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食鳥情勢(令和3年10月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和3年9月下旬実施)によると8月の推計実績は処理羽数57,965千羽(前年比101.9%)・処理重量171.5千トン(同104.2%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は0.3%下方修正し、処理重量は1.0%上方修正となった。重量ベースでの増加が大きく、夏場の天候不良の影響で気温が上がり過ぎなかったことにより好調な増体を維持できたことが伺え、全体的に安定した生産状況となった。
 生産の見込みでは令和3年10月は処理羽数・処理重量ともに前年を下回る見通しで若干、減少する見通し。11月は処理羽数が前年同月比で102.7%、処理重量で101.8%と前年実績を上回る計画である。鶏肉需要も良くなってくる時期になるため、各産地の増体の向上に期待したい。国内の処理工場でもコロナ禍で技能実習生の入国ができず、人手不足の工場が多々あり、満足な商品供給ができていないなど、工場の安定稼働に苦慮している。

生産動向表

輸入動向

 財務省9月28日公表の貿易統計によると令和3年8月の鶏肉(原料肉)の輸入量は4万6,933トンで前年同月の実績を約16.4%上回った。直近の見通しについても主な輸入先のタイでコロナ禍による生産段階や処理場等でのクラスター発生により感染拡大が止まらず、製造ができていない工場もあるため、来月以降の輸入量に影響が出ることが予測される。特に加工品にも使用するもも切身は現在も不足となっており、日本国内ではブラジル正肉や一部では国産品を代替えとして使用するとの話も聞かれる。
 鶏肉調整品の輸入量は4万4,071トンで前年同月比132.6%と前年を大きく上回る結果となった。一部量販店では輸入冷凍唐揚げの販売休止など、すでに海外工場の停止による影響がでており、輸入原料を使用した加工品の不足が懸念される。今後も鶏肉調整品の輸入量も減少する見込みであり、輸入原料・国産原料を併用した加工品が多いため、国産鶏肉の拡大も期待される。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告によると、令和3年7月は、全国一世帯当たりの3畜種生鮮肉の消費(購入)数量4,298g(前年比98.7%)、金額6,097円(同96.5%)と、前月同様に前年を下回った。鶏肉も同様に前年を下回っており、7月は数量1,440g(同94.1%)・金額1,265円(同92.7%)で前年を下回った。また、加工品についても加工肉全般で金額1,625円(同96.0%)と前年を下回っている。外出の自粛等で弁当や冷凍調理食品を食べる人が増え、畜産消費の低迷は続いているが今後、鶏肉消費が増加することを期待したい。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和3年8月の食品売上高は全店ベースで前年比98.5%と前年を下回った。また、生鮮3部門の売上高は全店ベースで前年比96.7%、既存店ベースでも同95.7%と前年を下回った。青果・水産部門でも全店ベースでは前年を若干、下回ったが畜産部門の売上高は約1,248億円で全店ベース(同100.6%)、既存店ベース(同99.3%)と前年並みに推移した。「天候不良や在宅傾向の高止まりにより、バーベキュー用食材が不振となる一方で保存に優れた畜産品の需要は再び拡大傾向がみられた。牛肉は焼肉、ステーキ用が好調となったが和牛は前年より価格が高く伸び悩んだ。豚肉はしゃぶしゃぶ用が好調、鶏肉は相場が低下傾向にあり、前年並みに回復した店舗が多い。ハム・ソーセージなどの加工肉は前年好調の反動もみられた」と報告された。また総菜部門の売上高は全店ベース(同103.7%)、既存店ベース(同102.3%)ともに高水準を維持している。「外食店の時短営業による家飲み、自宅でのオリンピック・パラリンピックの観戦需要として焼鳥やつまみ類が引き続き堅調に推移。米飯類やベーカーリー寿司類や冷麺類、サラダなどの冷惣菜、揚げ物も好調に推移した。帰省客減少や催事中止により、地方ではお盆時期のオードブルが不振となった。バラ売り販売自粛の影響が緩和してきた」と報告があった。天候不良等により青果関係の需給逼迫があり、高騰が続いているが徐々に気温の低下もみられ、鍋シーズンとなってきている。青果関係は鍋のメイン商材でもあるため、価格が安定することを期待したい。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによる令和3年7月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比103.6%の4,991.8トンとなった。うち国内物は同94.7%の3,731.2トンと下回り、輸入物は同143.6%の1,260.6トンと上回った。前月同様に輸入原料を使用した加工品の製造量は多くなっており、先々の原料不足を見込んでの製造かと推測される。

在庫状況

 (独)農畜産業振興機構の推計期末在庫では国産34.9千トン(前年比124.6%・前月差+0.5千トン)、輸入品111.4千トン(同80.1%・同▲2.3千トン)と合計で146.3千トン(同87.6%・同▲2千トン)となった。9月以降の在庫についても輸入量の減少が見込まれるため、前年を下回ると推測される。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(令和3年9月28日公表)では、8月の出回り量は国産133.4千トン(前年比102.9%・前月差±0千トン)、輸入品46.9千トン(同112.2%・同▲4.9千トン)と合計で180.3千トン(同105.2%・同▲4.9千トン)となった。9月~10月頃の出回り量は前年並みと推測されているが、引き続き、タイ等からの正肉関係、加工品が減少する見込みで輸入在庫は減少傾向になると推測される。国産鶏肉在庫については少しずつもも肉の動きも良くなってきており、依然としてむね肉・ささみの加工原料やペット関係等の需要の高まりもあり、減少が見込まれる。

在庫状況表

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