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海外粗飼料情勢

輸入粗飼料情勢 / 令和3年4月号

1. アルファルファヘイ

  1. カリフォルニア州南部インペリアルバレー
     3月下旬に2番刈が開始され、現在も2番刈の収穫が進められています。4月中旬は例年より気温が低くなる予報であり、見た目、成分ともに品質は良好で、今後も維持されると見られます。
     今後、米国内の購買需要者が多くなると価格が上昇する可能性があります。これまでサウジアラビアの需要が旺盛で、市場をけん引している様子です。中国は新穀を積極的に購入している模様ですが、サウジアラビアほどでは無いと見られます。
  2. ワシントン州コロンビア盆地
     コロンビア盆地でよく見られるような、朝は寒く日中は暖かい気候になってきました。アルファルファの背丈は例年通りであり、問題無く生育していると言えそうです。また、先週灌漑が開始されたことから、このことは更なる生育の後押しとなる可能性があります。
     天候次第ですが、収穫は5月中旬頃に開始されると推定されます。とうもろこしの価格は依然として生産者にとって魅力的であり、とうもろこしの作付けのために1番刈後のアルファルファを除去するという噂がありますが、これはアルファルファ不足になるというように市場に影響を与えようとする生産者の意図的なものであるかもしれません。
     3月は荷動きが活発になりましたが、これは主に2-3月の圃場のぬかるみによる荷動き鈍化の反動に起因するものと見られます。

2. 米国産チモシーヘイ

 コロンビア盆地の圃場では、作物は休眠状態から抜け出しました。3月末の突発的な風雨と乾燥により、いくつかの圃場でチモシーが失われた模様です。
 天水地域では、2月の降雪が作物をカバーし春風による影響から保護するとともに、夏場の乾燥に向けた水分の貯えとなった模様です。

3. スーダングラス

 1番刈は5月末に刈取開始となる見込みです。2020年産の低級品はほぼ完売ですが、需要が強く供給が非常にタイトです。このため、新穀スーダンの低級品は価格上昇が見込まれる一方で、上級品の価格は同等となる可能性もあります。この場合、2021年産は品質・グレードによる価格差が縮まる可能性が出て来ております。
 スーダンストローは通常、6月末に刈取開始となり、9月まで収穫が継続します。

4. ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)

 圃場の状態は良好であり、来週は温暖な予報であるため生育が促進されると見られます。現時点では単収低下や品質に関する懸念はありませんが、仮に6月の降雨が盛んであった場合は、作物の緑色が濃くなり、最終製品のストローとしても緑色が濃いものとなる可能性があります。

5. 豪州産オーツヘイ・小麦ストロー

  • オーツヘイ
     ABARES(オーストラリア農政局)の3月レポート(下表)のよると、現行の2020-2021クロップは1989年の統計開始以来、2016年に並ぶ豊作の年となりました。来期2021-22クロップについては、過去10年平均を意識した通常期レベルの生産量が見通されているため、供給力の減少から価格が上昇する懸念があるため、今後の生産量発表には注視が必要です。
     日本でも報道されていたNSW・QLD州の洪水は、水も引き、乾燥した状態に戻ったようです。一方で、家畜や飼料が流出したケースも多く、支援を含めた需要の高まりが見られるため、今後の相場上昇が懸念されます。
  • 小麦ヘイ/ストロー
     豪州国内の畜産相場が過去最高を推移する中で、豪州国内向け需要が旺盛で、ストローの産地価格が上昇しています。また、2020年産はオーツヘイが豊作だったことを受け、各サプライヤーがストローの集荷を限定したため、供給力不足も発生しています。

6. 海上運賃

 北米航路、豪州航路について、引き続き遅延が続いています。
(1)北米航路
 中国発北米向けの輸入量は引続き旺盛です。太平洋岸南西部(PSW)の貨物を船積みするロサンゼルス/ロングビーチ(LA/LB)港の混雑は継続しており、直近はターミナルの混雑によるコンテナヤード搬入時間の縮小や、船社の急なカットオフ(コンテナヤードへの実入りコンテナ搬入締切)日時の変更に対応しきれていない状況です。沖で停泊したまま荷役を待っているコンテナ船の滞船状況についても、船舶数は減っておらず、平均して1~2カ月程度の遅延となっています。日本に直接寄港するダイレクト便のサービスの減少などから、積替え港での遅延も影響しています。
 太平洋岸北西部(PNW)の貨物を船積みするシアトル/タコマ港、ポートランド港については、LA/LB港程の混雑はないものの、空コンテナ不足の影響によりスケジュール通り貨物が輸出できておりません。また、航路の途中にあるバンクーバー港でも荷役待ちの滞船が発生しており、同様に1~2カ月程度の遅延が発生しています。また、天候の関係から内陸の貨車ターミナルの混雑・遅延も確認されており、今後の影響が懸念されています。
 各船会社は引き続き、空コンテナの輸送を優先していることから、各港ともブッキングが取れない状況が続いています。
 4月積のGRI(海上運賃一括値上げ)の実施、5月積についてもアナウンスがなされており、今後運賃値上げが実施される見通しで、現段階ではどこまで増高するのか予想が立たない状況です。
(2)豪州航路
 豪州航路では、空コンテナ不足は問題になってないものの、旧来、航空便で行っていた果物などの、輸出貨物との競合により船腹が不足しブッキングが取りづらくなっている事、積替港(ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、高雄、青島、釜山等)の混雑を要因とする遅延が起こっています。
 昨年より継続されているストライキについても妥結しておらず、4/23にはタグボート(コンテナ船を湾内で方向転換させる船)を運営する会社が、24時間のストライキを実施しました。今後も妥結まで注視が必要です。
 豪州の海上運賃は北米航路のようにGRIの発表はされませんが、船会社がシッパーに通知する形で運賃の値上げが行われます。5月積で運賃値上げを行うアナウンスも入っており、今後の影響が懸念されています。

以上

令和3年4月26日
全国農業協同組合連合会(JA全農)

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