配合飼料情勢
令和6年7~9月期の配合飼料供給価格について
令和6年7~9月期の配合飼料供給価格について、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和6年4~6月期に対し、全国全畜種総平均トン当り約2,200円値上げすることを決定しました。
なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。
飼料情勢は以下のとおりです。
1. 飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、3月には440セント/ブッシェル前後で推移していましたが、3月28日の米国農務省発表の米国産とうもろこしの作付面積見通しが事前予想を下回ったことや、米国産地で降雨による作付遅延懸念などから上昇し、現在は450セント/ブッシェル前後で推移しています。
今後は、南米産地の作柄や、米国産新穀の生育期の天候などに左右される相場展開が見込まれます。
2. 大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、3月上旬には370ドル/トン前後でしたが、5月初旬に発生したブラジルでの洪水による生産量減少懸念などにより相場が上昇し、現在は400ドル/トン前後で推移しています。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期の上昇および為替円安の影響などから値上がりが見込まれます。
3. 海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、2月には50ドル/トン台後半で推移していましたが、中国向けの石炭輸送需要が増加したことや、中東情勢の緊迫化を受けて原油相場が高騰したことなどにより、3月には65ドル/トン前後まで上昇しました。その後、石炭向けの船腹需給が緩和したことなどから、現在は60ドル/トン前後で推移しています。
今後は、南米産とうもろこしの輸送需要が本格化するものの、船腹需給が緩和していることなどから現行水準で推移するものと見込まれます。
なお、パナマ運河の渇水による通航制限については、パナマが5月から雨季に入り水位が回復傾向にあるものの依然として水位が低いため、一部継続しています。
4. 外国為替
外国為替は、3月初旬には150円台前後で推移していましたが、日本の金融緩和政策転換の観測が強まったことで3月中旬には146円台まで円高がすすみました。その後、3月19日の日銀金融政策決定会合で金融緩和政策は維持される見通しとなったことに加え、4月10日に発表された米国の消費者物価指数が市場予想を上回り、利下げ観測が後退したことなどから円安が進み4月末には一時160円台をつけました。その後、日本の当局が為替介入を実施したものの、日米金利差が拡大した状態が継続していることなどから、現在は158円前後で推移しています。
今後は、日米金利差は引き続き円安要因となるものの、米国での利下げの可能性もあることなどから、一進一退の相場展開が見込まれます。
以上から、為替円安やシカゴ定期の上昇などによりとうもろこしや大豆粕の価格が値上がりとなることから、令和6年7~9月期の配合飼料価格は前期対比値上げとなります。
令和6年6月24日
全国農業協同組合連合会(JA全農)