相場情報
食鳥情勢(令和8年5月)
生産動向
生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和8年4月末実施)によると、「3月の処理出荷推計実績は処理羽数が前年同月比98.0%、処理重量は同100.7%。処理羽数は前年割れとなったものの、処理重量は前年を上回った。今冬は、全国の産地より例年になく育成が順調であったという声が多く聞かれており、出荷体重にもその結果が表れているようだ。日本食鳥協会では、4月の予測を処理羽数が前年同月比4.3%、処理重量を4.7%それぞれ減少と予測。また、5月の予測処理羽数4.9%、処理重量3.8%それぞれ減少、6月は処理羽数0.9%、処理重量1.1%それぞれ減少と、3カ月連続で処理羽数、重量共に前年同月を下回る予測となっている。」と報告されている。工場では慢性的な人員不足が課題となっている。
輸入動向
財務省の貿易統計によると、令和8年3月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から+1.9千トンの48.1千トン、国別ではブラジルが前月+3.1千トンの32.8千トン、タイが▲1.5千トンの14.8千トンとなった。(独)農畜産業振興機構(ALIC)によると今後の見通しは、輸入量は4月は51.5千トン(前年比108.0%)、5月は54.3千トン(同111.8%)と4月5月ともに増加する予測である。要因としては、「輸入量は、前年のブラジル産の輸入量がブラジル国内及び他国向けの需要の高まりによる価格上昇により低水準であったことや現地での生産も堅調であったこと等から、4月はかなりの程度、5月はかなり大きく、いずれも前年同月を上回ると予測する。なお、3カ月平均でも、前年同期をかなり大きく上回ると予測する。」とされている。
令和8年3月の鶏肉調整品の輸入量は前月から+3.8千トンの44.1千トン、国別では中国が+0.5千トンの15.9千トン、タイが+3.3千トンの27.3千トンとなった。
(株)食品産業新聞社発行の畜産日報によると、3月の輸入鶏肉(モモ肉)の価格はブラジル産で730円/kgから750円/kg(前年465円/kg)、タイ産が730円/kg中心(同480円/kg)となっている。要因としては「輸入品は市中ひっ迫状態が続いており、相場も上昇したまま高止まりしている。中東情勢などで為替動向が不透明にあるなか、しばらくは高値水準を維持するものとみられる。」と報告されている。
消費動向
家計
総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和8年3月の生鮮肉消費(購入)は数量4,463g(前年比102.2%)、金額7,166円(同104.8%)と、数量・金額ともに前年を上回った。鶏肉は数量1,632g(同98.9%)・金額1,808円(同105.2%)・単価110.78円/100g(前年同月差+6.6円)と数量は前年を下回ったものの、金額・単価はともに前年を上回った。牛肉と豚肉は数量・金額ともに前年を上回った。
量販
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の販売統計調査によると、令和8年3月の食品売上高は全店ベースで前年比101.7%と前年を上回り、生鮮3部門の売上高は全店ベースで同101.2%、既存店ベースは同99.5%。畜産部門の売上高は約1,309億円で全店ベース同104.5%、既存店ベース同102.6%となった。また同社が取りまとめたスーパーマーケット景気動向調査によると、「引き続き、価格上昇を背景に豚肉・鶏肉など値頃商材への需要シフトが継続している。大容量パックや価格訴求商品も引き続き支持された。牛肉は輸入牛が相場高の影響で低調が続くも、国産牛や和牛は販促効果もあり回復傾向もみられた。小間切れや切落しなど値頃商品の動きに加え、週末には焼肉用やステーキ用商品が売上に寄与した。豚肉は、切落しや生姜焼き用など日常使いの商品が堅調で、しゃぶしゃぶ用も販促効果により好調に推移した。鶏肉は相場高と一部の品不足が続く中でも、モモ・ムネなど定番部位に加え、味付け商品や冷凍品が売上を牽引した。加工肉はハム・ベーコン・ソーセージ類など定番商材が伸び悩んだ。」と報告されている。
加工筋
日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和8年3月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比101.4%の4.5千トンとなった。うち国内品は同93.6%の3.5千トン、輸入品については同141.1%の1.1千トンと輸入品は前年を上回ったものの、国内品は前年を下回る結果となった。
在庫状況
(独)農畜産業振興機構(ALIC)の3月末時点推定期末在庫では国産品37.8千トン(前年比146.8%)、輸入品114.6千トン(同87.3%)、合計で152.5千トン(同97.1%)となった。
(独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表では、3月の出回り量は国産品146.4千トン(前年比100.3%)、輸入品47.6千トン(同94.6%)、合計194千トン(同98.9%)となり、前年からは国産品の出回り量は増加したものの、輸入品の出回り量は減少した。今後3月以降の見通しは、「出回り量は、4月はわずかに上回る一方、5月は前年同月並みと予測する。期末在庫は、4月、5月ともに前年同月をやや下回ると予測する。なお、過去5カ年の同月平均との比較でも、4月、5月ともにやや下回る(4月:5.0%減、5月:4.6%減)と予測する。」とされている。
鶏卵情勢(令和8年5月)
生産動向
4月の産地在庫は、外食プロモーションの集荷・春休みも終わったことから、瞬間的に在庫の余裕が発生したものの、大型連休に向けた引き合いが堅調だったため適正に推移した。小玉については継続して引き合いが強く、全体的に不足気味で推移した。
消費動向
家計消費
業務・加工動向
3月の外食全体の売上高は前年同月比105.7%と引き続き前年同月を上回った。好天にも恵まれ、花見、歓送迎会等のイベント需要、ファーストフードの堅調や価格改定による客単価上昇が後押しした。消費者の節約志向が強まる中、各社キャンペーンの実施や広告強化により客数維持に努めている。
3月の訪日外客数は3,618.9千人(前年同月比103.5%)と前年同月を上回り、2月同様、過去最高を更新した。引き続き渡航自粛要請による中国からの訪日外客数は同月比約56%減となっているが、3月後半からの桜シーズンや4月のイースターに合わせたスクールホリデーによる訪日需要の高まり等が過去最高の訪日外客数の要因となった。
輸入・輸出動向
3月の鶏卵類輸入通関実績は3,408トン(前年同月比196.1%)と前年を大きく上回った。殻付き卵が967トン(前年同月比451.9%)と引き続き大きく増えているほか、各紛卵・凍結卵に関しても増加傾向がみられ、各メーカーが供給不安に備えていることがうかがえる。
同月の殻付き卵輸出実績は2,068トン(前年同月比118.9%)と年内初めて前年を上回った。高病原性鳥インフルエンザ発生による輸出制限が、順次解除されたことも影響したと考えられる。
価格動向
今後については、大型連休明けの都内への人出回帰による需要の回復や、気温上昇に伴う冷やし麺向け等の需要増で小玉中心の引き合いが強まる可能性がある。供給面については徐々に増加基調となることが予測される。
以上より、今後の鶏卵相場は保合で推移する見通しである。
その他
(1)鶏卵生産者経営安定対策事業加入者の販売実績数量
(2)鶏卵基金標準取引価格と補填単価
(3)2025年度鳥インフルエンザ発生状況について
5月8日時点で1道1府10県、18事例の発生(採卵鶏530.5万羽)
(北海道、青森県、岩手県、新潟県、茨城県、埼玉県、千葉県、三重県、京都府、兵庫県、岡山県、香川県)
②野鳥・環境での発生状況
5月8日時点で1道15県、166事例の発生
(北海道、岩手県、山形県、新潟県、富山県、福島県、千葉県、群馬県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、大分県、宮崎県、鹿児島県)