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鶏卵情勢(令和3年7月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年5月の全国の餌付け羽数は8,598千羽(前年比95.6%)と前年を再び下回った。東西別の前年同月比では、東日本は89.7%と下回り、特に北海道で46.4%と大幅に減少した。一方で西日本は前年比103.0%となっており、特に中国エリアで前年比123.7%、九州エリアで前年比104.2%と伸長した。
 1月から5月の全国累計では前年比95.0%と前年をやや下回る推移となっており、全国的に昨年ほどの増羽意欲は現状見られない。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 鳥インフルエンザからの生産回復には時間を要しており、生産量は横ばいである。梅雨時期に入り、量販店の発注ベースは減退傾向であることから、産地在庫に余剰感はないものの適正で推移した。
 今後、鳥インフルエンザからの回復は早くとも秋口以降と考えられ、生産量はそれまで横ばいの見込み。また、梅雨時期から夏本番に入ることから温度・湿度の上昇や変化による生産への影響に注視したい。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料

とうもろこしのシカゴ相場7月限は、7月1日現在720セント/buでの取引となった。
中国による大量成約に加え、米国での記録的な猛暑による収穫懸念から高騰が続いている。
原油
先物相場8月限については、7月1日現在75.23ドル/バレルとなった。
海上運賃
5月の海上運賃は約62ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、7月1日111円27銭/ドルでの取引となった。
直近1カ月のドル/円相場において、各国とのワクチン接種率の差により円の価値が下がり、ドル高円安の傾向が続いている。

消費動向

家計消費

 令和3年5月の鶏卵の一人当り家計消費量は1004g(前年同月比97.4%)となった。前月同様、巣ごもりによる家庭内需要は堅調に推移したが、前年の緊急事態宣言下におけるコロナ特需と比較すると、家計消費への影響は僅かに薄れたと考えられる。令和元年度と比較すると前々年同月比111.4%となっており、巣ごもり需要による家計消費への影響は継続していることが伺える。
 今後は、梅雨時期や夏場の気温上昇による季節要因が消費減退に影響することが予測され、徐々に減退傾向に向かうと予想される。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年5月の外食全体の売上は前年比119.8%となった。前年5月は1回目の緊急事態宣言下であったため大きく伸長する形となった。一方で前々年比では80.2%となり、例年通りの回復には未だ至っていない。
 業務・外食筋は行楽需要における期待感が薄く、時短営業による制限で荷動きは鈍い。しかし鳥インフルエンザからの生産回復には時間を要しているため、集荷の動きは一定程度継続している。緊急事態宣言が解除され飲食店の営業は再開したものの、営業時間の短縮要請や酒類提供の制限により客足が完全に戻るまでにしばらく時間を要すると見込まれる。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年5月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、8,538億円(前年比104.2%)と3ヶ月連続で前年を上回ることとなった。緊急事態宣言の発令により外出自粛の期間となったが、昨年と比較して自粛の動きがあまり見られなかったためか、生鮮品を始め各売上は好調に推移した。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年5月の売上高(既存店ベース)は、11,201億円(前年比102.9%)となり前年実績を上回った。食料品は100.5%と伸長した一方で、畜産品は96.3%となっており、昨年のコロナ特需からの反動が伺える。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年4月の売上高は前年比97.2%となり、3ヶ月連続で前年を下回った。
小売動向表

価格動向

 令和3年6月の東京相場の月間平均は、Mサイズ259円(前年比+99円、前月比+1円)。相場は6月8日以降保合が続き、6月28日に下押しの展開となった。
 生産面では鳥インフルエンザの影響により回復に時間を要しており、生産量は横ばいで推移した。一方で需要面は、6月中旬以降各方面で荷動きが鈍い状況が見られた。量販店の発注は梅雨入りに伴いテーブルエッグ需要が減退。また業務筋は緊急事態宣言の解除後もまん延防止策が続き、引き合いは弱かった。
 今後について、生産面では依然として生産回復には時間を要する見込み。また夏場に入り気温の上昇から大玉の生産割合は減少し、産卵率も低下する可能性があると予測される。一方で需要面は、梅雨または梅雨明けの気温上昇によりテーブルエッグ需要について減退傾向と予測される。
 また7月末からオリンピックが開催される予定であるが、観客人数や酒類提供の制限によりオリンピック需要は限定的と考えられる。今後の相場展開としては、生産量が横ばいで推移する中、季節要因による需要減退が見られることから弱含みもしくはサイズ感調整の展開が予想される。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年5月の鶏卵類輸入通関実績は2,098トン(前年比126.9%)となった。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

 令和3年5月の殻付卵輸出実績は2,076トン(前年比112.7%)と2か月ぶりに、前年を上回った。前月までは鳥インフルエンザの影響により、各主要港での前年割れが目立ったものの、大阪・広島等の主要港を中心に徐々に回復傾向となっている。また、福山港で新たに出荷実績が見られた。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 東京、大阪など10都道府県に発出されていた緊急事態宣言について、政府は沖縄を除く9都府県を6月20日で解除し、このうち東京や大阪など7都道府県はまん延防止等重点措置に移行することを決定した。リバウンドへの警戒から、外出自粛の動きは継続される見込み。
  2. 日本政府観光局によると、5月の訪日外国人客数は前年同月比伸率501.3%の10,000人となり、先月同様前年同月を上回ったが、新型コロナウイルス影響前の訪日客数には至らない。感染拡大の影響で多くの国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られたのに加え、日本も検疫強化、査証の無効化などにより訪日客がほぼゼロに近い数字だったため、伸率が大きくなったとみられる。引き続き新規入国の一時停止措置がとられ、訪日客数の低迷が続いている。
高病原性鳥インフルエンザについて
国内養鶏場での発生状況
6月30日時点で18県52事例の発生状況。
農林水産省の発表によると、約992万羽が淘汰対象となっている。
(採卵鶏827.45万、育雛68.4万、肉用鶏89.2万、その他(あひるなど)7.18万)
トピックス
  1. 気象庁の発表によると、令和3年度の梅雨入りは関東甲信で6月14日頃、東北地方で6月19日頃となり、いずれも平年より7日遅くなった。
  2. 梅雨時期から夏本番に入ることから温度・湿度の変化により品質問題(洗浄不良、汚卵)の発生が見受けられる。生産農場・GPセンターの皆様には作業・管理時において注意喚起をお願いしたい。

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