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食肉情勢(令和3年7月)

牛肉

供給

(1)国産
 令和3年5月の成牛と畜頭数は、79.4千頭(前年同月比101.2%)となった。内訳を見ると、和牛36.0千頭(前年同月比102.3%)、交雑牛17.7千頭(同102.6%)、乳用牛24.6千頭(同 98.3%)と、乳用牛以外は前年を上回った。
 令和3年6月の成牛と畜頭数は、速報値(6/30まで集計)で85.2千頭(前年比98.9%)で、前年をわずかに下回った。
 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した牛肉の需給予測によると、7月の出荷頭数は全品種で出荷頭数の減少が見込まれることから、前年同月を下回ると予測している。また、3ヶ月平均(5~7月)についても、出荷頭数(前年同期比97.1%)・生産量(同96.3%)ともに前年同期を下回ると予測している。
(2)輸入
 令和3年5月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で49.7千トン(前年比99.3%、前月比89.8%)となった。内訳は、チルドが22.6千トン(前年比109.7%、前月比88.3%)、フローズンが27.1千トン(前年比92.0%、前月比91.1%)となった。チルドの輸入量が前年を上回ったのは、前年がコロナ禍による北米現地工場の稼働停止により輸入量が少なかったためで、輸入量全体では、通関遅れや豪州等における現地価格の高騰等から前年を下回ることとなった。主な国別でみると、チルドは米国11.7千トン(前年比 136.1%)、豪州8.2千トン(同 78.8%)、カナダ1.5千トン(同 233.1%)、フローズンは豪州12.0千トン(前年比 88.1%)、米国8.8千トン(同 87.2%)、カナダ2.2千トン(同 116.0%)、ニュージーランド2.0千トン(同 96.3%)メキシコ1.3千トン(同 119.4%)となっている。?
 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した牛肉の需給予測によると、6月のチルドの輸入数量は前年が北米現地工場の稼働停止の影響で少なかったことから、前年をかなりの程度上回る一方、7月は豪州・米国といった輸出国の現地価格の高騰等により前年をやや下回ると予測する。また、5月~7月までの3カ月平均では前年をやや上回ると予測している。フローズンの輸入量は、入船遅れや豪州・米国といった輸出国の現地価格の高騰等により、6月はかなり大きく、7月はかなりの程度、いずれも前年同月を下回ると予測するとともに、3か月平均でも前年同期をかなりの程度下回ると予測している。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年4月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は553g(前年比84.4%)、支出金額が1,759円(同89.0%)となり、購入量・金額とも、前年を下回った。(※参考.家計消費の前々年度同月比:購入量:106.1%、金額:104.6%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の5月の販売統計速報によると畜産部門の売上高は1,208億円(前年同月比95.4%、既存店ベース94.3%)と前年同月を下回った。内食需要は底堅いものの、大きく需要を拡大したハム等の加工肉やひき肉等が前年の反動で伸び悩んだことが大きな原因である。
 日本チェーンストア協会が公表した5月販売概況によると、畜産品の売上は932億円(店舗調整後で前年同月比96.3%)となり、前年を下回る結果となった。牛肉・豚肉・鶏肉といった精肉での苦戦とともに、鶏卵、ハム・ソーセージ類の不調が報告されている。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査5月度結果報告によると、4月25日より東京・大阪を含む4都府県に発令されていた「緊急事態宣言」は5月も継続され、加えて愛知・福岡等が追加された。これらにおいて酒類提供店は休業を要請されたため、緊急事態宣言地域とまん延防止措置対象地区が全国的に広がり、5月の全体売上は前年比では119.8%ながら、前々年比では80.2%に留まり、いまだ回復途上である。業態別では、①一番好調なファーストフードではコロナ禍前より好調な洋風が牽引役となり、全体売上は前年比113.3%・前々年比では103.9%となっている。牛丼などの和風ではトッピング類などの高付加価値メニューによる客単価上昇により売上回復への貢献があったとの報告がなされている。②ファミリーレストランは前年がコロナ禍で大きく減少したため、売上は前年比129.1%ながら、前々年比では63.8%にとどまり、繁華街立地の休業により焼肉も同様に前年比135.5%ながら前々年比65.4%にとどまっている。その他の業態でも同様で、③ディナーレストラン業態は前年比168.1%・前々年比49.7%、④喫茶業態は前年比199.3%・前々年比64.1%、⑤居酒屋は前年比95.9%と激減した昨年も下回り、回復にはほど遠い状態が続いている。

在庫

 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した牛肉の需給予測によると、令和3年5月末の推定期末在庫量は123.2千トン(前年比83.4%)と前年を大きく下回った。内訳は、輸入品在庫が110.4千トン(前年比81.0%)、国産品在庫が12.9千トン(同111.4%)となり、輸入品は前年実績を下回り、国産品は前年実績を上回ることとなった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた今後の期末在庫の推移は、6月が120.1千トン(同81.4%)、7月が113.4トン(同78.7%)と前年を大幅に下回ると予測している。

市況

(1)6月~7月
 令和3年6月の東京市場枝肉卸売価格(速報値6/30時点)は、和牛去勢A5が2,642円(前年比117.1%)、和牛去勢A4が2,383円(同128.1%)、和牛去勢A3が2,134円(同 129.5%)、交雑牛B3が1,553円(同 131.4%)、乳牛去勢B2が1,046円(同110.5%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した7月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が43.2千頭(前年比94.0%)、交雑牛が18.8千頭(同 91.1%)、乳用牛が26.1千頭(同 96.2%)であり、全体では89.7千頭(同 94.0%)と見込んでいる。
 6月の枝肉相場は、①底堅い内食需要の継続、②堅調な輸出推移、③政府の補助事業の影響による下支といった主要因の変化はないものの、国内頭数が前年並みに留まったことで、堅調な推移となった。7月は①底堅い内食需要の継続、②堅調な輸出推移、③政府の補助事業の影響による下支えといった主要因変化がないと想定され、和牛・交雑牛・乳牛の全品種で出荷予測頭数が前年を下回ること、梅雨明けの夏本番を迎えての季節需要やイベント等の影響で強含の保ち合いの相場展開が予測される。また新型コロナウイルス感染の影響に伴う行政対応による枝肉相場への影響には引続き注視が必要である。

豚肉

供給

(1)国産
 令和3年5月度の全国の肉豚出荷頭数は1,309千頭(前年比101.5%)となった。5月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道103.6%、東北102.2%、関東101.1%、北陸甲信越97.2%、東海114.1%、近畿108.2%、中四国97.7%、九州・沖縄100.2%である。
 令和3年6月の全国と畜頭数は速報値で1,343.8千頭(6/30まで集計)で、前年同月比101.5%となっている。稼働日数では昨年度と同じ22日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で61,082頭(前年は60,154頭/日)となっている。
 農水省食肉鶏卵課令和3年6月25日付肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は令和3年7月1,315千頭(前年同月比97%)、8月1,276千頭(同100%)、9月1,336千頭(同99%)、10月1,450千頭(同98%)、11月1,434千頭(同99%)と前年並から前年をやや下回る予測となっている。
(2)輸入
 令和3年5月の輸入通関実績は豚肉全体で71.3千トン(前年同月比89.1%、前月比72.2%)となった。内訳は、堅調な内食需要によりチルドが34.5千トン(前年同月比103.1%、前月比85.1%)と前年比を上回る一方、フローズンは現地価格高や低迷する外食需要の影響で36.7千トン(同79.1%、同63.1%)と前年を大きく下回った。主な国別では、チルドはカナダ17.3千トン(前年同月比114.1%)、米国15.7千トン(同 90.3%)、メキシコ1.5千トン(同161.6%)となり、フローズンはデンマーク6.2千トン(同111.3%)、メキシコ7.8千トン(同86.3%)、スペイン7.4千トン(同73.1%)、米国4.2千トン(同83.6%)、カナダ2.7トン(同74.8%)となっている。
 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した豚肉の需給予測では、6月のチルドの輸入量は前年同月並み(99.7%)と見込む一方、7月は北米の現地価格の高騰等により前年同月をかなりの程度下回り、5月~7月の3か月平均では前年同期をわずかに下回るものと予測する。一方、フローズンはアジア諸国を中心とした買い付けや北米・EUの国内需要の増加で、6月は大幅に、7月はかなりの程度、前年同月を下回り、3か月平均でもかなり大きく下回ると予測している。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年4月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,859g(前年同月90.3%)、支出金額が2,594円(同89.2%)となり、購入量・金額とも、前年を下回った。(※参考.家計消費の前々年度同月比:購入量:108.1%、金額:108.4%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の5月の販売統計速報によると畜産部門の売上高は1,208億円(前年同月比95.4%、既存店ベース94.3%)と前年同月を下回った。内食需要は底堅いものの、大きく需要を拡大したハム等の加工肉やひき肉等が前年の反動で伸び悩んだことが大きな原因である。
 日本チェーンストア協会が公表した5月販売概況によると、畜産品の売上は932億円(店舗調整後で前年同月比96.3%)となり、前年を下回る結果となった。牛肉・豚肉・鶏肉といった精肉での苦戦とともに、鶏卵、ハム・ソーセージ類の不調が報告されている。
 6月は依然として底堅い内食需要は続いているものの、全体として落ち着いた荷動となった。国内の出荷頭数が伸び悩むなか、国産物・冷蔵品では、切り落としや小間材となるウデ・モモおよびスネ・ネック・コニクといった低価格品中心の荷動に終始した。梅雨時期でバラ等の焼き材の引き合いも弱いなか、カタロースの鈍い荷動きに加えてロースの苦戦が報告されている。輸入品チルドは、通関遅れにより不安定な入荷が継続していることで、スソ物・ベリーなどを中心に堅調な荷動きとなっている。フローズンは外食需要の停滞状況を反映し、全体的に厳しい荷動きが続いている。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の令和3年4月の豚肉加工品仕向量は32.6千トン(前年同月比98.5%)となった。この内訳は、国内物が6.1千トン(前年同月比102.7%)と増加する一方、輸入物は26.5千トン(同97.6%)と減少した。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは12.0千トン(前年同月比103.6%)と増加している。

在庫

 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した豚肉の需給予測によると令和3年5月末の推定期末在庫量は185.5千トン(前年比78.7%)となり、前年を大きく下回った。内訳は、輸入品の在庫が159.6千トン(前年比74.3%)、国産品が25.9千トン(同123.9%)となり、輸入品は前年実績を下回り、国産品は前年実績を上回ることとなった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた今後の期末在庫の推移は、6月が174.9千トン(同74.4%)、7月が159.4千トン(同70.7%)と前年を大幅に下回るものと予測している。

市況

(1)6月~7月
 令和3年6月の東京食肉市場枝肉相場は速報値(6/30時点)で621円/㎏(前年同月比99.7%)となった。5月は中旬以降500円に届かない日が多く相場は伸び悩んだが、一転して6月上旬において相場は600円台半となり、中旬は600円台を下回る日も見られたが、下旬に向けて再び600円台前半の推移が続いた。出荷頭数が伸び悩むなか、需要面では前月に引き続きスソ物中心の荷動きながら底堅い内食需要に支えられ、供給面では通関遅れによる輸入チルドポークの不安定な入荷が続いたことで、月間平均で600円台前半の相場推移ととなった。
 (独)農畜産業振興機構が6月28日に公表した7月出荷予測頭数は1,315千頭(前年同月比96.9%)を見込んでいる。7月は需要面において底堅い内食需要の継続、供給面では通関遅れ等による輸入品の不安定な入荷状態の継続と国内出荷頭数の減少傾向により、強含みの展開が予測される。輸入豚肉の通関遅れの広がりや、夏場に向けて国内出荷頭数の減少傾向がさらに強まれば、需給バランスにより一段高の可能性考えられる。なお、出荷頭数や新型コロナウイルスの影響に伴う行政対応等による相場への影響には引続き注視が必要である。

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