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鶏卵情勢(令和3年4月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年2月の全国の餌付け羽数は8,353千羽(前年比104.5%)と、一転して前年を上回る形となった。東日本では関東地方で前年比108.9%と唯一伸長が見られたものの全体では前年比93.9%と前年を下回った。
 西日本では前年比117.5%と、東海・中国地方を中心に大きく伸長が見られたものの、累計では前年とほぼ横ばいの推移となっており、今後の東西の餌付け動向に注視が必要である。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 生産面では約890万羽の採卵鶏が淘汰対象となった前代未聞の鳥インフルエンザの影響により、前月同様不足感が強い状況となっている。また家庭内消費の拡大や加工筋の強い引き合いもあり産地在庫は引き続き低位である。
 今後について、需要面は加工筋の引き合いや、量販筋の巣ごもり需要が堅調に見られることが予測される。対して生産面についても引き続き不足感が続くことで、産地在庫も低水準で推移する見込みである。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料原料相場が高騰しており、配合飼料価格に注視する必要がある。

飼料
とうもろこしのシカゴ相場5月限は、3月31日現在564セント/buでの取引となった。
中国による大量成約・生産量の減少に加え、南米天候不安により収穫が遅れていることを受け高騰。
原油
先物相場5月限については、4月6日現在59.16ドル/バレルとなった。
海上運賃
2月の海上運賃は約52ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、4月6日110円28銭/ドルでの取引となった。

消費動向

家計消費

 令和3年2月の鶏卵の一人当り家計消費量は920g(前年同月比99.4%)となった。前年のコロナ感染流行当初とほぼ横ばいの結果だが、前年がうるう年であることを加味して考えると緊急事態宣言下の家庭内需要の高まりは堅調に推移していると見られる。
 その他の品目を見ると、外食への支出金額が前年同月比68.6%、また教養娯楽費に含まれる旅行への支出金額が前年同月比28.5%となり、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要拡大を裏付ける結果となった。
 今後について、緊急事態宣言解除後も感染者の水準は宣言前と変わらず横ばいであり、外出自粛の動きは当面継続するとなれば、巣ごもりによる家庭内消費は高い水準で推移すると予測される。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年2月の外食全体の売上は前年比77.7%となった。1月に発令された緊急事態宣言と延長により時短営業が続いたことが大きな要因と思われる。業態別では、パブ・居酒屋業態が売上前年比29.3%となっており緊急事態宣言による影響を最も強く受けている。唯一、ファーストフード業態の「洋風」がドライブスルー、デリバリーで堅調な推移で売上前年比101.5%と善戦したが、他部門での集客が振るわず苦戦を強いられる結果となった。
 加工筋は新型コロナのリバウンド対策により、行楽需要における期待感は薄く、引き続き時短営業による制限もあり荷動きは鈍いものの、鳥インフルエンザによる生産減少で在庫は不足に転じていることから引き合いは非常に強い。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年2月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、7,965億円(前年比94.7%)と12カ月連続で引き続き前年を下回ることとなった。緊急事態宣言の延長による外出自粛の動きから、来客数が低迷している結果となった。一方で生鮮品・惣菜・冷凍食品・酒類のは好調に推移し(前年比108.0%)、客単価(既存店ベース)は17カ月連続のプラスとなっている。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年2月の売上高(既存店ベース)は、9,577億円(前年比97.9%)となり5カ月ぶりに前年実績を下回った。前年がうるう年であった影響も考えられるが在宅勤務・外出自粛の中、食料品類は堅調に推移している。しかし、衣料品類の売上高は475億円(前年比88.5%)と苦しい展開が続いている。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年1月の売上高は前年比103.0%となり、4カ月連続で前年越えとなった。日常消耗品(前年比111.1%)の他、食品(前年比110.9%)も好調に推移。
小売動向表

価格動向

 令和3年3月の東京相場の月間平均は、Mサイズ220円(前年比+23円)となった。
 3月、生産面では鳥インフルエンザによる淘汰影響を受け、産地在庫は著しくタイトな状況が続いた。一方で需要面では巣ごもり需要の拡大や大手外食チェーンのプロモーションを受け、3月単月で+20円の相場上伸となり、3月末時点で東京相場М基準値230円(前年比+28円)にまで上昇した。
 今後の情勢について、生産面は引き続き鳥インフルエンザの影響で、低位な産地在庫の推移が予測される。一方で需要面は、本来なら新年度の季節需要・行楽需要が見込めるタイミングであるものの、新型コロナのリバウンド対策により、巣ごもり需要が続くことから考えられる。また加工筋についても在庫の減少から購買意欲も非常に強い状況である。以上のことから、新型コロナによる需要への影響は注視が必要だが、産地在庫は引き続き低位と推定され、相場動向は強含みの展開が予想される。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年2月の鶏卵類輸入通関実績は1,720トン(前年比83.7%)となった。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

 令和3年2月の殻付卵輸出実績は1,533トン(前年比147.7%)と42ヶ月連続で前年を上回った。
 また昨年11月から4月6日までに鳥インフルエンザが発生した18道府県のうち、防疫措置完了から3カ月経過した県(香川・岐阜・福岡・兵庫・奈良・大分・和歌山・滋賀・広島・岡山)より、輸出向け再開が可能となっている。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 1都3県の緊急事態宣言は3月21日をもって解除されたものの、感染者数の大幅な削減には至らず飲食店への時短要請は一部継続している。また感染者リバウンドが警戒されており、外出自粛の動きは継続される見込み。
  2. 日本政府観光局によると、2月の訪日外国人客数は前年同月比99.3%減の7,400人となり、17ヶ月連続で前年同月を下回った。新規入国の一時停止措置が続き、訪日客数の低迷が続いている。
  3. 政府は4月1日より新型コロナウイルス対策として、緊急事態宣言に準ずる「まん延防止等重点措置」の対応を決定。対象は大阪・兵庫・宮城の3府県。3月1日の緊急事態宣言解除後、時短営業が午後9時までに緩和された矢先に、再び制限となることで外食筋の回復が遠のくことが予測される。
高病原性鳥インフルエンザについて
国内養鶏場での発生状況
4月1日時点で18県52事例の発生状況。
農林水産省の発表によると、約992万羽が淘汰対象となっている。
(採卵鶏827.45万、育雛68.4万、肉用鶏89.2万、その他(あひるなど)7.18万)
トピックス
  1. 4月1日より、商品・サービスの表示が原則として消費税込みの総額表示に統一される。消費者にとって総額表示は分かりやすい形となる一方で、税別表記に慣れた消費者には、今回の変更は値上がりと誤解される可能性もあり、消費への影響について注視が必要である。

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