相場情報
食鳥情勢(令和8年3月)
生産動向
生産・処理動向調査((一社)日本食鳥協会令和8年2月末実施)によると、「1月の処理出荷推計実績は処理羽数が前年同月比101.8%で、前月時点の計画値から1.0%上方修正された。処理重量は同103.7%と、前月時点の計画値から2.9%上方修正されている。現時点での2026年2月の予測は処理羽数が前年同月比99.1%、処理重量は同98.7%の見通しと、前月時点の予測からそれぞれ下方修正されている。3月も前月予測から下方修正されており、処理羽数は97.3%、処理重量は98.6%となった。」と報告されている。工場の人員については引き続き不足が課題となっている中、副産品(小肉・剣状軟骨など)・手羽中半割等の1.5次加工品は機械を導入し製造している産地が引き続き見られ、今後他産地にも広がっていくと予想される。
輸入動向
財務省の貿易統計によると、令和8年1月の鶏肉(原料肉)の輸入量は前月から+1.5千トンの46.8千トン、国別ではブラジルが前月+3.3千トンの31.5千トン、タイが▲2千トンの14.8千トンとなった。(独)農畜産業振興機構(ALIC)によると今後の見通しは、輸入量は2月は49.2千トン(前年比103.1%)、3月は47.5千トン(同112.2%)と2月3月ともに増加する予測である。要因としては、「輸入量は、前年のブラジル産の輸入量がブラジル国内及び他国向けの需要の高まりによる価格上昇により低水準であったことや現在の輸入品在庫量が低水準であること等から、2月はやや、3月はかなり大きく、いずれも前年同月を上回ると予測する。なお、3カ月平均では、前年同期と同水準となると予測する。」とされている。
令和8年1月の鶏肉調整品の輸入量は前月から▲8.8千トンの41.7千トン、国別では中国が▲5.7千トンの15.2千トン、タイが▲3.2千トンの25.6千トンとなった。
(株)食品産業新聞社発行の畜産日報によると、1月の輸入鶏肉(モモ肉)の価格はブラジル産で600円/kgから650円/kg(前年390円/kg)、タイ産が630円/kg中心(同450円/kg)となっている。要因としては「輸入品は国内在庫が減少傾向にあるなか、市中ひっ迫状態が続き、高値に張り付いている。現地オファーも強気にあるため、買付けを大幅に増やすような状況ではないようだ。」と報告されている。
消費動向
家計
総務省統計局発表の家計調査報告(全国・二人以上の世帯1世帯あたり)によると、令和8年1月の生鮮肉消費(購入)は数量4,199g(前年比99.9%)、金額7,217円(同107.2%)と、数量は前年を下回り、金額は前年を上回った。鶏肉は数量1,566g(同100.2%)・金額1,796円(同108.8%)・単価114.71円/100g(前年同月差+9.1円)と数量・金額・単価ともに前年を上回った。牛肉は数量は前年を下回ったが、金額は前年を上回った。豚肉は数量・金額ともに前年を上回った。
量販
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の販売統計調査によると、令和8年1月の食品売上高は全店ベースで前年比103.6%と前年を上回り、生鮮3部門の売上高は全店ベースで同102.9%、既存店ベースは同101.8%。畜産部門の売上高は約1,307億円で全店ベース同106.6%、既存店ベース同105.4%となった。また同社が取りまとめたスーパーマーケット景気動向調査によると、「引き続き、価格高騰を背景に豚肉・鶏肉への需要シフトが継続している。豚肉はしゃぶしゃぶ用、挽肉、大容量パックなど日常使い商材が伸長した。輸入豚の販売強化とのコメントがみられた。鶏肉は相場高が続く中でもモモ・ムネなど定番部位は堅調で、鍋用途の需要は地域差が見られた。牛肉は依然として相場高が継続するも、週末を中心に銘柄牛や和牛に回復傾向が一部店舗でみられた。また切落し・スライスなど手頃な価格帯商品は好調となった。加工肉は、ハム・ベーコン・ソーセージ類は低調との報告が多い。ラム肉の高騰による影響を指摘するコメントもみられた。」と報告されている。
加工筋
日本ハム・ソーセージ工業協同組合調べによると令和8年1月度の鶏肉加工品仕向肉量は、前年比101.4%の4.2千トンとなった。うち国内品は同91.5%の3.1千トン、輸入品については同145.2%の1.1千トンと輸入品は前年を上回ったものの、国内品は前年を下回る結果となった。
在庫状況
(独)農畜産業振興機構(ALIC)の1月末時点推定期末在庫では国産品36.8千トン(前年比140.2%)、輸入品112.2千トン(同80.6%)、合計で149.0千トン(同90.1%)となった。
(独)農畜産業振興機構(ALIC)が発表した鶏肉需給表では、1月の出回り量は国産品144.3千トン(前年比101.6%)、輸入品46.3千トン(同96.2%)、合計190.6千トン(同100.3%)となり、前月からは国産品・輸入品の出回り量はともに減少した。2月以降、「出回り量は、2月は前年同月をわずかに上回る一方、3月は前年同月並みと予測する。期末在庫は、2月はかなり大きく、3月はかなりの程度、いずれも前年同月を下回ると予測する。なお、過去5カ年の同月平均との比較でも、2月はかなりの程度、3月はかなり大きく、いずれも下回る(2月:9.4%減、3月:12.3%減)と予測する。」とされている。
鶏卵情勢(令和8年3月)
生産動向
2月は各産地で生産調整明け鶏群の生産復帰もあり供給量は回復傾向であったが、12月に発生した高病原性鳥インフルエンザの影響や需要面の堅調な荷動きもあり産地在庫は小玉中心に低位となった。
消費動向
家計消費
業務・加工動向
1月の外食全体の売上高は前年同月比108.5%と引き続き好調であり、2021年12月以来50か月連続で前年を上回っている。ファーストフードやファミリーレストラン業態ではキャンペーンやコラボ企画が好調、また年始や週末のファミリー層を中心とした需要により堅調となった。さらに全体的に客数や客単価が上昇していることもあり売上高を押し上げる要因となった。
1月の訪日外客数は3,597.5千人(前年同月比95.1%)と2022年1月以来4年ぶりに前年割れとなった。旧正月の時期ずれや中国の渡航自粛要請により同月比60%減が大きく影響している。
輸入・輸出動向
1月の鶏卵類輸入通関実績は3,959トン(前年同月比166.3%)と前年を上回った。ブラジルを中心に引き続き殻付卵が増えている。
同月の殻付き卵輸出実績は1,474トン(前年同月比98.4%)と前年を下回った。引き続き全国的に発生した高病原性鳥インフルエンザによる輸出制限が要因と考えられる。2月に入り徐々に制限解除となっているため今後の輸出動向にも注視が必要である。
価格動向
今後について供給面では、3月の稼働羽数は減少しており、一時的に生産量が低下することが予想される。需要面において、量販筋では相場の上伸が店頭売価に反映されることで、発注数量は落ち着くことが考えられる。外食筋では、大手ファストフードチェーン店のプロモーションの開始に伴い、引き合いが強くなることが予想される。加工筋では、スポット集荷が落ち着いたことで、引き続き定期中心の取引となることが推測される。
以上のことから、今後の鶏卵相場は保合の展開となることが予想される。
その他
(1)鶏卵生産者経営安定対策事業加入者の販売実績数量
(2)鶏卵基金標準取引価格と補填単価
(3)2025年度鳥インフルエンザ発生状況について
3月13日時点で1道1府11県、15事例の発生(採卵鶏461.5万羽)
(北海道、岩手県、新潟県、茨城県、埼玉県、千葉県、三重県、京都府、兵庫県、岡山県、香川県)
②野鳥・環境での発生状況
3月13日時点で1道15県、111事例の発生
(北海道、岩手県、山形県、新潟県、富山県、福島県、千葉県、群馬県、徳島県、高知県、愛媛県、福岡県、大分県、宮崎県、鹿児島県)