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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和6年9月)

豚肉

供給

(1)国産
 7月の全国豚と畜頭数は、1,311千頭と前年を上回った。(前年比105.1%)。地域別と畜頭数(数値は前年同月比):北海道103.6%、東北99.2%、関東106.2%、北陸甲信越106.3%、東海108.7%、近畿113.6%、中四国107.7%、九州・沖縄106.4%
 8月の全国と畜頭数は、1,224千頭(速報値8月31日まで集計、前年比94.1%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年と同様で、1日当たりの平均と畜頭数は61,180頭(前年実績:65,013頭/日、前年差▲3,833頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課:8月21日付け)によると、9月:1,323千頭(前年比102%)、10月:1,432千頭(同100%)、11月:1,468千頭(同99%)、12月:1,490千頭(同102%)、令和7年1月:1,417千頭(同100%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約101%と前年並みの見込み。
(2)輸入
 7月の輸入通関実績は、豚肉全体で86.3千トン(前年比115.1%、前月比105.6%)と前年を上回った。内訳は、チルドが27.8千トン(前年比91.9%、前月比92.1%)、フローズンは58.4千トン(同130.9%、同113.5%)となった。国別でみると、チルドではメキシコが増加した。フローズンではスペイン、米国、デンマーク、カナダが増加した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド:カナダ13.0千トン(前年比99.4%)、米国11.0千トン(同76.6%)、メキシコ3.8千トン(同134.4%)
フローズン :スペイン18.7千トン(前年比130.3%)、メキシコ7.1千トン(同89.4%)、米国6.4千トン(同141.3%)、デンマーク6.1千トン(同183.8%)、カナダ5.6千トン(同157.8%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(8月28日公表)によると、8月の輸入量:82.0千トン(前年比111.0%)、9月の輸入量:82.6千トン(同133.8%)と8月、9月ともに上回ると見込まれる。チルドは、8月は現地相場高の影響により米国産の減少が見込まれること等から前年同月を下回ると予測し、9月は前年同月の輸入量が少なかったことから上回ると予測する。フローズンは、米国産の増加が見込まれること等から、8月、9月ともに前年同月を上回ると予測する。3か月平均では、チルドは下回り、フローズンは上回ると見込んでいる。
令和6年 8月:合計82.0千トン(前年比111.0%)、チルド29.1千トン(同82.1%)、フローズン52.9千トン(同137.7%)
令和6年 9月:合計82.6千トン(前年比133.8%)、チルド30.5千トン(同114.3%)、フローズン52.1千トン(同148.8%)      
直近3か月(7月~9月)平均:合計82.9千トン(前年比118.2%)、チルド29.4千トン(同95.4%)、フローズン53.6千トン(同136.2%)

需要

(1)家計
 総務省発表の7月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,702g(前年比96.4%)、支出金額が2,724円(同101.0%)となり、購入量は前年同月を下回ったが、金額は上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の7月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,182.9億円(前年比100.1%、既存店ベース99.1%)と前年並みとなった。7月は、国産・輸入ともに相場高傾向で販促が組みにくく、牛肉や豚肉から、比較的値ごろ感のある鶏肉へのシフトが続いている。和牛など高単価商品は低迷が続き、ひき肉や小間切れなどの低価格商品の動きが顕著で単価が下落した。猛暑の影響で、焼き材や冷しゃぶ材の動きが良かったが、梅雨明けの遅れや豪雨による影響が見られた地域もあった。加工品は全般的な価格上昇により不調。
 日本チェーンストア協会が公表した7月販売概況によると、畜産品の売上は822.2億円(店舗調整後で前年比100.9%)となり、前年並みとなった。豚肉、鶏肉の動きは良かったが、牛肉の動きは鈍かった。鶏卵、ハム・ソーセージの動きも鈍かった。
 7月に続き、全国的な酷暑による肉豚の成育不良により、出荷頭数が伸び悩み、需給は引き締まった状態で推移した。お盆期は、南海トラフ地震や台風への備蓄需要から更に需給がひっ迫したが、月後半はその反動から需給が緩み一部で学校給食が再開したものの、全体的に緩んで推移した。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の7月の豚肉加工品仕向量は31.1千トン(前年比112.1%)と、加工品の値上げによる販売不振は続くが、前年を上回った。内訳は、国産原料6.1千トン(前年比114.2%)・輸入原料25.1千トン(同111.6%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは9.0千トン(前年比95.0%)と、前年を下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(8月28日公表)によると、7月末の推定期末在庫量は218.8千トン(前年比90.8%、前月比100.4%)となり、前年を下回った。内訳は、輸入品:195.5千トン(前年比88.8%、前月比101.2%)と前年を下回り、国産品:23.2千トン(同111.9%、同93.5%)と前年を上回った。また、今後の期末在庫は、8月は221.3千トン(同92.7%)と前年を下回り、9月は232.0千トン(同103.1%)と前年を上回って推移するものと見られる。

市況

(1)8月~9月
 8月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:8月31日時点)は、764円/kg(前年比107.6%)と前年を上回った。8月は、7月に続き酷暑の影響から肉豚の成育不良により出荷頭数が伸び悩んだことに加え、地震や台風への備蓄需要が起こり月初から中旬にかけて800円/kg前後で推移した。中旬以降は、備蓄需要の反動から需要が減退したことに加え、東日本地区で酷暑が和らぎ出荷頭数が回復基調となったため、需給が緩み700円/kgを下回って推移した。
 9月は、学校給食の全国的な再開や3連休等での行楽需要など需要増に期待が出来るものの、全国的に酷暑が和らぐことで肉豚の成育が回復し、出荷頭数が前月より増加することが見込まれることから、需給は緩むことが想定され弱含みで推移すると見込まれる。

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