言・まん延防止措置の解除で業界にとってプラス要因もあることから業務・加工筋の需要回復が少しずつだが見込まれると考えられる。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年8月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、8,972億円(前年比98.1%)と6ヶ月ぶりに前年を下回ることとなった。緊急事態宣言等の対象地域拡大や、全国的に降水量が多かったこと等が来店客数に影響を及ぼし、売上高が前年を下回る結果となった。一方で、巣ごもり需要等により惣菜、デザート、酒類等が好調に推移し、客単価は前年を上回った。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年8月の売上高(既存店ベース)は、11,255億円(前年比99.9%)となり6か月ぶりに前年実績を下回った。一方で、食料品は102.4%、畜産品は102.3%と前年実績を上回った。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年7月の売上高は前年比102.2%となり、先月と同様前年を上回った。
小売動向表

価格動向

 令和3年9月の東京相場の月間平均は、Mサイズ213円(前年比+60円、前月比▲2円)。
 生産面では、夏場の暑さに落ち着きが見られ、大玉の発生が増加した。生産量は鳥インフルエンザからの回復の兆しが見られた。
 需要面では、大手ファストフードチェーンのプロモーションにより中玉の引き合いが継続した。量販筋においても巣ごもり需要から堅調に推移した。業務筋はシルバーウィーク期間があったものの、緊急事態宣言により荷動きは低調で、加工筋についても定期中心の取引となった。
 相場は、中旬以降にプロモーション時での盛り上がりや量販店の堅調な需要を受け、16日に上伸、28日にL~SSが上伸となるまちまちの展開となった。
 今後について、生産面は、朝晩の気温が和らぐことでサイズバランスは中玉・大玉中心に移行すると見られる。また生産量は鳥インフルエンザによる生産減少からは引き続き回復傾向となる見込み。
 需要面は、季節需要におけるテーブルエッグの増加やファストフードチェーンのプロモーションが継続され、また緊急事態宣言の解除による業務・外食筋の盛り上がりといったプラス要因にも期待がかかる。一方で、解除後も時短営業や酒類の提供といった一部制限は続くことや外出機会が増えることで巣ごもり需要の緩和も考えられ、現に10月1週目現在では各方面での需要は伸び悩んでいる。
 以上を踏まえ今後の相場展開としては、生産量が回復基調で推移する中、ファストフード業態・量販筋を中心とした需要増加が期待されるため強含みと予想するが、新型コロナウイルスの感染の影響による販売動向の変化には注視が必要である。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年8月の鶏卵類輸入通関実績は2,991トン(前年比167.5%)と前年を大きく上回った。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

令和3年8月の殻付卵輸出実績は1,940トン(前年比101.9%)となった。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 政府は、東京都、大阪府など27都道府県に発令されていた緊急事態宣言及び、まん延防止等重点措置を9月30日をもって終了した。
    感染の再拡大を防止する観点から対策の緩和は段階的に行われ、必要な対策は今後も継続される。
  2. 日本政府観光局によると、8月の訪日外国人客数は前年同月比伸率199.1%の25,900人となり、先月同様前年同月を上回ったが、新型コロナウイルス影響前の訪日客数には至らない。感染拡大の影響で多くの国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られたのに加え、日本も検疫強化、査証の無効化などにより訪日客がほぼゼロに近い数字だったため、伸率が大きくなったとみられる。引き続き新規入国の一時停止措置がとられ、訪日客数の低迷が続いている。
トピックス
 農林水産省は9月10日に「農林水産省鳥インフルエンザ防疫対策本部」を開き、10月1日に改定・施行する家畜伝染病予防法施行規則、飼養衛生管理指導等指針、特定家畜伝染病防疫指針に基づき、高病原性鳥インフルエンザの発生予防の強化と、発生時の迅速な防疫対策に備えるとしている。
 秋口から冬期にかけて、渡り鳥のシーズン到来と鳥インフルエンザの流行時期となる。生産者の皆様には今年度も防疫対策の徹底についてお願いしたい。

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