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令和2年12月23日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和2年12月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 12月中旬のインペリアルバレー灌漑局からの発表によると、146,298エーカーが灌漑されています(前年同月:137,901エーカー、先月:140,883エーカー)。現在では8番刈ないしは9番刈が収穫されておりますが、品質は中級以下が中心となっているようです。
 これ以降、圃場は4-5週間程度の休耕となり、散水を再開するのは2月、収穫は3月頃に開始すると見られます。
(2)ワシントン州コロンビアベースン(コロンビア盆地)
 収穫は既に終了しています。
 荷動きは依然として鈍い状況が続いています。相場についても大きな変化はありません。輸出業者や米国内酪農家・肥育農家による購買は落ち着いている状況で、今後は天候・気温次第で若干の動きが見られる可能性はありますが、基本的には取引が少ない状況が継続する見込みです。
 現在、圃場には一定の在庫がある状況となっており、来年の新穀作付面積は減少が予想されています。

2. 米国産チモシーヘイ
 収穫は既に終了しています。 インペリアルバレーでは小麦が多く作付けされており、2021年産は小麦収穫後のスーダンの作付面積が増加する可能性があります。通常、小麦の収穫は4-7月に行われ、スーダンの作付けは3-5月に開始されますが、土壌温度が伴えば2月に昨付けされることもあります。
 昨年に比べ低級品に関する日本からの需要は堅調で、現在でもこの状況が継続しています。

3. スーダングラス
 収穫は既に終了しています。 インペリアルバレーでは小麦が多く作付けされております。通常、小麦の収穫は4-7月に行われ、スーダンの作付けは3-5月に開始されますが、土壌温度が伴えば2月に昨付けされることもあるため、2021年産は小麦収穫後のスーダンの作付面積が増加する可能性があります。
 昨年に比べ低級品に関する日本からの需要は堅調で、現在でもこの状況が継続しています。

4. ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 収穫は既に終了しています。 ペレニアルライグラスストローの需要は供給不足により堅調である一方で、フェスクストローは日本・韓国からの需要、供給量ともに安定しています。
 アニュアルライグラスストローについては、韓国や米国内バイオ燃料メーカーからの需要により堅調です。バイオ燃料メーカーは年間40,000-50,000トン程度のアニュアルライグラスストローを購入しており、今後、バイオ燃料の生産を開始すると見られます。

5. 豪州産オーツヘイ・小麦ストロー
【オーツヘイ】
 ABARES(豪州農業経済資源局)12月の穀物レポートによると、オーツヘイを含む冬作物の生産量予測は、以下の表の通り過去2年の干ばつを脱して大きく改善しており、統計調査開始以来、過去最高の2016/17年度に次ぐ2番目の記録となっています。オーツ=えん麦(全てがヘイになる数量ではありませんが)についても、前年比189%、過去5年平均対比で119%と、過去8番目の記録的な豊作となり、収穫量は大幅に改善されました。各州の品質状況は以下の通りです。
(1)西豪州:全体的な品質は、雨当たりがあったとしても軽微な状況で、ほぼ中~上位グレードとなる見込みです。最終生育で降雨量が少なかった事が要因となり、やや茶葉が多い印象となります。全豪州で上位グレードの発生量が少ない事から、産地価格は上昇しております。
(2)南豪州:収穫からベーリング作業までに降雨が発生したため、上位品は少ないものの下位グレードまで広く分布し、バラツキがあります。品質は、光る茎や、茶葉の発生が見られます。西豪州同様、発生量の少ない上位グレードは高値で取引されております。
(3)ビクトリア州:収穫後に降雨被害を受けた影響からほぼ雨当たり品となり、上位グレードは限定的で、中位~下位グレードが全体を占め、茶葉が多く見られます。




【小麦ヘイ/ストロー】
 ABARES(豪州農業経済資源局)12月の穀物レポートによると、小麦は前年比205%、過去5年平均対比で144%と豊作の見通しとなっております。収穫は各州で進んでおりますが、南・東豪州では、降雨影響で収穫を遅らせた影響があり、例年より1週間程度遅れている状況(12月21日週に終了)です。
 各サプライヤーはオーツの豊作を背景に、今年度は小麦・大麦ヘイ/ストローの集荷を限定的に行う見込みです。需要については早期に集荷依頼を行なう事が必要となります。豪種国内の畜産相場が好調である事を背景に需要が高まっており、ストローの産地価格は上昇しております。

6. 海上運賃
 北米航路、豪州航路共に動静に大きな遅延が発生しています。
 中国発北米向けの日常雑貨品の輸入量は引き続き旺盛であり、各船社は空コンテナを中国に向けることを史上命題としています。臨時船を投入して東向けの航路の貨物量に対応していますが、コンテナ不足も深刻な状況です。これらは今年度、新型コロナウイルスによる需要不足を見込んでコンテナの新造が無かったことも影響しています。
 北米の輸入量が増えているため、北米の中心的なターミナルであるロサンゼルス/ロングビーチ港は非常に混雑しており、荷下ろし・荷積み作業に大きな遅延をもたらしています。海上には荷役を待つ本船が待機しており、太平洋岸南西部の貨物を船積みについても通常より出航が1~2週間程度遅延するケースが発生しています。太平洋岸北西部の貨物を船積みするシアトル/タコマ港、ポートランド港についてはロサンゼルス/ロングビーチ港程の混雑はないものの、動静の遅延が見られています。
 先月よりアナウンスされていたGRI(海上運賃一括値上げ)は各船社、11月下旬から12月上旬にかけて値上げを実施しました。しかしながら12月中旬、1月積以降についてもさらなるアナウンスがされており、今後の動静に注視が必要です。
 豪州においても、米国同様に中国からの貨物量が増加しており、積替港(シンガポール等)の混雑が激しく、一部の船会社では中国向けの直行便以外のブッキングを中止する対応を取っており、日本を含むその他アジア向けの貨物輸送の遅延に影響を及ぼしています。また、今年の初めより主要港各所で発生していたストライキの影響も残っており、動静の乱れに拍車がかけています。大手海運会社のパトリックで発生したストライキは現在中断中ですが、妥結されていないため、再発の可能性を含んでいます。
 本船を海上で動かすタグボートを運営する大手の海運会社(Svitzer)のストライキについても同様なため、一部サプライヤーによると旧正月(2/11-17)を明けるまで船積みの遅延が解消されないと見込んでいるようです。


                                                       以上

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