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食鳥情勢(令和3年7月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和3年6月下旬実施)によると5月の推計実績は処理羽数60,935千羽(前年比102.1%)・処理重量186千トン(同103.9%)となり、前月末時点での出荷計画に比べると羽数は1.1%下方修正も重量では1.3%増と上方修正された。6月の出荷計画は前月時点の計画より処理羽数で0.2%、処理重量で0.2%上方修正となり、7月以降もほぼ安定した出荷が続くと予測される。
 季節の変わり目で朝晩の気温も大きいこともあり、南九州産地・東北産地の一部でも大腸菌症の発生などもみられるが全体的な生育状況も大きく崩れることなく安定した生産状況が感じられる。7月以降のひな入数についても計画をやや上回る見込み。

生産動向表

輸入動向

 財務省6月29日公表の貿易統計によると2021年5月の鶏肉(原料肉)の輸入量は4万6,229トンで前年比28%増と、前年を大きく上回り、前月数量約5万tから約4,000t減少したが春先のブラジル等での船積み状況が悪かったことから依然、輸入量は高水準を維持している。世界的に新型コロナウィルス感染症の影響もあり、中国等での輸入買い付けの増加等の動きや先々のタイからの輸入見込みが不透明であることも重なり、国内での今後の動向を見据えた内食のさらなる需要の高まりを見込んでの輸入量の増加と推測される。
 鶏肉調整品についてはタイからの輸入量は23.4千トン(96.6%)、中国からの輸入量は12.0千トン(101%)となっており、ほぼ昨年並みの輸入量となっている。来月以降の輸入量については減少する見込みではあるが夏場シーズンに合わせたコンビニ向け鶏肉加工品の供給増やコロナ禍での国内における外食需要の回復はまだ時間がかかると考えられ、先々不透明である。また、先月同様にミャンマーの情勢不安からタイにおける鶏肉生産へ影響が出るのではないかとの声が聞かれている。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告によると、令和3年4月は、全国一世帯当たりの3畜種生鮮肉の消費(購入)数量4,337g(前年比86.4%)、金額6,214円(同88.7%)と、前月同様に前年を下回った。鶏肉は4月に入っても家計消費は堅調ではあるが数量1,556g(同86.2%)・金額1,384円(同87.9%)とも前年を下回った。また、加工品についても加工肉全般で金額1,517円(同94.2%)と前年を下回っている。梅雨に入り、量販店では鶏肉の特売も夏場商材のむね肉・ささみを中心にチラシ掲載が構成され、特売も徐々に見受けられるため、今後、消費が増加することを期待したい。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和3年5月の食品売上高は全店ベースで前年比97.7%と昨年度を下回った。一方で生鮮3部門の売上高も全店ベースで前年比95.8%、既存店ベースでも同94.8%と下回った。畜産部門の売上高は約1,208億円で全店ベース(同95.4%)、既存店ベース(同94.3%)とも前年を下回った。「前年は保存に優れた畜産品の需要が急増した反動が続いている。特に加工肉や挽肉で前年との反動が大きい。鶏肉・豚肉は国産相場が上昇しており、輸入品を拡大する動きもみられる。牛肉は国産牛、味付け肉の減少が大きく、ステーキ用や焼肉用は比較的動きがよく、バーベキュー需要が回復したことも要因かと推測される。ハムなどの加工肉も前年からの反動減が大きい」と報告された。また総菜部門の売上高は全店ベース(同109.2%)は前年を上回り、既存店ベース(同108%)でも上回った。「内食の急伸や通勤客の減少、バラ売りの中止の影響で伸び悩んだが回復傾向が続いている。中食ニーズも前月に続き好調であり、サラダ関連や自宅で調理しにくい商品群である寿司類や揚げ物類天ぷら類などが好調に推移した。焼鳥やつまみ類も引き続き堅調であり、GW、こどもの日等のオードブルも好調であった」と報告があった。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる令和3年4月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比98.9%の5,093トンとなった。うち国内物は同90.6%の3,976トンと下回り、輸入物は同146.3%の1,117トンと上回った。鶏肉加工品も一時的に減少はしたものの内食での需要は高い水準であるが家計消費は前月と比較しても減少傾向のため、国産原料(むね肉)の在庫も潤沢であり、中国等からの調整品輸入が減少していることを考えると国産物での製造量回復が期待できると思われる。輸入鶏肉の増加はサラダチキンやその他ハム関係が増加していると推測される。

在庫状況

 推計期末在庫は国産32.8千トン(前年比155.2%・前月差+1.1千トン)、輸入品129.4千トン(同87.3%・同▲0.4千トン)と合計で162.2千トン(同95.7%・同+0.8千トン)となった。昨年は緊急事態宣言の影響等もあり、国産品はチルド品の販売が好調であったこと、また、チルド品の不足により量販店向けで凍結品への代替えを行った影響もあり、在庫増の要因とも推測される。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(令和3年6月28日公表)では、出回り量は国産140.9千トン(前年比99%・前月差+4.6千トン)、輸入品47.3千トン(同146.3%・同▲4.4千トン)と合計で188.3千トン(同107.8%・同+0.4千トン)となった。6月末の推定在庫は159.5千トン(同93.4%)、出回り量は193.6千トン(同103.1%)と在庫については5月~7月頃は4月末在庫並みで推移が見込まれる。8月以降はタイ等からのむね肉が減少する見込みという話も聞かれるため、輸入在庫は減少傾向になると推測される。国産鶏肉在庫については量販店の販売も減少傾向であることから、各品目積み増しになるのではないかと推測される。

在庫状況表

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