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令和2年2月27日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年2月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 インペリアルバレー灌漑局からの2月11日付け発表によると、アルファルファの作付面積は昨年同時期対比で2%の減少です。
 1月から直近にかけて、例年と比較して冷涼で降雨の多い天候が続いています。1番刈および冬を越した圃場のクリッピング(剪定作業)が行われており、1番刈の一部では2月に雨あたりが発生しています。雨あたりの程度についての全容はまだ見えてきませんが、雨あたり以外にも冷涼な気候のため一部で霜枯れが発生しており、また乾燥に十分な気温と日照がないため、直近で収穫された玉は米国内を中心に販売されております。



(2)ワシントン州コロンビアベースン
 一部地域での降雪を除けば、天候が安定した日が続いています。2月の降水量は例年並みの予想であり、これまでのところ新穀の生育は順調です。悪天候に備えて在庫を抱えていた生産者は、在庫一掃セールを開始している様子です。ただし、全体的には圃場での余剰在庫は殆どなく、産地での需給は引き続きひっ迫しています。新穀の作付面積に関しては、昨年対比微減(-3%程度)の見通しです。生産者の多くは昨年の産地相場に旨味を感じておらず、より収益性の高いポテト、玉葱、小麦などへの転作を進めています。

2.米国産チモシーヘイ

 コロンビアベースン産について、前述のとおり天候は安定しています。ただし2年前と比較して昨年相場が大きく下がったチモシーに関しては、より一層他作物への転作が進んでいる様子です。この傾向は他地域でも共通していますが、特にコロンビアベースンでは顕著であり、昨年対比で10%程度も減少すると予想する声も聞こえてきます。チモシーは生育地域が限られているため、作付面積の減少したエリアの相場が頭一つ抜けて高騰することは考えにくく、もし今後コロンビアベースンの供給量が限定的であれば、エレンズバーグやドライランド産への引き合いが増え、全体的な相場高騰を招く懸念があります。
 米中間の貿易協議(フェーズ1)の合意を受けて、中国は米国からの農作物の輸入拡大に動いています。その中には飼料の新規輸入許可の促進も含まれており、対象品目の1つに米国産チモシーが挙げられています。今後の具体的なプロセスとしては、今年2~3月に中国税関総署の代表団が米国を視察し、両国は早ければ3~4月頃に植物検疫協定書を調印する見込みです。直近では、米国産チモシーはカナダ産チモシーや豪州産オーツヘイと比較して割高であるため、輸入許可が下りてもただちに相場高騰を招くことはないだろうとの予測が当地では一般的ですが、下位グレードの相場を下支えする要因ともなり得るため、今後の動向を引き続き注視する必要があります。


3.スーダングラス
 インペリアルバレーでは冷涼で多雨な天候が続いており、新穀の作付けはまだ開始していません。日本からは比較的安価な下位グレードに対する追加の引き合いが来ていますが、米国内フィードロット向けに殆どが完売済みであり、グレードを問わず追加供給可能な産地余剰在庫は殆どありません。

4.ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 2月11日に米国農務省(USDA)より2020年産の収穫面積予想が発表されました。それによると、アニュアルは昨年対比減少、トールフェスクは増加の見通しです。昨年秋の潤沢な降雨によりペレニアルおよびフェスクの生育が順調に進むと予想される一方で、早播きのアニュアルの一部圃場では虫害の発生が懸念されています。


出典:米国農務省

5.豪州産オーツヘイ
(1)
豪州各地の森林火災
 2月3日の週は豪州全国各地でまだら状の雨が降り、一部地域では累計100mmを超えました。直近も降雨が継続する予報となっており、森林火災は完全には収束していないものの、以前に比べ鎮火の方向へと改善しています。2~4月の降雨量は例年の降雨量の中央値を超える見通しですが、一部地域では降雨量が少ないため、干ばつの改善にはさらなる降雨が必要とみられます。
 被災地域へ集められた代替需要の牧草が供給過多となっており市場へ逆流しています。このため、豪州国内相場は一時期高騰した状況に比べて軟化しています。しかし、豪州政府が今回の被害を受けたニューサウスウェールズ州の農家を支援するために、飼料(飼料代、飼料輸送費)、移動する家畜、水インフラの輸送に対する補助金を引続き支払うため、牧草の国内相場は引き続き堅調に推移する見込みです。

(2)オーツヘイ
 豪州サプライヤーのプレススケジュールがタイトになっています。その要因としては、西豪州に中位以下のグレードの発生が少なかった事もあり、東・南豪州へオーダーが集中していることや、中国向けの需要が年々増加していることが挙げられます。東・南豪州に工場を構える一部サプライヤーからは、即積みオーダーに対して6月末以降の入船の回答が返ってきている状況です。西豪州サプライヤーはここまでタイトでは無いですが、即積みETAは4月以降となっています。

6.海上運賃
 低硫黄燃料や脱硫装置の設置を目的したチャージが本格的に導入され始め、一定の上げ幅が唱えられています。また、北米からアジア向けの貨物が減少していることから、合理化を目的として航路の再編・統合が進んでいます。このため、船腹や空コンテナの供給が以前より限定的となっており、船積みが想定通り進まないケースが見受けられます。
 また、今年はオリンピックを控えていることから夏場に向けてインバウンド需要が拡大することで、特に京浜港は受渡が混乱することが想定されます。
 直近では、新型コロナウイルスの影響からコンテナ本船が中国を抜港するケースが散見されており、地方港に限らず京浜や神戸など直接寄港する港でも入船スケジュールの乱れが見受けられます。



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