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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和6年7月)

豚肉

供給

(1)国産
 5月の全国豚と畜頭数は、1,360千頭と前年並みとなった。(前年比99.6%)。地域別と畜頭数(数値は前年同月比);北海道104.2%、東北94.5%、関東98.1%、北陸甲信越94.2%、東海101.9%、近畿100.9%、中四国105.3%、九州・沖縄101.8%
 6月の全国と畜頭数は、1,205千頭(速報値6月30日まで集計、前年比90.8%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年より2日少なく、1日当たりの平均と畜頭数は60,260頭(前年実績:60,326頭/日、前年差▲66頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課;6月24日付け)によると、7月;1,294千頭(前年比104%)、8月;1,294千頭(同100%)、9月;1,324千頭(同102%)、10月:1,446千頭(同101%)、11月:1,472千頭(同99%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約101%と前年を上回る見込み。
(2)輸入
 5月の輸入通関実績は、豚肉全体で94.1千トン(前年比104.8%、前月比95.2%)と前年を上回った。内訳は、チルドが33.5千トン(前年比95.6%、前月比99.5%)、フローズンは60.6千トン(同110.7%、同93.0%)となった。国別でみると、チルドではカナダ、メキシコが増加し、米国が減少した。フローズンでは米国、デンマーク、カナダが増加し、スペイン、メキシコが減少した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド;カナダ16.1千トン(前年比102.4%)、米国13.6千トン(同84.9%)、メキシコ3.9千トン(同115.8%)
フローズン:スペイン18.0千トン(前年比93.6%)、米国10.9千トン(同160.7%)、デンマーク6.9千トン(同106.5%)、メキシコ6.0千トン(同80.8%)、カナダ5.6千トン(同172.3%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(6月26日公表)によると、6月の輸入量:84.7千トン(前年比104.2%)、7月の輸入量:83.0千トン(同110.9%)と6月、7月ともに上回ると見込まれる。チルドは、現地相場高の影響で減少が見込まれる米国産の代替としてカナダ産輸入量の増加の他、価格優位性によるメキシコ産輸入量の増加が見込まれることから、6月、7月ともに前年同月を上回ると見込まれる。フローズンは、昨年同月の輸入量が少なかったことから、6月、7月ともに前年同月を上回ると見込んでいる。3か月平均では、チルドは下回り、フローズンは上回ると見込んでいる。
令和6年6月:合計84.7千トン(前年比104.2%)、チルド31.1千トン(同100.4%)、フローズン53.6千トン(同106.5%)
令和6年7月:合計83.0千トン(前年比110.9%)、チルド30.9千トン(同102.1%)、フローズン52.1千トン(同116.9%)
直近3か月(5月~7月)平均:合計86.6千トン(前年比105.6%)、チルド31.7千トン(同98.6%)、フローズン54.9千トン(同110.2%)

需要

(1)家計
 総務省発表の5月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,835g(前年比99.1%)、支出金額が2,742円(同100.1%)となり、購入量、金額ともに前年並みとなった。(※2019年度比:購入量 101.0%、金額 106.9%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の5月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,214.5億円(前年比99.5%、既存店ベース98.6%)と前年並みとなった。前月より小幅に改善も不調が続く。値ごろ感のある鶏肉へ需要シフトが強まり、単価が下落。輸入肉の価格が高騰していることで、全体的に数量が伸び悩んだ。牛肉は、GW時期のBBQ用は伸び悩んだが、焼肉やステーキなどは動きが良かった。豚肉は、小間切れやひき肉など値ごろな商材に需要が集中し、鶏肉は販売が伸長している。加工肉は値上げの影響で不振とする店舗が多い。
 日本チェーンストア協会が公表した5月販売概況によると、畜産品の売上は851.8億円(店舗調整後で前年比99.8%)となり、前年並みとなった。鶏肉の動きは良かったが、牛肉、豚肉の動きは鈍かった。鶏卵、ハム・ソーセージの動きも鈍かった。
 消費者の節約志向が高まっていることに加え、梅雨時期に入ったことで消費が鈍くなったものの、昨年の猛暑による生産性の低下と豚熱等の発生から、東北・関東地区を中心に出荷頭数が減少したことで、需給はひっ迫した。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の5月の豚肉加工品仕向量は29.6千トン(前年比106.9%)と、加工品の値上げによる販売不振は続くが、前年を上回った。内訳は、国産原料5.8千トン(前年比108.5%)・輸入原料23.8千トン(同106.5%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは9.0千トン(前年比92.4%)と、前年を下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(6月26日公表)によると、5月末の推定期末在庫量は214.2千トン(前年比87.7%、前月比108.9%)となり、前年を下回った。内訳は、輸入品;189.9千トン(前年比84.8%、前月比109.1%)と前年を下回り、国産品;24.2千トン(同120.0%、同106.6%)と前年を上回った。また、今後の期末在庫は、6月は217.8千トン(同89.0%)、7月は219.0千トン(同90.9%)と前年を下回って推移するものと見られる。

市況

(1)6月~7月
 6月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;6月30日時点)は、753円/㎏(前年比108.0%)と前年を上回った。6月は、消費者の節約志向や季節的要因から消費が鈍ったものの、昨年の猛暑による影響から生産性の低下に加え、疾病等の発生により出荷頭数が減少したことで、需給がひっ迫し、枝肉が不足する業者等により食肉市場での購買が増加したことから相場は急騰したため、前月・前年を上回った。
 7月は、農水省の予想によると前年比4%増の出荷を見込んでいるものの、猛暑による増体不良や疾病等の影響から、出荷頭数は不透明な状況となっている。学校給食が終了し、需給が緩和されることが想定されるものの、輸入豚肉の価格上昇や先述した出荷頭数の件から需給が引き締まり強含みで推移すると見込まれる。

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