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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和7年6月)

豚肉

供給

(1)国産
 4月の全国豚と畜頭数は、1,376千頭と前年を下回った。(前年比97.7%)。地域別と畜頭数(数値は前年同月比):北海道97.3%、東北98.2%、関東98.5%、北陸甲信越98.5%、東海101.9%、近畿92.7%、中四国93.7%、九州・沖縄96.9%
 5月の全国と畜頭数は、1,306千頭(速報値5月31日まで集計、前年比96.0%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年より1日少なく、1日当たりの平均と畜頭数は65,315頭(前年実績:64,781頭/日、前年差534頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課:5月21日付け)によると、6月:1299千頭(前年比109%)、7月:1,303千頭(同99%)、8月:1,291千頭(同106%)、9月:1,293千頭(同101%)、10月:1,480千頭(同102%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約103%と前年を上回る見込み。
(2)輸入
 4月の輸入通関実績は、豚肉全体で94.0千トン(前年比95.1%、前月比142.4%)と前年を下回った。内訳は、チルドが35.9千トン(前年比106.4%、前月比107.2%)、フローズンは58.1千トン(同89.3%、同178.6%)となった。国別でみると、チルドではカナダ、メキシコが増加したものの米国が減少し、フローズンではブラジルが増加したが、ほとんどの主要国で減少した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド:カナダ20.5千トン(前年比118.5%)、米国11.4千トン(同90.9%)、メキシコ4.0千トン(同102.3%)
フローズン :スペイン16.7千トン(前年比95.0%)、ブラジル12.1千トン(同205.0%)、米国6.6千トン(同62.4%)、メキシコ6.1千トン(同71.8%)、カナダ5.4千トン(同81.7%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月28日公表)によると、5月の輸入量:90.9千トン(前年比96.6%)、6月の輸入量:87.5千トン(同107.2%)と見込まれる。チルドは、5月は前年同月並みとなる一方、6月はカナダ産の増加が見込まれること等から、前年同月を上回ると予測する。フローズンは、価格優位性のあるブラジル産の増加が引き続き見込まれる中、5月は北米産やデンマーク産の減少が見込まれること等から前年同月を下回ると予測し、6月は現地相場の軟化等を背景にスペイン産の増加が見込まれること等から上回ると予測する。3か月平均では、チルドは前年同月を上回り、フローズンは下回ると見込んでいる。
令和7年5月:合計90.9千トン(前年比96.6%)、チルド33.6千トン(同100.2%)、フローズン57.3千トン(同94.7%)
令和7年6月:合計87.5千トン(前年比107.2%)、チルド33.0千トン(同109.2%)、フローズン54.5千トン(同106.0%)
直近3か月(4月~6月)平均:合計91.3千トン(前年比99.7%)、チルド34.4千トン(同106.0%)、フローズン56.8千トン(同96.3%)

需要

(1)家計
 総務省発表の4月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,843g(前年比102.9%)、支出金額が2,891円(同107.3%)となり、購入量、支出金額はともに上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,228.5億円(前年比103.9%、既存店ベース102.2%)と前年を上回った。豚肉・鶏肉への需要シフトが続くものの前年比では改善傾向がみられた。牛肉は引き続き厳しい状況が続くが、価格が抑えられる切り落としや小間切れが堅調に推移し、豚肉は国産豚の価格上昇もあり、前年不振だった輸入豚が好調となった。鶏肉は、価格高騰傾向が見られ伸び悩んだ店舗もあった。加工品は味付け肉や冷凍加工品などが、値ごろ感と簡便性で需要が高まった。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は838.2億円(店舗調整後で前年比104.5%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉は鈍かった。鶏卵の動きは良かったが、ハム・ソーセージは鈍かった。
 上旬は、GW需要の反動から需要は伸び悩んだ。下旬は、肉豚出荷頭数の減少に伴い需給がひっ迫した。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の4月の豚肉加工品仕向量は30.4千トン(前年比99.4%)と、加工品の値上げによる販売不振は続くが、前年並みとなった。内訳は、国産原料6.1千トン(前年比102.6%)・輸入原料24.4千トン(同98.6%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは9.7千トン(前年比96.7%)と、前年を下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月28日公表)によると、4月末の推定期末在庫量は221.8千トン(前年比112.7%、前月比102.4%)となり、前年を上回った。内訳は、輸入品:197.3千トン(前年比113.3%、前月比102.7%)と前年を上回り、国産品:24.5千トン(同108.2%、同100.4%)も前年を上回った。また、今後の期末在庫は、5月は242.6千トン(同113.3%)、6月は257.7千トン(同118.2%)と前年を上回る見込みで推移するものと見られる。

市況

(1)5月~6月
 5月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:5月31日時点)は、659円/kg(前年比92.3%)と前年を下回った。GW中の豚枝肉相場は、横ばいで推移していたものの、GW明けから肉豚出荷頭数が徐々に減少したことから、需給がひっ迫し高値推移となった。下旬になると肉豚出荷頭数が約60,000頭/日付近の水準まで減少したことで、需給が更にひっ迫したため高騰し、月平均では前年を下回ったものの、前月は上回った。
 6月は、消費者の節約志向が継続することが想定されるものの、国内肉豚出荷予測が前年同月比109%(一昨年同月比98%)であり、例年と比べると供給量が少ないこと等から需給が引き締まり、強含みで推移すると見込まれる。

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