文字サイズ
標準
拡大
 
令和2年5月21日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年5月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 今シーズンは冷涼かつ突発的な風雨の影響で遅れて収穫がスタートしましたが、現在、2番刈が終了し、3番刈に入っています。直近では40℃を超える日が散見されており、高成分アルファルファの収穫が減少し、直近のRFVは155~185との報告があります。サウジアラビアや中国は依然として購買を継続しているようですが、成分低下に伴い購買量は減速すると見られています。一方、他の輸入国は購入量が依然として少ない状況が続いており、今後に増加すると予想されています。


(2)ワシントン州コロンビアベースン(コロンビア盆地)
 カリフォルニア州を含むPSW(太平洋北西岸南部地区)と共にワシントン州を含むPNW(太平洋北西岸南部地区)を含めて相場が軟調に推移する中、PNWの生産者は依然として中国・中東マーケットへ高値で販売できるものと考えています。直近では旧穀価格が僅かに下落しておりますが、この時期は新穀への期待もあり例年でも旧穀価格は軟化します。
 コロンビアベースン南部は中部よりも1週間早く、北部よりも2週間早く収穫開始されます。現在、南部では25-35%刈取り、10-15%が収穫されており、北部ではまだ収穫開始されていません。
 5月は温暖・乾燥な気候でスタート、その後、軽い降雨に見舞われました。アルファルファの色の仕上がりは刈取後の乾燥時期の天候によります。圃場を確認する限り、色目の良いスタックを複数確認しており、今週末までにはさらに増えると思われます。先週末に到来した低気圧は来週前半まで留まる見込みであり、今後の軽い降雨が予想されています。

2.米国産チモシーヘイ

 正確な統計データはありませんが、供給過剰による価格低下や冬場の枯死が原因で、作付面積が昨年に比べて15%以上減少しているとの見方があります。ただし、アイダホ州やオレゴン州の灌漑チモシーは比較的うまく越冬したため、生産量増加の一因となりそうです。また、コロンビアベースン以外の地域で年々作付けが増加している天水チモシーを考慮すると、こちらもコロンビアベースンでの不足を補う材料になるでしょう。
 これまでコロンビアベースンと天水地域での生育は順調で、生産者は雑草の少ないきれいな商品づくりのため農薬散布を行っています。今後は、天候に恵まれることを祈るのみです。


3.スーダングラス
 インペリアルバレー灌漑局によると、5月12時点で37,275エーカーが灌漑されています(前年同時期:35,991エーカー、先月:16,425エーカー)。5月第1週時点ではスーダン作付けを継続する生産者はごくわずかとなっています。これまで3回もの突発的な風雨に見舞われましたが、それ以前に作付けされたスーダンが5月下旬に刈取り開始される一方で、大半は6月中旬頃の刈取り開始となる見込みです。収穫遅れから茶葉が入る可能性があり、日本向けは低価格品が需要を構成する可能性があるとの見方があります。輸出業者は生産者に対して低価格品を求めており、生産者は上級品の収穫への興味が薄れてきているようです。

4.ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 順調に生育し続けており、例年では6月末には南部でフェスクとアニュアルライグラスが出荷可能になります。オレゴン産ストローの生産量は非常に限定的であり、輸出業者は自らの需要を満たせるのかどうかを確認するため、互いに在庫確認をしている状況です。


5.豪州産オーツヘイ・小麦ストロー
(1)低硫黄燃料(SOX)規制への対応について
 海上輸送船の燃料を低硫黄燃料にする規制(SOX規制)対応のための増高費用として、サプライヤー毎に価格転嫁を行っていますが、直近の原油相場の下落、豪州/米国為替の状況を受け、この費用を値下する動きが出ています。一方で、コンテナ海上運賃については便数・貨物量の減少により値上げ要因がある事から、今後については注視が必要です。

(2)コロナウィルス関連
 南豪州では、新規感染者が2週間以上発生していないため、ロックダウンの一部解除や、施設、事業の一部再開など、徐々に日々の生活を取り戻していく状況が生まれています。日本と異なり、強制的なロックダウンや州境の閉鎖、ドライブスルーPCR検査などで検査数を増やすなど強い封じ込め策が功を奏していると思われます。

(3)オーツヘイ
 2020年産オーツヘイの播種が始まっています。4月の降水量は豪州の多くの地域で例年を大きく上回った事から、各地域共に順調であるとの声が聞かれます。7-9月の降水量が例年の中央値を上回る確率がほとんどの生産地域で60%以上を示しており、今後の新穀生育が期待されます。


6.海上運賃
 2月から3月にかけて新型コロナウィルスにより中国の荷動きが停滞したことから、コンテナ船の休航が例年より長期化し、特に北米-中国間の物流に影響を与えました。その後、中国での荷動きが徐々に回復し、コンテナ物流が正常化に向かうと考えられましたが、欧州や北米において、非常事態宣言および外出禁止令が発動され、自動車産業を中心とした産業が操業できない状況に陥っています。
 このような背景から、世界的な荷動きが低調となっており、各船会社は休航を実施する状況が7月頃まで断続的に継続する見込みとなっています。北米-アジア間を結ぶコンテナ船の減便および空コンテナの慢性的な不足から、海上運賃は底堅く推移しています。



                                                       以上

ページトップ