農林水産省-鳥インフルエンザに関する情報および環境省-高病原性鳥インフルエンザに関する情報を基に国内におけるHPAIの発生状況の時間的推移と地理的拡大状況を俯瞰的に確認することを目的に作成しました。
図表上の地図は国土交通省-国土数値情報-全国行政区域データをもとに加工して作成しました。
出典:2023年~2024年シーズンにおける高病原性鳥インフルエンザの発生に係る疫学調査報告書
発生の特徴
初発例
家禽では2023年11月25日に佐賀県で初発例が確認され、国内での発生はこれまでに例のない4シーズン連続の発生となりました。野鳥については10月4日に北海道美唄市でハシブトガラスの感染が確認されてから、その後28都道府県で156例が確認されました。
発生件数
家禽での発生は11事例で、過去4シーズンで最も少ない発生件数となりました。また昨年度の2022~23シーズンの発生件数と比較すると著しい減少となりました。
再発農場
一部の農場では2022~23シーズンから再発が確認され、特に環境要因が発生リスクを高めている地域である可能性が示唆されました。
侵入経路・侵入時期
初確認
野鳥での感染事例は10月4日に北海道で初確認され、52日後の11月25日に佐賀県で家きんの初発例が確認されました。両事例で分離されたウイルスは同一のグループであったことが明らかになりました。
ウイルスの侵入経路
感染した野鳥やカラスが農場周辺や農場内にウイルスを持ち込んだ可能性が高いと考えられています。また、ほとんどの発生農家で壁や防鳥ネットの破損部からのカラス等の野鳥や小動物の侵入がみられたことから、これらがウイルス侵入の要因と考えられています。
Seto J et al. Epidemiology of coronavirus disease 2019 in Yamagata Prefecture, Japan, January-May 2020: The importance of retrospective contact tracing.Jpn J Infect Dis. 2021;74:522-529.