相場情報
食鳥情勢(令和8年1月)
生産動向
生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和7年12月末実施)によると、11月の推計実績は処理羽数60,936千羽(前年比97.7%)で、前月時点の計画値から0.8%下方修正された。処理重量188.6.千トン(同99.4%)と、前月時点の計画値から2.1%上方修正されている。産地からは、気温が下がったことで鶏の食欲が戻り、育成が順調であるという報告が多かった。増体が回復したことで処理重量が前月時点の予測を上回る見通しとなったようだ。全体的に成績良好という報告が多い一方で、大腸菌症の発生やエンテロコッカスセコラムによる脚弱等、冬場に多い疾患の発生も各地から報告があった。そのため処理重量と比較して処理羽数の減少が多かったようだ。12月は処理羽数が前年同月比98.7%、処理重量は同98.3%の見通し。また、令和8年1月は処理羽数が前年同月比100.6%、処理重量は100.7%の見込みとなっている。2月は処理羽数が前年同月比0.7%、処理重量は1.2%それぞれ減少の予測となっている。工場の人員については引き続き不足が課題となっている中、副産品(小肉・剣状軟骨など)・手羽中半割等の1.5次加工品は機械を導入し製造している産地が引き続き見られ、今後他産地にも広がっていくと予想される。
輸入動向
財務省の貿易統計によると、令和7年11月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から▲14千トンの43.1千トン、国別ではブラジルが前月▲13千トンの27.8千トン、タイが▲1.3千トンの14.3千トンとなった。(独)農畜産業振興機構(ALIC)によると今後の見通しは、輸入量は12月は47.3千トン(前年比94.7%)、1月は47.9千トン(同91.5%)と12月・1月ともに減少する予測である。要因としては「輸入量は、主要輸入先であるブラジルやタイにおいて、労働者不足等により生産量が減少した影響を受けて、12月はやや、1月はかなりの程度、いずれも前年同月を下回ると予測する。なお、3カ月平均でも、前年同期をかなりの程度下回ると予測する。」とされている。
令和7年11月の鶏肉調整品の輸入量は前月から▲1.7千トンの47.3千トン、国別では中国が+1.5千トンの19.7千トン、タイが▲3.5千トンの26.4千トンとなった。
(株)食品産業新聞社発行の畜産日報によると、11月の輸入鶏肉(モモ肉)の価格はブラジル産で530円/kgから550円/kg(前年390円/kg)、タイ産が520円/kg中心(同450円/kg)となっている。要因としては「輸入品の市中現物は依然としてひっ迫が強く、ブラジル産、タイ産ともにジリ高傾向に。外貨高と円安でこの先の調達もある程度絞られるとみられ、締まった展開が続きそう。」と報告されている。
消費動向
家計
総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和7年11月の生鮮肉消費(購入)は数量4,471g(前年比104.5%)、金額7,245円(同108.9%)と、数量・金額ともに前年を上回った。鶏肉は数量1,630g(同102.8%)・金額1,789円(同109.8%)・単価109.8円/100g(前年同月差+7.1円)と数量・金額・単価ともに前年を上回った。牛肉と豚肉も数量・金額ともに前年を上回った。
量販
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の販売統計調査によると、令和7年11月の食品売上高は全店ベースで前年比105.2%と前年を上回り、生鮮3部門の売上高は全店ベースで同103.9%、既存店ベースは同102.8%。畜産部門の売上高は約1,316億円で全店ベース同106.0%、既存店ベース同104.8%となった。また同社が取りまとめたスーパーマーケット景気動向調査によると、「全般的な相場高傾向が続き、一品単価が上昇、好調となった。牛肉は低調だが、豚肉・鶏肉など値ごろ商品への需要シフトが継続している。気温低下により、しゃぶしゃぶ用など鍋関連の需要も高まり、全体を牽引した。国産豚が相場高傾向にあるなか、輸入品、スライスや切り落としなどが好調に推移した。牛肉は高止まり傾向が続き、輸入牛は不振も、国産にはやや回復傾向もみられた。鶏肉は鳥インフルエンザの影響で価格高騰が続くなかでも堅調に推移した。加工肉は不調とする店舗が多かった。」と報告されている。
加工筋
日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和7年11月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比97.2%の4.7千トンとなった。うち国内品は同89.6%の3.5千トン、輸入品については同130.1%の1.2千トンと輸入品は前年を上回ったものの、国内品は前年を下回る結果となった。
在庫状況
(独)農畜産業振興機構(ALIC)の11月末時点推定期末在庫では国産品35.2千トン(前年比114.4%)、輸入品121.6千トン(同87.3%)、合計で156.8千トン(同92.2%)となった。
(独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表では、11月の出回り量は国産品142.2千トン(前年比97.6.%)、輸入品51.3千トン(同95.5%)、合計193.5千トン(同97.0%)となり、前月からは国産品・輸入品の出回り量が減少した。11月以降、「出回り量は、12月、1月ともに前年同月をわずかに上回ると予測する。期末在庫は、12月はかなりの程度、1月はかなり大きく、いずれも前年同月を下回ると予測する。なお、過去5ヶ年の同月平均との比較でも、12月はやや、1月はかなりの程度、いずれも下回る(12月:3.7%減、1月:10.7%減)と予測する。」とされている。
鶏卵情勢(令和8年1月)
生産動向
12月は需要期に向けた生産ローテーションにより増加傾向であったが、12月中旬以降、全国的に発生した高病原性鳥インフルエンザの影響により供給量は低位となった。高病原性鳥インフルエンザの発生状況として、1月14日時点で1道1府9県16事例発生し、約410万羽(うち採卵鶏は約397.5万羽)が殺処分となっている。例年1月が発生のトップシーズンであり、昨年同月で過去最多となる月間34事例発生648万羽殺処分となったため、より一層警戒が必要である。
消費動向
家計消費
業務・加工動向
11月の外食全体の売上高は前年同月比108.7%と引き続き好調となった。土日祝日数の多い曜日回りであり、インバウンド需要では中国からの団体客の予約キャンセルが見られたものの、ファーストフード業態やファミリーレストラン業態の新メニューとお得な期間限定メニューが好調にはたらき、全体の売上を押し上げる結果となった。
11月の訪日外客数は3,518千人(前年同月比110.4%)となった。紅葉シーズンによる欧米豪・中東を中心に多くの観光客が訪れた。米国からの訪日客数は初めて累計300万人突破し、中国、韓国、台湾に次ぎ4市場目となる大きな市場となった。
輸入・輸出動向
2025年11月の鶏卵類輸入通関実績は3,334トン(前年同月比170.6%)と前年を上回った。国内供給量が不安定であることから引き続きブラジル、マレーシアからの殻付き卵が大幅に増えている。
同月の殻付き卵輸出実績は、2,001トン(前年同月100.6%)と前年並みで推移した。グアム向けが11トン(前年比438.9%)と大きく増えている。一方、全国的に高病原性インフルエンザが発生しているため輸出動向に注視が必要である。
価格動向
今後について、年末に発生した高病原性鳥インフルエンザによる生産減の影響は、1月以降顕著に表れると考えられる。需要面において、年末の需要減は年始まで継続し、初市が売価に適用される段階で増加傾向に転ずると予想される。外食筋では、新年会需要により発注数量の増加が見込まれる。加工筋では、滞貨玉の吸収により在庫は一定程度回復するものの、引き合いは強いまま推移すると考えられる。
以上のことから、今後の鶏卵相場は強含みとなることが予想される。
その他
(1)鶏卵生産者経営安定対策事業加入者の販売実績数量
(2)鶏卵基金標準取引価格と補填単価
(3)2025年度鳥インフルエンザ発生状況について
1月13日時点で1道1府7県、13事例の発生(採卵鶏413.6万羽)
(北海道、新潟県、埼玉県、茨木県、三重県、京都府、兵庫県、岡山県、香川県)
②野鳥・環境での発生状況
1月13日時点で1道10県、68事例の発生
(北海道・山形県、新潟県、福島県、群馬県、福岡県、大分県、宮崎県、鹿児島県)