配合飼料情勢
令和7年4~6月期の配合飼料供給価格について
令和7年4~6月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和7年1~3月期に対し、全国全畜種総平均トン当り約400円値下げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1. 飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は12月上旬は440セント/ブッシェル前後で推移していましたが、1月10日米国農務省発表の需給見通しで米国産とうもろこしの生産量が下方修正されたことなどから、2月中旬には500セント/ブッシェル前後まで上昇しました。その後、2月27日米国農務省発表の作付面積見通しが市場予想を上回ったことや、米国の関税引き上げを受けた報復関税が課され、米国からの輸出が落ち込む懸念などから下落し、現在は460セント/ブッシェル前後で推移しています。一方、シカゴ定期に加算される内陸産地からの集荷コストなどはミシシッピ川の水位が回復したことから下落しています。
今後は南米産の作柄や米国産新穀の作付動向に加えて、米国の関税政策などに左右される相場展開が見込まれます。
2. 大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は12月上旬には320ドル/トン前後で推移していましたが、アルゼンチンでの乾燥による作柄悪化懸念などから1月上旬には340ドル/トン前後まで上昇しました。その後の降雨予報などにより相場は下落し、現在は330ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、主要輸入相手国である中国の大豆粕価格が下落していることなどから値下がりが見込まれます。
3. 海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、11月上旬には50ドル/トン台で推移していましたが、南米産大豆の輸出開始が収穫遅延により遅れたため船腹需給が緩和したことや、原油相場が下落したことなどから、現在は48ドル/トン前後で推移しています。
原油相場が軟調であるものの、今後は南米産大豆の輸出が最盛期を迎え船腹需給が引き締まる見通しであることなどから、底堅く推移するものと見込まれます。
4. 外国為替
外国為替は12月上旬には150円前後で推移していましたが、12月19日の日銀金融政策決定会合で利上げが見送られたことなどから12月下旬には158円台まで上昇しました。その後1月24日に日銀が利上げを決定し、さらに追加の利上げ観測も強まっていることや、米国の関税引き上げによる米国の景気悪化懸念などから円高が進み、現在は149円前後で推移しています。
今後は日米の金融政策や景気動向などに左右される相場展開が見込まれます。
以上から、とうもろこしのシカゴ定期が上昇しているものの、為替円高に加えて大豆粕の価格や海上運賃が下落していることなどから、令和7年4~6月期の配合飼料価格は前期対比値下げとなります。
令和7年3月21日
全国農業協同組合連合会(JA全農)
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