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鶏卵情勢(令和3年6月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年4月の全国の餌付け羽数は9,031千羽(前年比103.9%)と前年を再び上回る結果となった。東西別の単月比では東日本の前年比111.0%。特に関東エリアで前年比118.9%と大きく伸長した。
 一方で西日本は前年比95.5%となっており、特に中国エリアで前年比81.7%、九州エリアで前年比85.9%と下回った。
 1月から4月の全国累計では前年比94.9%と前年をやや下回る推移となっており、一部のエリアを除き全国的には昨年ほどの増羽意欲は現状見られない。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 鳥インフルエンザからの生産回復には時間を要しており、前月同様不足感が強い状況が続いている。大型連休中についても巣ごもり需要を受け、量販店の発注ベースは増えており産地在庫は低位で推移した。
 今後、鳥インフルエンザからの回復は早くとも秋口以降と考えられ、不足感が継続すると見られる。また、梅雨時期に入ることから温度・湿度の上昇や変化による生産への影響に注視したい。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料

とうもろこしのシカゴ相場7月限は、6月1日現在689セント/buでの取引となった。
中国による大量成約に加え、米国での高温・乾燥による収穫懸念から高騰が続いている。
原油
先物相場7月限については、6月1日現在67.72ドル/バレルとなった。
海上運賃
4月の海上運賃は約56ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、6月1日109円40銭/ドルでの取引となった。
直近1カ月のドル/円相場において、各国とのワクチン接種率の差により円の価値が下がり、ドル高円安の傾向が続いている。

消費動向

家計消費

 令和3年4月の鶏卵の一人当り家計消費量は978g(前年同月比94.4%)となった。巣ごもりによる家庭内需要の高まりは堅調に推移しているものの、前年の緊急事態宣言下におけるコロナ特需と比較すると、家計消費への影響は僅かに薄れたためと考えられる。それでも令和元年度と比較すると前々年同月比108.7%となっており、巣ごもり需要は堅調であることが伺える。
 今後は梅雨時期に入るため例年であれば消費の減退が予測されるが、6月20日までの緊急事態宣言延長や巣ごもりによる家庭内消費の引き合いは当面継続するものと予測される。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年4月の外食全体の売上は前年比136.7%となった。前年4月が調査史上最も低い売上であったため大きく伸長する形となった。一方で前々年比では80.7%となり、例年通りの回復には至っていない。
 加工筋は行楽需要における期待感は薄く、引き続き時短営業による制限もあり荷動きは鈍いものの、鳥インフルエンザによる生産減少で在庫は不足に転じていることから強い引き合いが続いている。また、緊急事態宣言が6月20日まで延長が決定したことで、客足が完全に戻るまでにしばらく時間を要すると見込まれる。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年4月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、8,425億円(前年比106.6%)と2ヶ月連続で前年を上回ることとなった。緊急事態宣言の発令により外出自粛の期間となったが、昨年と比較して自粛の動きがあまり見られなかったためか、生鮮品を始め各売上は好調に推移した。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年4月の売上高(既存店ベース)は、10,816億円(前年比106.0%)となり前年実績を上回った。一方で食料品は96.8%、畜産品は91.3%となっており、昨年のコロナ特需からの反動が伺える。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年3月の売上高は前年比97.6%となり、先月と同様前年を下回った。
小売動向表

価格動向

 令和3年5月の東京相場の月間平均は、Mサイズ258円(前年比+90円、前月比+17円)。
 生産面では鳥インフルエンザの影響により、産地在庫は更にタイトな状況が続くこととなった。一方で需要面は、緊急事態宣言の発令による外出自粛から、前月に引き続き家庭内需要が高まり、量販店の発注は堅調に推移した。また加工筋は前月に続き供給不足の影響から、引き合いは強いままである。過去10年間における5月月間平均の中で最高値となり、連日報道等でも大きく取り上げられた。
 今後について、生産面では依然として生産回復には時間を要しており、産地在庫は低位と予測される。一方で需要面は、梅雨時期に入ることによる購買意欲の低下は考えられるが、6月20日まで緊急事態宣言の延長が決まったため、引き続き家庭内消費中心の荷動きは堅調な推移であると推測され、例年通りの消費減退となるか予測が難しい。しかしいずれにせよ産地在庫が潤沢になるのはまだ先であることから相場は保合、もしくはサイズ感調整の展開が予想される。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年4月の鶏卵類輸入通関実績は2,577トン(前年比113.9%)となった。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

 令和3年4月の殻付卵輸出実績は1,847トン(前年比99.3%)と先月と同様、前年を下回った。昨年対比ではほぼ同推移だが、全国で発生した鳥インフルエンザの影響により、東京・大阪や博多等の各主要港を中心に前年ほどの供給には行き届いていない。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 大阪、東京など9都府県に発出されていた緊急事態宣言が6月20日まで延長となり、さらに愛知、福岡など6道県が追加された。政府は感染状況や医療提供体制が不十分であるため、専門家の意見を参考に期間の延長等を判断する見通し。リバウンドへの警戒から、外出自粛の動きは継続される見込み。
  2. 日本政府観光局によると、4月の訪日外国人客数は前年同月比273.7%増の10,900人となり、19ヶ月ぶりに前年同月を上回ったが、影響前の2019年同月比は99.6%減となっている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られたのに加え、日本も検疫強化、査証の無効化などにより訪日客がほぼゼロに近い数字だったため、今回の伸率が大きくなったとみられる。引き続き新規入国の一時停止措置がとられ、訪日客数の低迷が続いている。
  3. 政府は4月より順次、新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言に準ずる「まん延防止等重点措置」の対応を決定。対象は埼玉、千葉など8県。飲食店などへは営業時間短縮や休業要請がとられ、外食筋の回復が遠のくことが予想される。
高病原性鳥インフルエンザについて
国内養鶏場での発生状況
5月31日時点で18県52事例の発生状況。
農林水産省の発表によると、約992万羽が淘汰対象となっている。
(採卵鶏827.45万、育雛68.4万、肉用鶏89.2万、その他(あひるなど)7.18万)
トピックス
  1. 苦境が続く外食産業だが、ファストフード業態が前年比117.6%と堅調な推移。
    テイクアウトを主軸にした巣ごもり需要への対応は今後も続く見込みである。
  2. 令和3年度6月7日現在で関東甲信・東北地方での梅雨入りの報せはない。平年は6月7~15日頃、
    令和2年度は6月11~25日頃となっている。

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