文字サイズ
標準
拡大

食鳥情勢(令和5年1月)

生産動向

 生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和4年11月末実施)によると、11月の推計実績は処理羽数61,593千羽(前年比97.8%)、処理重量189.4千トン(同98.2%)となった。前月時点の計画値より処理羽数は2.0%下方修正され、処理重量は前月時点の計画値を0.1%下方修正された。気温が下がったことで大腸菌症が発生した農場もあったとのこと。生産状況は概ね順調であり、処理羽数に比べて処理重量の前年同月比が高いことから増体も良かったことが伺える。
 12月の処理羽数はほぼ前年並み、処理重量はわずかに下回る見通しとなっている。地区別で見ると処理羽数は北海道・東北地区のみ前年を下回る見通しであり、処理重量は中部地区以外は前年を下回る見通しである。今期は鳥インフルエンザの感染が爆発的に広がっており、肉養鶏農場での発生もすでに昨季を上回る10例、殺処分数も約90万羽となった。(1月11日時点 )今後も発生が続く恐れがあり生産への影響が懸念される。また、工場の人員不足は引き続き厳しい状況が続いており、加工品(切り身・手羽中二ツ割・砂肝スライス等)や副産品(小肉・ハラミ等)の調整は続くと思われる。

生産動向表

輸入動向

 財務省12月27日公表の貿易統計によると令和4年11月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から▲4.1千トンの49.8千トンで、国別ではブラジルが▲4.4千トン、タイで+0.3千トンとなっている。前年同月の実績に対しては▲8.0千トンとなった。タイの輸入量が回復したものの、ブラジル産は減少となり、米国産は鳥インフルエンザの影響もあり減少となった。(独)農畜産業振興機構(ALIC)による今後の見通しでは、12月が51.6千トン(前年比85.0%)、1月が44.5千トン(前年比82.7%)となっている。12月は前月に比べ増加が予想される。ブラジル産は現地オファーに下げ止まり感があり今後価格の上昇が予想されるが、為替の影響により変化してくることが考えられる。タイ産は製造の回復により今後も増産が予想される。国内市場はブラジル産が在庫消化等で下げ基調の価格であったが、国産モモ肉の不足に対する代替え需要等により今後上昇が予想される。タイ産においては増量の影響により国内産むね肉価格への影響が予想される。今後の動向に注視したい。
 鶏肉調整品の輸入量は前月から▲1.0千トンの43.1千トンで、国別では中国が+0.5千トン、タイが▲1.5千トンとなった。前年同月の実績に対しては▲0.7千トンとなり、前月比・前年比ともに下回る結果となった。タイの生産は回復したが11月実績は減少となった。1月~11月累計では前年比112.1%となっている。価格については為替の影響で、現状は前年より上昇している。外食については回復傾向だが、夜間帯や法人での利用は減っている状況である。中食・総菜向け等の引き合いは継続している状況である。今後の動向に注視したい。
 財務省が12月27日に公表した貿易統計によると11月の輸入鶏肉(解体品)の価格は前年同月より73.9%上昇し、鶏肉調整品は前年同月より112.9%上昇した。生産コストの増加や為替相場の影響により高値が継続している。国別ではブラジル産の価格が422円/kg(前月比2円安)、タイ産が485円/kg(同13円安)となっている(国別平均価格)。ブラジル産はコスト高や為替相場の影響により、高値で推移しているなか市場価格は下がってきていたが、国内での鳥インフルエンザの影響などにより一部国産からの代替え需要があり価格が上昇傾向になるとの話が聞こえている。タイ産については製造量が増加し、市場価格も下げ基調となってきている。今後の国産鶏肉への影響に注視したい。

輸入動向表

消費動向

家計

 総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和4年11月の生鮮肉消費(購入)は数量4,086g(前年比97.7%)、金額6,504円(同103.8%)と、数量は前年を下回り、金額は前年を上回った。鶏肉は数量1,495g(同97.3%)・金額1,505円(同105.3%)・単価100.7円/100g(前年同月+7.7円)と、数量は前年を下回り、金額・単価は前年を上回る結果となった。調理食品が金額12,011円(同104.4%)、外食が13,259円(同106.9%)となっている。長期化する生活全般に及ぶ物価上昇の中、節約志向が働き、加えて相場高騰による店頭売価の値上げもあり、購入数量が抑えられたと考えられる。外食においては、新型コロナ第8波の中ではあるが、行動制限もなく、全国旅行支援や飲食店支援策も実施され、加えて入国規制緩和による外国人旅行客によるインバウンドもあり、回復基調にあると考えられる。

量販

 食品関連スーパー3団体の販売統計速報によると、令和4年11月の食品売上高は全店ベースで前年比103.7%と前年を上回った。生鮮3部門の売上高は全店ベースで同102.6%、既存店ベースは同101.2%となった。また、畜産部門の売上高は約1,177.7億円で全店ベース同104.0%、既存店ベース同102.6%となった。一般社団法人全国スーパーマーケット協会によると、相次ぐ値上げにより、買い上げ点数は減少傾向であるが、一品単価の上昇により、売上高は確保できているとのこと。行動制限のない日常生活が、家庭内食事需要の低迷が心配されていたが、物価の高騰が長期化するなかで、節約志向として外食を控え、自宅等で食事する行動が高まっているのではないかとのこと。畜産部門においては、相場の高騰が続き、買上点数の伸び悩みは続いているが、豚肉や鶏団子など鍋物用の商材の動きがよかったとのこと。加工肉も価格が高騰しているが、一部に回復傾向がみられたとのこと。牛肉は国産、輸入ともに動きが良くないが、豚肉は小間切れやミンチなどが好調、鶏肉は鳥インフルエンザの影響を受け調達に苦心し伸び悩んだとのこと。

量販表

加工筋

 日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和4年11月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比101.6%の4.8千トンとなった。うち国内品は同108.3%の4.0千トンと前年を上回り、輸入品については同76.2%の0.7千トンと前年を下回った。

在庫状況

 (独)農畜産業振興機構(ALIC)の推計期末在庫では国産23.4千トン(前年比69.7%・前月差▲1.8千トン)、輸入品129.9千トン(同113.3%・同+2.4千トン)と合計で153.3千トン(同103.4%・同+0.6千トン)となった。
 (独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表(令和4年12月26日更新)では、11月の出回り量は国産145.9千トン(前年比98.7%・前月差+0.7千トン)、輸入品47.4千トン(同92.3%・同▲0.3千トン)と合計で193.2千トン(同97.0%・同+0.4千トン)となった。12月以降の国産在庫については、品薄状況は続いていて、年末年始用凍結品の消化もあり、引き続き在庫は減少していくと予測する。輸入鶏肉については前述の(独)農畜産業振興機構(ALIC)予測でもあるように、12月・1月の出回り量は前年同月を下回ると予測されているものの、入荷量は前年同期の在庫数量が低水準であったことでブラジル産の輸入量が多かったこと等から前年を大きく下回る見通しであることから期末在庫は12月・1月とも前年を下回ると予測する。

在庫状況表

ページトップ