需給及び価格動向
肉用和牛素牛情報
令和5年10月の情勢
10月は、一部市場では上げとなったものの、全体を通して下げの相場展開となりました。
このことは、
(1)牛肉需要の低迷が続き、枝肉相場が軟調に推移していること
(2)生産費高止まりの長期化により生産者の資金繰りが悪化し、導入予算の引き下げがおきていること
(3)牛マルキンの増額(8月概算払)が発表され、発表直後に開催された一部の市場では上げとなったこと
以上等の情勢によります。
(東京市場:和牛去勢 A5=2,556円/kg 前月差+25円/kg
A4=2,083円/kg 前月差+4円/kg)
令和5年11月の需給および価格動向
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- 供給
- 素牛上場予定頭数は、前年同月比98.3%と予想されます。
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- 需要および価格
- 年末に向け枝肉出荷の最盛期をむかえる時期であり、出荷後の空いた牛舎を埋めるために引き合いが強まることから、強含みの相場展開が想定されます。
(表-1)令和5年11月入場予定頭数
産地・市場名 | 入場予定頭数(A) | 前年同期取引頭数(B) |
---|---|---|
北海道(南北海道) | 1,645 | 1,763 |
岩手(県南) | 454 | 488 |
兵庫(淡路) | 290 | 285 |
島根(中央) | 330 | 327 |
岡山(総合) | 332 | 311 |
広島(三次) | 268 | 286 |
長崎(平戸口) | 600 | 600 |
大分(玖珠) | 409 | 369 |
宮崎県下 | 5,500 | 5,847 |
鹿児島県下 | 4,317 | 4,109 |
合計 | 14,145 | 14,385 |
肉用乳牛素牛情報
令和5年10月の情勢
- 乳牛去勢枝肉相場は、前月から引き続き末端の荷動きは悪いものの、年末に向けた手当等により、強含みの相場展開となりました。
(全国枝肉市場 乳雄去勢 前月差:B2=+46円/kg、C2=+12円/kg、加重平均:B2=1,101円/kg、C2=1,131円/kg)
<参考>東京・大阪市場乳雄去勢 加重平均:B2=844円/kg、C2=860円/kg
※日本食肉市場卸売協会より(10月25日時点) - 全国主要家畜市場における乳雄素牛の取引について、上場頭数の少なさから逼迫した需給が続いており、強もちあいの相場展開となりました。
(全国平均価格:191千円/頭、前月差:▲8,244円/頭) - 北海道主要7市場における乳雄初生牛の取引について、性判別精液の利用や和牛ETの増加等を背景に、乳雄資源の逼迫した状況が続いており、上げの相場展開となりました。
(取引平均価格40,789円/頭、前月差:+15,366円/頭、前年差:+15,456円/頭)
令和5年11月の需給および価格
全国的に乳雄素牛の出回り頭数が少なくなっており、逼迫した需給状況が続いていることから、強もちあいの相場展開が予測されます。
乳雄素牛の需給が逼迫しており、素牛相場が強もちあいで推移していることから10月価格の据え置きとしました。