配合飼料情勢
令和5年7~9月期の配合飼料供給価格について
令和5年7~9月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和5年4~6月期に対し、全国全畜種総平均トン当り2,000円値下げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1. 飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、3月には630セント/ブッシェル前後で推移していましたが、3月31日米国農務省発表の四半期在庫が事前予想を下回ったことから、660セント/ブッシェル台まで上昇しました。その後、米国では天候に恵まれ作付けが順調であることや、米国の輸出需要が低調なことなどから、560セント/ブッシェルまで下落しましたが、米国産地で高温乾燥になるとの見通しなどから上昇し、現在は650セント/ブッシェル前後となっています。
今後は、米国産新穀の作柄に影響を与える夏場の受粉期に向けて、天候に左右される相場展開が見込まれます。
2. 大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、3月には510ドル/トン前後で推移していましたが、ブラジル産新穀大豆が豊作であることに加え、米国産新穀大豆の作付けが順調なことなどから下落し、現在は450ドル/トン前後となっています。
国内大豆粕価格は、為替は円安で推移しているものの、シカゴ定期の下落などにより、値下がりが見込まれます。
3. 海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月には一時50ドル/トンを下回って推移していましたが、中国のゼロコロナ政策撤廃により、鉄鉱石・石炭の輸送需要が増加し船腹需給が引き締まったことなどから4月上旬には60ドル/トンを越える水準まで上昇しました。その後、原油相場が下落したこと、中国向け石炭などの荷動きが低調であることなどから、現在は50ドル/トン前後となっています。
今後は、南米産穀物の輸送が本格化することから、海上運賃は底堅く推移するものと見込まれます。
4. 外国為替
外国為替は、3月上旬には136円前後でしたが、欧米の金融機関の破綻報道などから3月下旬には130円台まで円高が進みました。その後、4月末の日銀金融政策決定会合で金融緩和の維持を決定したことや、5月に発表された米国雇用統計などの各種経済指標が好調であり日米金利差がさらに拡大する可能性があることなどから円安が進み、現在は140円前後となっています。
今後は、日米金利差は拡大した状態が続くものの、利上げによる米国経済の景気悪化も懸念されることから、一進一退の相場展開が見込まれます。
以上から、外国為替は円安となるものの、とうもろこしのシカゴ定期や大豆粕価格が値下がりしていることなどから、令和5年7~9月期の配合飼料価格は前期に比べ値下げとなります。
令和5年6月22日
全国農業協同組合連合会(JA全農)