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令和2年4月23日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年4月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 2020年4月中旬のインペリアルバレー灌漑局からの発表によると、4月は137,950エーカーが灌漑されています(前年同時期:140,468エーカー、先月:138,847エーカー)。
 1番刈アルファルファは冷涼な天候であった事に加え、ストームが頻繁に発生したため例年に比べ収穫が遅れ、4月上旬に収穫されました。4月第2週にはさらに降雨があったため、プレミアムに満たないグレードが多くなっております。 収穫遅延により依然として1番刈を収穫している生産者がいる一方で、1番刈を終えた生産者は2番刈を開始しつつあります。
 通常、1番刈アルファルファではプレミアムまたはシュプリームの多くが収穫されますが、今年は降雨による影響のためこれら上位グレードの発生は限定的となり、雨あたり品~上位品まで幅広いグレードが収穫されました。
 様々なグレードが収穫されたことから価格レベルも広範囲となっているため、2番刈の価格が明らかとなるまで2020産として代表的な価格を得るのは難しい状況です。
 新型コロナウィルスの影響により乳価が下落しています。また、これまで以上に小売販売に重点が置かれるようになり牛乳のパッキングと輸送が変化しています。
 アルファルファの産地相場に関しては昨年産の高騰時と比較して軟化傾向にあり、米国内需要は新型コロナウィルスの影響により様子見である一方、海外需要は依然として堅調のようです。上位品の場合、昨年よりも若干安値傾向になっておりましたが、直近の天候不良と、輸出向け需要が堅調なことから高成分品を中心に産地相場が上昇する可能性が考えられます。



(3)ワシントン州コロンビアベースン
 穏やかな4月の気候のなか、ここ3週間においてストームが散見されています。アルファルファの作付面積は昨年と同程度と見られ、多くの生産者が、中国向け需要回帰を期待しており堅調な相場展開になると楽観的に捉えているようです。
 現時点の圃場在庫は、3月に多くの圃場在庫が動いた関係で、例年に比べてやや少ない状況です(要因として比較的乾燥した天候でありトラックがより圃場にアクセスしやすかったことが考えられます)。
 一方で、特に低品質のヘイがキャリーオーバーになると考えられ、低級品を購入する上での競争や価格上昇圧力はそれほど大きくないものと考えられます。今のところ、新穀に近づくにつれ低級品の価格は軟化していますが、中・上級品のスタックは堅調です。
 作物の生育は5年平均と比べるとやや遅れておりますが、2-3日程度温暖な日が続けばすぐに追いつけるレベルです。
 新型コロナウィルスによる乳価低迷に伴う相場等への影響が懸念されるところですが、ワシントン州が他の地域と比べて、多くを輸出に頼る地域であるためか、乳価低迷による牧草産地相場への影響は確認されていません。ワシントン州で栽培されているアルファルファの約35%が輸出向けになっており、他の地域に比べ割合が大きいことが理由のひとつとして挙げられます。

2.米国産チモシーヘイ

 チモシー市場には変化はありません。いくつかの生産者は、チモシーからじゃがいもやスイートコーンの転作のために、冬から春にかけて圃場をクリーンアップした模様です。昨年相場が大きく下がったことに不満を抱いている生産者が他作物への転作を進めており、チモシーの作付面積は、ベースンでは10-15%減少するとの見方があります。

3.スーダングラス
 2020年4月中旬のインペリアルバレー灌漑局からの発表によると、4月は16,425エーカーが灌漑されています(前年同時期:22,495エーカー、先月:10,831エーカー)。冷涼な気候と降雨のため、生産者はこれまでスーダンを十分に作付けすることができませんでした。今後、生産者が作付けを増やして通常の量のスーダンを植えることになれば、これらは遅蒔きに近い状況となり、収穫はその約60日後となります。このため、色目はスタンダート~明るめのものが多くなり、高温・湿潤な気候により早蒔きのものに比べ茶葉混入のリスク高まることが考えられます。

4.ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 牧草は順調に生育し続けています。収穫スケジュールを測るには時期尚早ですが、通常は6月末には南部でフェスクとアニュアルライグラスが利用可能になります。また、中部では7月上旬に収穫を開始し、エンドファイト検査を必要とするお客様向けの出荷は検査結果を待ってからの出荷となります。フェスクは通常、天日乾燥が完了するまでに1-2週間かかりますが、ペレニアルライグラスについてはベーリングされて以降、輸出可能な水分レベルになるまでにもう少し短期間で天日乾燥することが可能です。
 ペレニアルライグラスは通常、秋に作付けされます。一方、フェスクのほとんどは春に作付けされます(天候条件と以前の作物の収穫のタイミングが合えば、秋にフェスクを作付けすることもありますが、通常のフェスクの作付けは春です)。
 今のところ、今年の世界的な種子に対する需要は減少しています(新型コロナウィルスが一因である可能性があります)。種子需要の減少は、2021年のストローの収穫面積に影響を与える可能性があります。なお、フェスクの今春の作付けへ影響は不明です。一方で、2019年秋のペレニアルライグラスの栽培には影響が無いため、2020年のペレニアルライグラスの作付面積は、2019年産と同程度となると予想されます。
 主産地であるウィラメットバレーのいくつかの倉庫には、過去2年間の繰り越された種子の在庫があります。繰越在庫量の推定値は今のところありませんが、もし2020年からの繰越がある場合、2021年産の作付面積は一定減少する可能性があります。2021年2月、オレゴン州農務省(ODA)は2020年の最終作付面積を公開し、生産者調査に基づく2021年の作付面積の推定値に関する情報も公開します。
 現在、輸出業者はポートランドでの空コンテナの供給状況を懸念しています。これが、今後数か月の最大の関心事になると思われます。


5.豪州産オーツヘイ・小麦ストロー
(1)低硫黄燃料(SOX)規制への対応について
 海上輸送船の燃料を低硫黄燃料に変更する規制(SOX規制)に対応するための増高費用として、2・3月積より価格転嫁を表明したサプライヤーを追随し、4月積から価格転嫁を表明するサプライヤーが出てきております。

(2)コロナウィルス関連
 コロナウィルス影響による貨物船の減便、経済活動の低下による貨物量の減少、既報の14日停留ルールも依然として継続している事から、今後は海上運賃の増高による品代の増高が心配されます。加えて、船足が長くなる(21~28日+7~14日)事を考慮し、早めのオーダーや、入船の前倒しなどの調整が必要となります。
 また、一部の港では空コンテナ不足が聞かれ始めているため、通常牧草輸出で利用される40FTハイキューブコンテナ(高さ9.6フィート)ではなく、スタンダードコンテナ(高さ8.6フィート)のコンテナなどで出荷対応を迫られる場合が発生しているため、日本国内での流通の際には、納品場所が対応可能かなどの注意が必要となります。

(3)オーツヘイ
 今シーズンは中位以下のグレード発生量が少ないため、産地在庫は払拭しており、供給余力は上位グレードを少し残す程度となっています。
 4/9の週に、南豪州や東豪州(VIC州)の生産地域で期待された降雨ありました(下記参照)。これにより、数週間後の新穀の播種に向けた好材料となっています。
 サプライヤー毎に温度差がありますが、一部のサプライヤーはプレススケジュールが一杯になっており、即積みオーダーのETAが8月上旬~8旬末以降となっています。対策として、年間オーダーを早めに入れて頂く事で製造スペースや船腹を確保するなどの対応が寛容です。

(4)小麦ストロー
 今シーズンは生産量が改善したものの、豪州森林火災の影響による豪州国内農家との競合による価格上昇を受け、サプライヤーの集荷が進まなかったため、産地在庫はほぼ払拭しています。西豪州には一昨年の旧穀を残しているサプライヤーがあると聞かれますが、色目には注意が必要です。



6.海上運賃
 2月から3月にかけて新型コロナウィルスにより中国の荷動きが停滞したことから、コンテナ船の休航が例年より長期化し、特に北米-中国間の物流に影響を与えた。その後、中国での荷動きが徐々に回復し、コンテナ物流が正常化に向かうと考えられたが、欧州や北米において、非常事態宣言および外出禁止令が発動され、自動車産業を中心とした産業が操業できない状況に陥っています。
 このような背景から、世界的な荷動きが低調となっており、各船会社は再度、休航を実施するケースが急増しています。北米-アジア間を結ぶコンテナ船の減便および空コンテナの慢性的な不足から、海上運賃は堅調に推移しています。



                                                       以上

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