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令和3年2月3日
 
全国農業協同組合連合会 (JA全農)
 
輸入粗飼料情勢 / 令和3年1月号
 

1.アルファルファヘイ
(1) カリフォルニア州南部インペリアルバレー
 現在、カリフォルニア州ではCovid-19の感染者が増加しています。メキシコからの労働者が不足しており、サプライヤーによる牧草の生産・加工面も注文の集中や労働者不足から遅延傾向にあります。また、ロサンゼルス/ロングビーチ港での混雑がコンテナ船による船積み遅れは致命的な状況となっており、輸出業者にとっては非常に悩ましい状況が続いており今後のスケジュールを懸念しています。
 アルファルファヘイの収穫は2021年1月まで継続しており、単収は低いものの高品質なものが収穫されています。異例ですが市場は直近で収穫されたものを新穀として取り扱うことを検討しているようです。
 天候は平年より温暖で、アルファルファ圃場では植物が休眠のために必要な凍結が発生していない様子です。1番刈の収穫は例年より早まる可能性があり、休眠不足により品質が例年より低くなる可能性(成分不足・軸細)が懸念されますが、今後の天候次第で、品質は例年に近づくものと考えられます。
(2)ワシントン州コロンビアベースン(コロンビア盆地)
 収穫は既に終了しています。
 12月の牧草購買は輸出向け・国内向けともに鈍い状況でしたが、価格低下は見られていません。降雨や降雪が少なく温暖な気候が続いていることから国内相場は低調で、この状況は春先まで継続する可能性がありますが、天候や気候の変化により一転する可能性もあります。牧草購買が低調なことから生産者の在庫を維持する傾向にあり、このことは春先の価格交渉に買い手優位に働く可能性があります。
 一方、西海岸の輸出業者はコンテナ不足により出荷遅れを報告しており、端境期での繰越在庫の増加が懸念されています。
 アルファルファの作付面積は昨年同様と見られており、これまでの温暖な気候から冬枯れ等の植物へのダメージも限定的とみられます。

2. 米国産チモシーヘイ
 
収穫は既に終了しています。1番刈の多くが雨あたりとなり、特に上級品では価格上昇が見られました。また、品質は総じて昨年より劣っており、品質のバラつきも見られます。

3. スーダングラス
 
スーダンの作付けには向かない冷涼な気候が続いています。スーダン種子が圃場で健康を維持するためには土壌温度が上がる必要があります。
 輸出業者は直近でスーダン需要の高まりを報告しています。特に低級品が中心ですが全グレードで需要があるようです。ロサンゼルス/ロングビーチ港における致命的な動静遅延、船積みの遅れの影響から、日本の在庫が逼迫しているため、一部日本の輸入業者からパニック買いされたようです。

4. ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)
 
収穫は既に終了しています。
 ペレニアルライグラスストローの需要は供給不足により堅調である一方で、フェスクストローは日本・韓国からの需要、供給量ともに安定しています。
 冬場の生産者やベーラーからの購買価格は高止まりしている状況ですが、牧草価格そのものにはあまり影響を及ぼさないと見られています。一方で、海上運賃の高まりが価格上昇に大きく影響するものと見られます。

5. 豪州産オーツヘイ・小麦ストロー
【オーツヘイ】
 収穫は完了しております。各州の品質状況は以下の通りです。
(1)西豪州:全体的な品質は、雨当たりがあったとしても軽微な状況で、ほぼ中~上位グレードとなる見込みです。最終生育で降雨量が少なかった事が要因となり、やや茶葉が多い印象となります。全豪州で上位グレードの発生量が少ない事から、産地価格は上昇しております。
(2)南豪州:収穫からベーリング作業までに降雨が発生したため、上位品は少ないものの下位グレードまで広く分布し、バラツキがあります。品質は、光る茎や、茶葉の発生が見られます。西豪州同様、発生量の少ない上位グレードは高値で取引されております。
(3)ビクトリア州:収穫後に降雨被害を受けた影響からほぼ雨当たり品となり、上位グレードは限定的で、中位~下位グレードが全体を占め、茶葉が多く見られます。

【小麦ヘイ/ストロー】
 収穫は各州でほぼ完了しておりますが、南・東豪州では、降雨影響で収穫を遅らせた影響があり、昨年末の動静よりさらに1~2週間程度(例年に比べ3週間程度)遅れている状況です。(1月11日週に終了)
 既報の通り、各サプライヤーはオーツの豊作を受け、今年度は小麦・大麦ヘイ/ストローの集荷を限定的とする見込みです。このため、需要については早期依頼を行なう事が必要です。
 豪種国内での素牛市場が史上最高価格を付け、内需が旺盛な事もあり、産地価格は上昇しております。

6. 海上運賃
 
北米航路、豪州航路共に、動静遅延状況はますます悪化しています。
 中国発北米向けの輸入量は引き続き旺盛で、当初旧正月明けには解消する見通しでしたが、引き続き貨物量は堅調なままの一方です。北米の中心的なターミナルであるロサンゼルス/ロングビーチ港の混雑はますます悪化しており、コロナによる労働者不足、ターミナルの混雑によるコンテナヤード搬入時間の縮小など、トラックドライバー不足などにより、沖にて荷役を待つ船の数が30船~40船近くにまで膨れ上がっています。太平洋岸南西部の貨物は平均して1~2カ月程度の遅延となっています。太平洋岸北西部の貨物を船積みするシアトル/タコマ港、ポートランド港についてはロサンゼルス/ロングビーチ港程の混雑はないものの、同様にコンテナ不足、トラック不足から、CY搬入にも影響がでており、動静の遅延が見られております。また、航路の途中にあるバンクーバー港でも荷役待ちのため滞留するケースが出ており、同様に1~2カ月程度の遅延が発生しています。
 これらの北米の混雑はGW明けもしくは夏頃まで解消に時間がかかる見通しです。
 GRI(海上運賃一括値上げ)は12月積、1月積で各社値上げを発表し、2月積以降についてもさらなるGRIのアナウンスがされています。
 豪州においても、以前として中国発豪州向けの貨物港は非常に多く、積替港(シンガポール等)の混雑がは依然として解消していません。本船を海上で動かすタグボートを運営する大手の海運会社(Svitzer)についてストライキが発表され、影響は豪州各港に及ぶ見通しです。現状の遅延に更なる遅延が重なる可能性があります。この状況はGW明け頃まで船積みの遅延が解消されない可能性が高くなってきております。


                                              以上

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