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鶏卵情勢(令和3年9月)

生産動向

餌付け羽数

 令和3年7月の全国の餌付け羽数は9,363千羽(前年比100.0%)。東西別の前年同月比では、東日本は95.9%と下回り、特に北海道エリアで73.6%、関東エリアで89.0%と減少した。一方で西日本は105.2%と上回り、特に近畿エリアで156.6%と伸長した。
 1月から7月の全国累計では前年比97.6%と前年をやや下回る推移となっており、全国的に昨年ほどの増羽意欲は現状見られない。
エリア別餌付け羽数
当社推計全国飼養羽数

供給面

 生産量は前月同様横ばいの状態が続いた。サイズバランスは夏場の猛暑日が続いた結果、大玉が減少し、小玉の発生が多く見られた。また一部地域では長雨が続き格外卵の増加が見られた。
 今後、夏場の暑さが一段落することでサイズバランスが小玉から中玉中心へ移行する見込み。また9月以降鳥インフルエンザによる生産減少から徐々に回復してくる見通しとなっており、供給体制に注視したい。
エリア別鶏卵生産量

配合飼料関連動向

飼料

とうもろこしのシカゴ相場9月限は、9月3日現在508セント/buでの取引となった。春先4月~6月頃では、中国による大量成約・米国、ブラジルにおける天候不安による収穫懸念もあり高騰が続いたが、8月下旬以降、降雨による米国産地の作柄改善への期待などから価格上昇が抑えられている。
原油
先物相場10月限については、9月3日現在69.29ドル/バレルとなった。
海上運賃
7月の海上運賃は約81ドル/トンとなった。
為替
東京外国為替市場は、9月3日109円93銭/ドルでの取引となった。

消費動向

家計消費

 令和3年7月の鶏卵の一人当り家計消費量は903g(前年同月比93.5%)。また令和元年度と比較では、前々年同月比101.2%となった。例年より高卵価な相場で店頭売価が値上げとなり、購買が減少したと思われる。一方で、感染者の急増もあり、昨年ほどではないものの巣ごもり需要は一定程度継続して見られた。
 今後は暑さの緩和による家庭内需要の増加から回復基調であると予想する。
鶏卵の一人当り家計消費量
鶏卵の一人当り家計消費量

業務・加工動向

 令和3年7月の外食全体の売上は前年比102.1%となった。緊急事態宣言やまん延防止措置が継続している中、ファストフード業態の持ち帰り需要が好調となり前年を上回る結果となった。しかしパブ・居酒屋業態での酒類提供や営業時間の制限は続いており、前々年比では86.3%と例年通りの回復には未だ至っていない。
 加工筋は夏場の販売減少もありスポット購買意欲は見られず、定期取引についても制限依頼があった。
 今後の業務筋は、例年であれば学校給食の再開や行楽需要、大手ファストフードのプロモーションといった好材料もあるが、一方で首都圏や近畿圏含む21都道府県で9月12日まで緊急事態宣言が続き、また更なる延長が示唆されていることから、業務・加工筋の需要回復には遅れが生じることが予測される。
外食産業業態別売上高

小売動向

 令和3年7月の全国コンビニエンスストアの売上高(既存店ベース)は、9,232億円(前年比105.1%)と5ヶ月連続で前年を上回ることとなった。6月20日に緊急事態宣言は解除されたものの、まん延防止等重点措置が発令され、引き続き外出自粛の期間となったが、昨年と比較して自粛の動きがあまり見られなかったためか、各売上は好調に推移した。
 日本チェーンストア協会が発表した令和3年7月の売上高(既存店ベース)は、11,363億円(前年比104.6%)となり前月に引き続き、前年実績を上回った。食料品は104.0%と伸長した一方で、畜産品は98.6%となっており、昨年のコロナ特需からの反動が伺える。
 経済産業省が発表した商業動態統計によるとドラッグストアの令和3年6月の売上高は前年比100.8%となり、先月と同様前年を上回った。
小売動向表

価格動向

 令和3年8月の東京相場の月間平均は、Mサイズ215円(前年比+70円、前月比▲30円)。
 生産面では猛暑日が続いたことから大玉の比率が減少傾向となった。また生産量は横ばいで推移。
 販売面では、猛暑の環境下の中で需要減退が見られ、定番・特売ともに落ち着いた荷動きとなった。首都圏中心に発令されていた緊急事態宣言の延長により、荷動きが鈍い状況が続いた。相場は、お盆期間があったとはいえ、業務・外食・加工筋の好材料に欠け需要が伸び悩んだことから、下押しの展開が続いた。
 今後について、生産面は9月以降鳥インフルエンザによる生産減少から徐々に回復してくる見通しである。
 需要面は、大手ファストフードチェーンがプロモーションを開始することや暑さの緩和による家庭内需要の増加等、回復要因が見受けられる。一方で、緊急事態宣言の延長は続く見込みもあり、業務・外食・加工筋は宣言が解除するまで厳しい状況と考えられる。
 今後の相場展開としては、生産量が回復基調で推移する中、ファストフード業態・量販筋を中心とした需要増加が期待されるため強含みと予想するが、新型コロナウイルスの感染の影響による販売動向の変化には注視が必要である。
JA全農たまご東京M基準値月間平均
JA全農たまご東京M基準値月間平均

輸出入動向

輸入動向

令和3年7月の鶏卵類輸入通関実績は2,074トン(前年比111.5%)となった。
鶏卵類輸入通関実績(6月累計)

輸出動向

令和3年7月の殻付卵輸出実績は1,953トン(前年比155.9%)となった。横浜・広島等の主要港を中心に、実績は前年を大きく上回った。
殻付卵輸出実績

その他

新型コロナウイルスの影響について
  1. 政府は、感染拡大が続く地域に対して緊急事態宣言・まん延防止等重点措置を実施している。緊急事態宣言は現時点で東京都、大阪府など21都道府県に発令されており、まん延防止等重点措置は現時点で熊本県、長崎県など12県に発令されている。いずれの措置も9月12日まで継続される見込み。
  2. 日本政府観光局によると、7月の訪日外国人客数は前年同月比伸率1251.1%の51,100人となり、先月同様前年同月を上回ったが、新型コロナウイルス影響前の訪日客数には至らない。感染拡大の影響で多くの国で海外渡航制限や外出禁止などの措置が取られたのに加え、日本も検疫強化、査証の無効化などにより訪日客がほぼゼロに近い数字だったため、伸率が大きくなったとみられる。引き続き新規入国の一時停止措置がとられ、訪日客数の低迷が続いている。
トピックス
秋口から冬期にかけて、渡り鳥のシーズン到来と鳥インフルエンザの流行時期となる。生産者の皆様には今年度も防疫対策の徹底についてお願いしたい。

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