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食鳥情勢(令和4年6月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和4年5月末実施)によると4月の推計実績は処理羽数62,296千羽(前年比100.5%)・処理重量188.0千トン(同100.0%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は0.4%下方修正し、処理重量は1.4%下方修正となっている。処理羽数は前年を僅かに上回っているものの、処理重量は前年と同数値であり、増体が良くなかったことが伺える。
 5月の処理羽数は前年を上回る見通しだが、処理重量が前年を下回る見通しとなってる。地区別で見ると関東・近畿・中国・四国地区で処理重量が前年を大幅に下回っており、大腸菌症による育成不良と高騰する飼料の使用を控えるため出荷日齢を早め増体を抑えていることが考えられる。6月についても処理羽数が前年を上回っているものの、処理重量は前年を下回る見通しとなっている。一部工場では海外技能実習生が戻りつつあると聞かれるが、完全に回復するのは当分先のようだ。加工品(手羽中二ツ割・砂肝スライス等)や副産品(小肉・ハラミ等)の調整が今後も見込まれる。

生産動向表

輸入動向

 財務省5月27日公表の貿易統計によると令和4年4月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から1.5千トン減の43.6千トンで、国別ではブラジルが▲1.2千トン、タイが▲0.3千トンとなっている。前年同月の実績に対しては6.6千トン減となった。ブラシル産のオファーが高騰していることにより輸入量を調整したことが原因と考えられる。農畜産業振興機構(ALIC)による今後の見通しでは、5月が46.2千トン(前年比99.9%)、6月が48.4千トン(前年比113.1%)となっている。4月実績より徐々に輸入量は増加しており、国内の外食・中食・総菜向け需要が強まってること等から買い付けが増加傾向にあるようだ。物流費・人件費・資材費等の世界的なコストの高騰等をきっかけに、外食・中食の一部では国産鶏肉へ切り替えたり、輸入鶏肉と国産鶏肉を併用する動きが見られ、今後も国内および海外市況を見ながら輸入量が変動することが予想される。他畜種についても輸入原料は高騰しており、畜肉全般において卸だけでなく消費者に近い量販店や専門店、外食での価格転嫁が加速するのではないだろうか。
 鶏肉調整品の輸入量は前月から3.7千トン減の44.1千トンで、国別では中国が+0.2千トン、タイが▲3.8千トンとなった。前年同月の実績に対しては1.7千トン減となった。輸出国における製造体制もある程度の水準まで回復していると考えられるが、前述の世界的なコストアップにより価格が高騰している影響で、前月・前年同月よりも数量は減少したと考えられる。ただし、国内の外食・中食・総菜向け等の引き合いは強いため今後の動向に注視したい。
 財務省が5月27日に公表した貿易統計によると4月の輸入鶏肉(解体品)の価格は前年同月より41.4%上昇し、鶏肉調整品は前年同月より13.5%上昇した。依然として、前述の世界的なコストアップや為替相場の円安により高値が続いているものの、ブラジル産の価格が260円/kg(前月比10円安)、タイ産が385円/kg(同32円高)となっており、ブラジル産については少し落ち着きを見せている。タイ産については1.5次加工やサイジング、検品強化を行ったムネ肉を中心に輸入されているが、EU圏がウクライナ産鶏肉の代替としてタイ産のムネ肉を集めているとの情報も聞かれるため、加工筋向けに国内へ輸入されるムネ肉については暫く高値が続きそうだ。国産鶏肉への影響に注視したい。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和4年4月の生鮮肉消費(購入)は数量4,278g(前年比98.6%)、金額6,092円(同98.0%)と、数量・金額共に前年を下回った。鶏肉は数量1,512g(同97.2%)・金額1,368円(同98.8%)・単価90.5円/100g(前年同月+0.6円)と、数量・金額は前年を下回ったものの、単価は上回る結果となった。調理食品が金額11,206円(同102.8%)、外食が11,392円(同119.3%)となっており、新型コロナウイルスによるまん延防止等重点措置が明けた影響もあり、中食・外食へ消費が一部シフトしたと考えられる。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和4年4月の食品売上高は全店ベースで前年比102.5%と前年を上回った。生鮮3部門の売上高は全店ベースで同102.5%、既存店ベースは同100.9%となった。また、畜産部門の売上高は約1,100.0億円で全店ベース同98.3%、既存店ベース同96.7%となった。「内食需要の落ち着きにより、全般的に買上点数が低迷した店舗が多かった。輸入肉の価格に上昇傾向が続いており、入荷も不安定とのコメントがみられた。牛肉は、アメリカ産牛肉で価格高騰が続き、販促も打ちにくい状況が続いている。比較的価格が安定している国産豚肉や、相場が落ち着きだした鶏肉は、比較的好調に推移した。ハムなどの加工肉は前年に好調だった反動もあり、伸び悩んだ店舗が多い。」と報告があった。今後は気温の上昇から焼き商材中心のフェースへ切り替わっていくことが予想される。また、輸入品価格高騰等から特売を打ちにくいという声も聞かれる。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和4年4月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比92.5%の4.7千トンとなった。うち国内品は同98.3%の3.9千トンと前年を下回り、輸入品についても同72.0%の0.8千トンと前年を下回った。

在庫状況

 (独)農畜産業振興機構の推計期末在庫では国産31.3千トン(前年比99.0%・前月差▲1.2千トン)、輸入品116.3千トン(同89.6%・同▲8.9千トン)と合計で147.6千トン(同91.5%・同▲10.1千トン)となった。
 (独)農畜産業振興機構が発表した鶏肉需給表(令和4年6月6日更新)では、4月の出回り量は国産142.2千トン(前年比103.8%・前月差▲2.7千トン)、輸入品52.4千トン(同94.6%・同+3.2千トン)と合計で194.6千トン(同101.2%・同+0.5千トン)となった。5月以降の国産在庫については、競合する輸入鶏肉の高騰等から消化が進んでいるようだ。5~6月の輸入鶏肉の入荷量は前述の農業畜産振興協議会(ALIC)予測でもあるように増加する見通しであることから、一時的に輸入品の在庫が増加する可能性はあるが、その後は国内の外食・中食・総菜向け等の引き合いが強いこと等から、輸入品在庫は減少していくと予想する。

在庫状況表

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