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令和2年7月22日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年7月号
 

1.アルファルファヘイ
(1)カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 現在、3-4番刈を中心に行われていますが、5番刈に着手した生産者もいる模様です。高気温が続いているため、一般的にサマーヘイと呼ばれる軸細・葉付きが悪い・低成分のものが中心となっています。サウジアラビアはこのような低成分が続く状況でも購買を継続している様子です。
 米国内酪農家は乳価が改善するにつれて積極的な購買を行っています。一方、米国内肥育農家は依然として低級品の価格低下を期待しているようです。このような中、低級品の価格は昨年対比+$10で底堅い状況です。

(2)ワシントン州コロンビアベースン(コロンビア盆地)
 4-6月にかけて不安定な天候が続いておりましたが、徐々に突発的な風雨も落ち着きを見せ、乾燥した期間が長くなってきております。このため、過去2週間において非常に高品質な2番刈アルファルファを収穫できています。一方で、成熟期を過ぎていくに当たり成分値の低下もみられます。
 今年は3タイ原料と呼ばれるスモールベールでの集荷量に増加が見られ、エレンズバーグのいくつかのサプライヤーが国内馬糧用3タイ原料を購入している模様です。これらの輸出業者は3タイ原料を高値で購入しており、相場は堅調です。新型コロナの影響からの回帰により、米国内酪農家は高成分アルファルファの購買を強めており、輸出向け需要との競争が見られます。2番刈の早い段階では、チモシーがより注目されていたため強い競合はありませんでしたが、チモシーの収穫が終了し、次第にアルファルファに注目が集まり、購買需要の高まりとともに価格が上昇し始めている状況です。

2.米国産チモシーヘイ

 コロンビア盆地では収穫が完了しており、約85%が雨あたり、約60%が重度の雨あたりとなった模様です。グレーディングは輸入業者ごとに大きく異なるため、生産者はより多くの輸出業者に作物を見せることに非常に積極的です。作付面積の減少と雨あたりの影響により、特に上級品において急速な価格上昇がみられ、昨年の価格を上回っています。
エレンズバーグにおいても収穫が完了しました。程度の差はあるものの、全体の約60%が雨の被害を受けた模様です。天候不良に合わせ、天気予報が良くなかったことが前半の収穫遅れの原因となりましたが、突発的な風雨を回避できた生産者は高品質なチモシーを収穫できたようです。
 天水地域では、天候不良と雨の予報が生産者の収穫を妨げており、これまでのところ収穫は約1週間遅れています。過去2週間に激しい突発的な風雨が数回発生したため作物の多くが倒伏し、アイダホ北部では収穫が停滞しました。しかし、生産者は天候が回復すれば良好な品質のチモシーが収穫できると状況を楽観視しています。その他の天水地域では、収穫が開始されたばかりですが、今のところ品質は良好です。


3.スーダングラス
 1番刈は約70%程度終了し、7/13の週から2番刈が開始となります。直近では特に高品質なものについて価格上昇がみられます。ここ2週間はグリーンカラー~ライトカラーが収穫されていますが、大部分はグリーンカラーが中心です。また、軸の太さは中程度ものが中心で軸細・軸太は限定的です。
 モンスーンに起因する湿度の影響から茶葉混入が増加してきており、今後の更なる影響が懸念されます。モンスーン加えて、①3月の突発的な風雨、②収量増加期待による過熟傾向、③5月の気温変化(高温⇒低温)も茶葉増加の原因とみられ、以降は茶葉混入の少ない良品の集荷は難しい見込みです。
 このようななか、日本向け需要は低級品~中級品に注目が集まっているようです。

4.ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 ウィラメットバレー南部ではフェスクとライグラスが少しずつ収穫されてきており、品質も輸出向きにふさわしいものとなっています。フェスクは6月の冷涼高湿な気候が原因で緑色ものものが見られる一方で、アニュラルライグラスはきれいな明るめの品物が見られます。
 ウィラメットバレー中部では、7/13週よりフェスクが収穫開始となる見込みです。ペレニアルライグラスは一部収穫開始となりましたが、フェスクは圃場での乾燥期間が長いことから生産者はフェスクを優先的に刈り取ると見られ、出荷開始はフェスク・ペレニアルライグラスともほぼ同時期となる見込みです(日本向けの出荷はエンドファイト分析の納期にも影響を受けます)。今のところ、新穀のアニュラルライグラスストローは7月20日の週、ペレニアルライグラスストローとフェスクストローは8月第1週頃の出荷となると想定されます。


5.豪州産オーツヘイ・小麦ストロー
(1)オーツヘイ
 2020年産新穀オーツヘイの播種は終了しました。既報の通り各地域共に順調で、生産量は過去5年平均比109%と大幅に回復する見込みです。
 サプライヤー毎に温度差がありますが、森林火災、コロナ影響による豪州国内の需要減を受け、牧草在庫に余裕が出て来ています。対して、プレススケジュールは詰まってきているため、即積みオーダーのETAは軒並み10月上旬以降となっています。輸入側の対策として、年間オーダーを早めに入れて頂く事で製造スペースや船腹を確保するなどの対応が求められます。
 今期の天候状況は過去2年に比べ、期待された降雨が良いタイミングにあり、また、今後の降雨についても平年の中央値を超える見込みがある事から、久々に各州で豊作となる可能性が出て来ています。

(2)小麦ストロー
 2020年産新穀オーツヘイの播種は終了しました。既報の通り過去5年平均比118%と生産量は大幅に回復する見込みです。産地在庫は払拭しており、新穀を待つ状況にあります。


6.海上運賃
 2月から3月上旬にかけて新型コロナウイルスにより中国の荷動きが停滞したことからコンテナ船の休航が例年より長期化し、特に北米-中国間の物流に影響を与えました。3月中旬から下旬にかけては中国における荷動きが徐々に戻り、コンテナ物流が正常化に向かうと考えられましたが、4月に入ると、欧州や北米において、非常事態宣言および外出禁止令が発動され、自動車産業を中心とした産業が操業できない状況となりました。これらの影響から全体的な荷動きが低調となっており、各船会社は再度、休航を実施するケースが相次ぎました。
 直近は休便を取りやめるケースも出ており、最悪の状況は脱したと考えられるものの、船会社は貨物量の減少を背景とした海上運賃一斉値上げのアナウンスを続けていることから、予断を許さない状況が続いています。



                                                       以上

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