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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和6年4月)

豚肉

供給

(1)国産
 2月の全国豚と畜頭数は、1,375千頭と前年を上回った(前年比104.8%)。地域別と畜頭数(数値は前年同月比);北海道101.7%、東北104.0%、関東107.0%、北陸甲信越102.0%、東海105.1%、近畿108.0%、中四国102.8%、九州・沖縄104.8%
 3月の全国と畜頭数は、1,359千頭(速報値3月31日まで集計、前年比92.5%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年より2日少なく、1日当たりの平均と畜頭数は67,950頭(前年実績:67,591頭/日、前年差+359頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課;3月21日付け)によると、4月;1,430千頭(前年比108%)、5月;1,330千頭(同97%)、6月;1,307千頭(同98%)、7月:1,297千頭(同104%)、8月:1,297千頭(同100%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約101%と前年を上回る見込み。
(2)輸入
 2月の輸入通関実績は、豚肉全体で64.6千トン(前年比90.5%、前月比89.5%)と前年を下回った。内訳は、チルドが32.3千トン(前年比104.6%、前月比93.3%)、フローズンは32.2千トン(同79.7%、同86.1%)となった。国別でみると、チルドではカナダ、メキシコが増加した。フローズンでは米国、チリが増加し、スペイン、メキシコ、デンマークが減少した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド;カナダ16.6千トン(前年比131.4%)、米国12.0千トン(同78.7%)、メキシコ3.7千トン(同124.0%)
フローズン:スペイン7.8千トン(前年比51.8%)、メキシコ5.5千トン(同85.5%)、デンマーク3.5千トン(同72.3%)、米国.3.0千トン(同129.0%)、チリ2.8千トン(同115.2%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(3月27日公表)によると、3月の輸入量:73.3千トン(前年比106.2%)と上回り、4月の輸入量:78.3千トン(同71.5%)と下回ると見込まれる。チルドは、3月、4月は為替の影響に加え、北米産の相場高騰から、前年を下回ると見込まれる。フローズンは、3月は入船が遅れていたスペイン産がまとまって入ってくる事に加え、例年3月に行われる通関保留が行われなかったことから、前年を上回ると見込まれる。4月は為替の影響や現地相場高騰に加え、前述の通関保留が行われなかったことから、下回ると見込まれる。
令和6年3月:合計73.3千トン(前年比106.2%)、チルド32.5千トン(同90.3%)、フローズン40.8千トン(同123.5%)
令和6年4月:合計78.3千トン(前年比71.5%)、チルド32.4千トン(同97.3%)、フローズン45.9千トン(同60.2%)
直近3か月(2月~4月)平均:合計71.9千トン(前年比86.4%)、チルド32.7千トン(同97.9%)、フローズン39.2千トン(同78.7%)

需要

(1)家計
 総務省発表の2月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,883g(前年比104.9%)、支出金額が2,808円(同103.5%)となり、購入量、金額ともに前年を上回った。(※2019年度比:購入量 109.8%、金額 115.8%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の2月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,182.8億円(前年比104.0%、既存店ベース103.1%)と前年を上回った。価格が安定している豚肉や鶏肉に需要移行が続いているものの、全体的に前年に比べ相場に落ち着きが見られはじめ、うるう年の恩恵もあり販売は好調となった。豚肉は国産相場が安定し、小間切れやひき肉の普段使いの商材を中心に売上が回復。前年の鳥インフルエンザからの反動もあり、鶏肉も引き続き好調に推移した。牛肉は回復傾向がみられた店舗もあったが、全般的に伸び悩んだ。加工肉は引き続き動きが鈍い。
 日本チェーンストア協会が公表した2月販売概況によると、畜産品の売上は879.4億円(店舗調整後で前年比103.8%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったが、牛肉の動きは鈍かった。鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良かった。
 3月前半は、寒さから鍋物需要が好調となり需給が引き締まった。
 3月後半は、学校給食の終了や天候不順などから需要が低調となり需給が緩んだ。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の2月の豚肉加工品仕向量は24.9千トン(前年比96.6%)と、加工品の値上げによる販売不振は続き、前年を下回った。内訳は、国産原料4.9千トン(前年比98.7%)・輸入原料20.0千トン(同96.1%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは9.3千トン(前年比104.6%)と、前年を上回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(3月27日公表)によると、2月末の推定期末在庫量は187.1千トン(前年比89.5%、前月比96.4%)となり、前年を下回った。内訳は、輸入品;165.7千トン(前年比87.6%、前月比95.7%)と前年を下回り、国産品;21.4千トン(同107.7%、同102.9%)と前年を上回った。また、今後の期末在庫は、3月は183.2千トン(同87.3%)、4月は176.1千トン(同78.4%)と前年を下回って推移するものと見られる。

市況

(1)3月~4月
 3月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;3月31日時点)は、594円/kg(前年比95.8%)と前年を下回った。
 月前半は、2月後半に引き続き気温が低く推移したことから鍋物需要などが好調で需給が引き締まり高値で推移した。
 月後半は、気温が一定せず高い日や低い日が交互に来たことや学校給食の終了等から需要が低下したことで月末にかけて弱含みで推移した。
 4月は、国内肉豚出荷頭数が前年を上回る予想ではあるものの、気温の上昇により行楽需要が増加することや学校給食が再開することに加え、輸入豚肉の高騰や輸入量の減少などから、国産豚肉への需要が増加するため、強含みでの推移を見込む。

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