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相場情報

東京食肉市、大阪市食肉市場の発表する牛枝肉相場情報を掲載しています。
※各社の相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和7年2月)

牛肉

供給

(1)国産

 12月の成牛と畜頭数は、100.3千頭(前年比102.9%)と前年を上回った。内訳を見ると、和牛:51.8千頭(前年比108.2%)、交雑牛:25.0千頭(同98.5%)、乳牛去勢:9.8千頭(同93.3%)となった。
 1月の成牛と畜頭数は、速報値(1月31日まで集計)で84.0千頭(前年比98.7%)と前年を下回る見込みとなった。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(1月29日公表)によると、1月、2月の出荷頭数は、交雑種が増加するものの、和牛および乳用種の減少が見込まれることから前年同月を下回ると予測する。(1月82.6千頭(前年比96.5%)、2月78.4千頭(同93.0%))3か月平均(12月~2月)では、出荷頭数88.9千頭(前年比99.7%)、生産量28.5千トン(同99.8%)と前年並みの予測となっている。

(2)輸入

 12月の輸入通関実績は、全体で39.2千トンと前年を上回った(前年比108.6%、前月比113.3%)。内訳ではチルド:16.0千トン(前年比106.4%、前月比117.2%)、フローズン:23.2千トン(前年比110.2%、前月比110.8%)となった。輸入相手国別では、チルドは豪州、ニュージランド、カナダが増加し、フローズンは、豪州、米国、メキシコが増加した。
(参考:形態別相手国別輸入数量)
チルド:豪州8.3千トン(前年比119.2%)、米国6.4千トン(同93.5%)、ニュージーランド0.7千トン(同101.4%)、カナダ0.5千トン(同159.9%)、メキシコ0.2千トン(同84.5%)
フローズン:豪州10.5千トン(前年比116.7%)、米国8.5千トン(同106.4%)、カナダ1.7千トン(同94.8%)、ニュージーランド0.9千トン(同70.5%)、メキシコ0.9千トン(同164.0%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、チルドは、国内需要の低迷により低調に推移する中、1月は豪州および米国からの輸入量の減少が見込まれること等から、前年同月を下回ると予測し、2月は、低調に推移するも、前年同月の輸入量が少なかったこと等から上回ると予測する。フローズンについても輸入品在庫量が高水準であること等により低調に推移する中、1月はほとんどの輸入先からの減少が見込まれることから下回ると予測する。2月は、低調に推移するも、前年同月の輸入量が少なったこと等から上回ると予測する。3か月平均でも、チルドは上回り、フローズンは下回ると見込んでいる。
令和7年1月合計:34.7千トン(前年比80.2%)、チルド:14.5千トン(同85.5%)、フローズン:20.2千トン(同76.9%)
令和7年2月合計:32.7千トン(前年比105.4%)、チルド:14.1千トン(同112.8%)、フローズン:18.6千トン(同100.6%)
直近3か月(12月~2月)平均 合計:35.4千トン(前年比96.1%)、チルド:15.0千トン(同101.4%)、フローズン:20.3千トン(同92.7%)

需要

(1)家計
 総務省発表の12月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は620g(前年比94.8%)、支出金額が3,090円(同102.1%)となり、購入量は前年同月を下回ったが、支出金額は前年同月上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の12月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,522.8億円(前年比103.1%、既存店ベース102.0%)と前年上回った。牛肉や輸入肉の相場高が継続する中、豚肉や鶏肉を中心に好調となった。牛肉は、年末にブランド牛で動きが見られたが、切り落とし等が販売の中心で、ステーキや焼肉関連は不振。スライスやしゃぶしゃぶ用の国産豚肉は回復傾向がみられたが、鍋関連は水産物へのシフトもあった。鶏肉は、鳥インフルエンザの動向を懸念する声が聞かれた。加工品は高値傾向で不振が継続。
 日本チェーンストア協会が公表した12月販売概況によると、畜産品の売上は1,064.5億円(店舗調整後で前年比103.4%)となり、前年を上回った。牛肉、豚肉、鶏肉の動きは良かったが、鶏卵、ハム・ソーセージは鈍かった。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査12月度結果報告によると、雨天少なく天候に恵まれたうえ、年末年始が例年より長い連休で、年末帰省などの国内移動や単月で過去最高となった訪日外国人客により外食需要は好調だった。
業態別:
①ファーストフード 前年比106.5% クリスマス商品の訴求により需要が堅調。高価格および期間限定や意外性のあるメニューが好調で客単価を押し上げ、売上増。
②ファミリーレストラン 前年比107.8% 全般的に帰省などによる年末需要は旺盛だった。焼き肉は、土日が少ない曜日周りが影響し、売上が伸びず。
③ディナーレストラン 前年比104.6% インフルエンザの流行や人手不足がマイナス要因となったが、引き続きインバウンド需要が好調、帰省等による年末需要も堅調。
④居酒屋 前年比100.8% 忘年会の事前予約が好調、仕事納めが27日となった曜日周りによりオフィス立地の店舗は集客が伸びず、売上はほぼ横ばい。
(4)輸出
 12月の輸出実績は1,766.8トン(前年比194.3%)と前年を上回った。台湾向け(256.1トン、前年比118.4%)、香港向け(152.2トン、前年比105.0%)、米国向け(761.5トン、前年比531.8%)は前年を上回った。また、カンボジア向け(185.0トン、前年比184.8%)は前年を上回ったが、不安定な状況が続いている。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、12月末の推定期末在庫量は140.5千トン(前年比108.2%、前月比95.1%)と前年を上回った。内訳は、輸入品:129.8千トン(前年比110.7%、前月比94.9%)と前年を上回り、国産品:10.7千トン(同84.7%、同98.2%)と前年を下回った。なお、今後の期末在庫の推移は、1月末:139.1千トン(同103.9%)、2月末:135.3千トン(同104.8%)と1月、2月ともに前年を上回ると見込まれている。

市況

(1)1月~2月
 1月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:1月31日時点)は、和牛去勢A5が2,498円(前年比96.3%)、A4が2,234円(同96.5%)、交雑去勢B3が1,523円(同100.5%)、乳牛去勢B2が1,072円(同123.8%)であった。
 1月は、年末年始需要の反動やガソリン補助金の減額に加え、全国的な食品価格の値上げ等から消費者の節約志向が一層高まり、全品種で前月を下回った。一方で節約志向は継続しているものの、交雑は和牛代替、乳牛去勢は輸入牛肉代替需要が続いており、前年を上回って推移した。
 2月は、量販店の決算セールや祝日が2回あるため消費喚起に期待ができるものの、消費者の節約志向や野菜高騰による鍋需要の減退などから、牛肉需給は緩むことが想定されるため、全品種とも弱含みでの推移を見込む。

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