相場情報
食鳥情勢(令和8年8月)
生産動向
生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和8年7月末時点まとめ)によると、6月の処理出荷推計実績は処理羽数が前年比100.9%、処理重量は同103.6%となった。現時点での7月の予測は処理羽数が前年比97.2%、処理重量が同98.1%の見通しとなった。8月は処理羽数が同97.4%、処理重量が同97.9%。また、9月は処理羽数、処理重量ともに前年比96.6%の予測。なお、R8年7月以降の数値は取りまとめ時点の予測値であり、気象条件や需給環境の変化によって大きく変動する可能性があるため、今後の動向を注視する必要がある。
輸入動向
財務省の貿易統計によると、令和8年6月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から+5千トンの55.9千トン、国別ではブラジルが前月▲0.2千トンの38.6千トン、タイが+5.4千トンの17.1千トンとなった。(独)農畜産業振興機構(ALIC)による今後の輸入量見通しでは、7月は56.1千トン(前年比116.3%)、8月は57.6千トン(同116.1%)とされ、2か月続けて大幅に増加する予測である。要因としては、「輸入量は、主要輸入先国のブラジルでの生産が依然として堅調であること等から、7月、8月ともに前年同月を大幅に上回ると予測する。なお、3カ月平均でも、前年同期をかなり大きく上回ると予測する。」とされている。
令和8年6月の鶏肉調整品の輸入量は前月から+10.0千トンの53.3千トン、国別では中国が+5.8千トンの23.7千トン、タイが+4.3千トンの28.4千トンとなった。
(株)食品産業新聞社発行の畜産日報によると、6月の輸入鶏肉(モモ肉)の価格はブラジル産で650円/kgから700円/kg(前年475円/kg)、タイ産が700円/kg中心(同500円/kg)となっている。要因としては「輸入現物の足元の商いは静かな状況となっている、ただ、唱え値はブラジルの輸入回復に伴い200g UPを中心に下げ基調にある。タイ産は依然として生産遅れの影響で入荷が少ないものの、ブラジル産に連動する形で下落している。」と報告されている。
消費動向
家計
総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和8年6月の生鮮肉消費(購入)は数量4,004g(前年比98.9%)、金額6,983円(同106.6%)と、数量は前年を下回ったものの、金額は前年を上回った。鶏肉は数量1,499g(同102.8%)・金額1,724円(同109.7%)・単価115.04円/100g(前年同月差+7.2円)と数量・金額・単価ともに前年を上回った。牛肉は数量が前年を下回った一方、金額は前年を上回った。豚肉は数量・金額ともに前年を上回った。
量販
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の販売統計調査によると、令和8年6月の食品売上高は全店ベースで前年比101.2%と前年を上回り、生鮮3部門の売上高は全店ベースで同103.9%、既存店ベースは同102.6%。畜産部門の売上高は約1,342億円で全店ベース同104.7%、既存店ベース同103.2%となった。また同社が取りまとめたスーパーマーケット景気動向調査によると、「相場高や原料高の影響が続くなか、鶏肉、挽肉、豚肉の一部商品など比較的値ごろ感のある商品に堅調な動きがみられた。豚肉では輸入豚肉や切落し、薄切り、挽肉など価格訴求しやすい商品が比較的堅調であった一方、国産豚では高値感や販売点数の減少もみられた。鶏肉や挽肉も売上を下支えしたが、相場高は続いており、利益面では厳しさが続く。牛肉は輸入牛や高単価商品などに伸び悩みがみられた一方、国産牛や和牛、焼肉用では父の日需要などにより伸長したという店舗もあった。加工肉はハム、ベーコン、ソーセージ類を中心に販売点数の減少がみられた一方、肉惣菜や半調理品には堅調な動きもみられた。」と報告されている。
加工筋
日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和8年6月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比100.8%の4.7千トンとなった。うち国内品は同100.5%の3.7千トン、輸入品については同102.0%の1.0千トンと輸入品・国内品ともに前年を上回る結果となった。
在庫状況
(独)農畜産業振興機構(ALIC)の6月末時点推定期末在庫では国産品35.2千トン(前年比118.2%)、輸入品126.3千トン(同98.1%)、合計で161.5千トン(同101.9%)となった。
(独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表では、6月の出回り量は国産品146.3千トン(前年比105.7%)、輸入品51.8千トン(同101.7%)、合計198.1千トン(同104.6%)となり、前年からは国産品・輸入品ともに増加した。今後6月以降の見通しは、「出回り量は、7月は前年同月並みの一方、8月は前年同月をわずかに上回ると予測する。期末在庫は、7月はかなりの程度、8月はかなり大きく、いずれも前年同月を上回ると予測する。なお、過去5カ年の同月平均との比較でも、7月はかなりの程度、8月はかなり大きく、いずれも前年同期を上回る(7月:7.5%増、8月:11.7%増)と予測する。」とされている。
鶏卵情勢(令和8年8月)
生産動向
7月は梅雨明けが例年よりも遅く、格外率の高まりから格外卵のスポット出荷が散見され、梅雨が明けると西日本を中心に顕著な気温の高まりがみられ、月末にかけて個卵重の低下がみられた。
7月中下旬の西日本平均気温は、統計を開始した1946年以降で最も高くなった。8月についても、気温が高くなることが気象庁から発信されていることから、引き続き大玉不足や産卵率の低下が懸念される。また、昨年12月から6ヶ月連続で全国計の餌付け羽数が前年を下回っていることも、今後の生産量に影響がでてくることが推測される。
消費動向
家計消費
6月上旬から本格的な梅雨となったことで消費減退の動きになったと推測され、梅雨明け以降についても気温の上昇から鶏卵にとって不需要期に入ることから消費減退は加速するものと思われる。
業務・加工動向
6月の外食全体の売上高は前年同月比103.3%と引き続き前年同月を上回った。台風の影響や、土日が少ない曜日回りもあり、客数は失速したが客単価上昇と店舗増に支えられる結果となった。一部のファストフード業態ではサッカーW杯がデリバリー需要に結びつき、売り上げ増が見られた。
6月の訪日外客数は3148.6千人(前年同月比93.2%)と3ヶ月連続で前年同月比を下回り、上半期累計では21,085千人(前年比98.0%)と同じく前年を下回る結果となった。地域別で見ると台湾、韓国、米国、インドからの訪日客数が6月として過去最高を記録した。
輸入・輸出動向
6月の鶏卵類輸入通関実績は2,611トン(前年同月比95.2%)と前年を下回った。殻付卵は引き続き187トン(前年同月比31.6%)と低位になり、国内の割卵在庫についても引き続き高位で推移したことがうかがえる。
同月の殻付き卵輸出実績は1,982トン(前年同月比104.5%)と昨年を上回った。引き続き堅調に推移しており、需要は高位安定している。
価格動向
今後については、生産面では猛暑の継続により、産卵率や卵重のさらなる低下、格外率の上昇が見込まれ、大玉を中心に製品供給量の減少が予想される。需要面では、夏休みの終了に伴い学校給食が再開される。また、秋口の季節需要として、外食筋では大手ファストフードチェーンを中心に、秋の月見商戦が本格化し殻付き卵に加え、加工品需要も徐々に増加すると見込まれる。
以上より、今後の鶏卵相場は上伸またはサイズ間調整で推移する見通しである。
その他
(1)鶏卵生産者経営安定対策事業加入者の販売実績数量
(2)鶏卵基金標準取引価格と補填単価