需給及び価格動向
肉用和牛素牛情報
令和5年4月の情勢
4月は、前月と比較すると地域ごとに上げ下げはあるが、総じてほぼもちあいの相場展開となった。
このことは、
(1)枝肉相場は前月から堅調に推移したものの前年よりも低値であり、生産費高騰による素牛導入費用を抑える動きが見られること
(2)北海道では、大口生産者の規模拡大による導入頭数の増加で引き合いが強まり、相場が高騰したこと
(3)九州地区の市場開催数が少ない時期で上場頭数が減少したこと
以上等の情勢によります。
(東京市場:和牛去勢 A5=2,642円/kg 前月差+96円/kg
A4=2,338円/kg 前月差+138円/kg)。
令和5年5月の需給および価格動向
-
- 供給
- 素牛上場予定頭数は、前年同月比96.0%と予想されます。
-
- 需要および価格
- 5月は、大型連休が明けて枝肉相場が軟調に推移することが想定されること、および生産費高騰による導入費用抑制の動きがあることから素牛相場は軟調に推移することが予想されます。
(表-1)令和5年5月入場予定頭数
産地・市場名 | 入場予定頭数(A) | 前年同期取引頭数(B) |
---|---|---|
北海道(南北海道) | 2,006 | 1,733 |
岩手(県南) | 500 | 541 |
兵庫(淡路) | 300 | 407 |
島根(中央) | 200 | 270 |
岡山(総合) | 350 | 263 |
広島(三次) | 300 | 345 |
長崎(平戸口) | 614 | 575 |
大分(玖珠) | 408 | 423 |
宮崎県下 | 5,148 | 5,861 |
鹿児島県下 | 4,432 | 4,419 |
合計 | 14,258 | 14,837 |
肉用乳牛素牛情報
令和5年4月の情勢
- 乳牛去勢枝肉相場は、GWを見据えた手当てや新型コロナウイルス感染症の分類が5類に引き下げられることで訪日規制が緩和され、インバウンド需要が見込まれることから引き合いが強まり、上げの相場展開となりました。
(全国枝肉市場 乳雄去勢 前月差:B2=+7円/kg、C2=+26円/kg、加重平均:B2=1,184円/kg、C2=1,206円/kg)
<参考>東京・大阪市場乳雄去勢 加重平均:B2=1,134円/kg、C2=1,108円/kg ※日本食肉市場卸売協会調べ - 全国主要家畜市場における乳雄素牛の取引価格は、北海道内市場で上場頭数が増加し相場が軟調に推移したものの、都府県では上場頭数の少なさから高値が続いており、全体の平均価格としてはほぼ保ち合いの相場展開となりました。
(全国平均価格:158千円/頭、前月差:-1,992円/頭、市場平均価格:道内148千円/頭、都府県236千円/頭) - 北海道主要7市場における乳雄初生牛の取引概況は、上場頭数が前月から増加した(前月差+663頭)ものの、依然として乳雄資源は不足し(前年同月差-449頭)引き合いが強まっていることから、強保ち合いの相場展開となりました。
(前月差:-345円/頭、前年差:-39,669円/頭、取引平均価格45,973円/頭)
令和5年5月の需給および価格
大型連休が明けて枝肉相場が軟調に推移することが見込まれるものの、上場頭数の減少が続いていることから、底堅い相場展開が予想される。
乳雄初生牛の引き合いが強まりつつある中で乳雄資源の確保のため、5月期の取引基準価格は4月期の据え置きとしました。