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食肉情勢(令和3年4月)

牛肉

供給

(1)国産
 令和3年2月の成牛と畜頭数は、77.0千頭(前年比99.4%、前月比97.9%)となった。内訳を見ると、和牛33.5千頭(前年比100.3%)、交雑牛17.1千頭(同97.8%)、乳牛去勢12.5千頭(同 96.1%)であった。
 令和3年3月の成牛と畜頭数は、速報値(3/31まで集計)で89.3千頭(前年比111.0%)となっている。
 (独)農畜産業振興機構が3月29日に公表した牛肉の需給予測によると、4月の生産量は乳牛が前年同月を下回るものの、和牛・交雑牛で増加が見込まれることから、前年同月をやや上回ると予測している。3ヶ月平均(2~4月)について、出荷頭数・生産量ともに前年同期を上回ると予測している。
(2)輸入
 令和3年2月の輸入通関実績によると牛肉輸入量は全体で37.3千トン(前年比89.2%、前月比84.8%)となった。内訳は、チルドが17.9千トン(前年比93.3%、前月比86.7%)、フローズンが19.4千トン(同 85.7%、同 83.1%)となった。輸入量はチルド・フローズンともに、北米からの入船遅れや豪州・米国における現地価格の高騰等から前年を大幅に下回った。さらにフローズンは前年の輸入量が多かったことから4月も大幅に下回ると予測される。主な国別でみると、チルドは米国9.2千トン(前年比 89.9%)、豪州6.7千トン(同 98.5%)、カナダ0.9千トン(同 88.3%)、フローズンは豪州8.2千トン(前年比 81.8%)、米国7.4千トン(同 91.3%)、カナダ2.1千トン(同 97.5%)、ニュージーランド0.7千トン(同 86.6%)、メキシコ0.3千トン(同 45.3%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が3月29日に公表した牛肉の需給予測によると、チルド輸入量は北米からの入船遅れの影響、米国・豪州における現地価格の高騰等から、3月、4月ともに前年同月を大幅に下回ると予測している。特にフローズンの輸入量は、3月は北米からの入船遅れの影響等から大きく下回り、さらに4月は前年の輸入量が多かったことから大幅に下回ることが予測される。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年1月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は581g(前年比115.0%)、支出金額が1,920円(同112.7%)となった。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の2月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,046億円(前年同月比101.1%)となった。自宅調理傾向の高まりは継続しているものの、うるう年の翌年にあたり営業日が1日少ない影響や、前年同時期から保存性の高い食品の需要が増加した反動もみられ、やや伸び悩んだ。豚肉や鶏肉は気温上昇で鍋用が不振となったが、それ以外は堅調な動きを見せた。牛肉は国産、輸入問わず需要が集まる一方、ハムなど加工肉は前年からの反動減が大きく不振だったとの報告がなされた。
 日本チェーンストア協会が公表した2月販売概況によると、畜産品の売上は818億円(店舗調整後で前年同月比100.9%)となり、昨年2月以降13か月連続で前年実績を上回ったが、前月比では87.0%と大幅に下回る結果となった。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査2月度結果報告によると、2月は政府が1都3県に再発令した「緊急事態宣言」の期間が延長され、自治体の要請により飲食の店内営業は20時まで、酒類は19時までの提供が続き、客足が戻る兆しはあったものの伸び悩んだ。コロナ下の外食事業はもはや営業日数・休祝日数の比較では語れないほど厳しい状況下にあり、外食全体の売上は前年比77.7%と、1月よりも更に落ち込んだ。業態別では、①ファーストフードは洋風の巣ごもり需要が引き続き堅調だったが、電子決済アプリとのコラボキャンペーン等で好調な前年には及ばず全体売上は91.3%となった。②ファミリーレストランはテイクアウトが伸びているものの、営業時間・酒類提供時間の短縮で全体売上は67.6%となり、焼肉は休業した店舗もあり62.8%と落ち込んだ。③居酒屋は特に駅前など繁華街立地の店舗が苦戦し前年比30.5%と激減した。④ディナーレストランは営業時間短縮の影響が甚大で売上が前年比53.7%となった。

在庫

 (独)農畜産業振興機構公表の令和3年1月末の推定期末在庫量は、126.3千トン(前年比100.8%、前月比101.5%)となった。内訳は、輸入品在庫が114.3千トン(前年比99.5%、前月比101.7%)、国産品在庫が12.0千トン(同116.0%、同 99.4%)となった。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた期末在庫は、2月が125.1千トン(前年比 102.6%)、3月が121.1千トン(同 95.5%)、4月が116.5千トン(同 82.0%)と予測している。

市況

(1)3月~4月
 令和3年3月の東京市場枝肉卸売価格(速報値3/31時点)は、和牛去勢A5が2,780円(前年比120.2%)、和牛去勢A4が2,588円(同140.2%)、和牛去勢A3が2,384円(同 144.4%)、交雑牛B3が1,594円(同 120.5%)、乳牛去勢B2が1,000円(同104.4%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が3月29日に公表した4月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が41.6千頭(前年比112.4%)、交雑牛が19.8千頭(同 105.3%)、乳用種が26.5千頭(同 95.9%)であり、全体では89.4千頭(同 105.3%)と見込んでいる。
 3月の枝肉相場は、政府の補助事業の影響や堅調な輸出需要に加えて、月末の上場頭数が少なかったこと等により、枝肉相場は強含みの堅調な推移となった。4月は、①緊急事態宣言の解除による需要-特に外食需要の回復、②堅調な輸出推移、③政府の補助事業の影響、④堅調な内食需要を連休向け需要が後押しすること等により、枝肉相場は強含みの展開が予測される。ただし、新型コロナウイルス感染の影響に伴う行政対応等による枝肉相場への影響には引続き注視が必要である。

豚肉

供給

(1)国産
 令和3年2月度全国の肉豚出荷頭数は1,337千頭(農林水産統計3/31公表 前年同月比101.1%、前月比94.3%)となった。2月の全国地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道101.1%、東北102.5%、関東102.7%、北陸甲信越101.2%、東海111.4%、近畿101.2%、中四国101.7%、九州・沖縄97.2%となった。
 令和3年3月の全国と畜頭数は、速報値で1,492千頭(3/31まで集計)、前年同月比104.0%となっている。稼働日数では昨年より2日間多い23日となり、1日当たりの平均と畜頭数は速報値段階で64,891頭となっている。(前年は68,315頭/日)
 農水省食肉鶏卵課令和3年3月24日付肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は令和3年4月1,367千頭(前年同月比94%)、5月1,336千頭(同104%)、6月1,280千頭(同97%)、7月1,298千頭(同96%)となっている。
(2)輸入
 令和3年2月の輸入通関実績は豚肉全体で64.2千トン(前年同月比95.9%、前月比96.4%)となった。内訳はチルドが31.6千トン(前年同月比90.4%、前月比94.4%)、フローズンが32.6千トン(同101.8%、同98.3%)となった。主な国別では、チルドがカナダ15.5千トン(前年同月比89.2%)、米国14.8千トン(同 88.3%)、メキシコ1.2千トン(同160.9%)となった。フローズンは、スペイン6.5千トン(前年同月比92.4%)、デンマーク4.8千トン(同111.1%)、メキシコ7.6千トン(同112.8%)、米国3.2千トン(同94.5%)、カナダ2.4千トン(同136.6%)となっている。チルドは北米からの入船遅れの影響が引き続き発生するなか、一部工場の稼働停止による供給量の減少ならびに飼料価格の高騰による現地高等から前年を下回った。フローズンは前年をわずかに上回ったが、3月以降は再び前年を下回り、特に前年の輸入量が多かった4月は大幅に下回ることが予測される。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年1月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,989g(前年同月比114.5%)、支出金額が2,817円(同114.1%)となっている。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の2月の販売統計速報によると、既存店ベースでの畜産部門の売上高は1,046億円(前年同月比101.1%)となった。自宅調理傾向の高まりは継続しているものの、うるう年の翌年にあたり営業日が1日少ない影響や、前年の同時期から保存性の高い食品の需要が増加した反動もみられ、やや伸び悩んだ。 豚肉や鶏肉は気温上昇で鍋用が不振となったが、それ以外は堅調な動きを見せた。牛肉は国産、輸入問わず需要が集まる一方で、ハムなど加工肉は前年からの反動減が大きく不振だったとの報告がなされた。
 日本チェーンストア協会が公表した2月販売概況によると、畜産品の売上は818億円(店舗調整後で前年同月比100.9%)となり、昨年2月以降13か月連続で前年実績を上回ったが、前月比では87.0%と大幅に下回る結果となった。
 3月は緊急事態宣言の解除延長により、引続き内食需要が継続するなか、全般的に量販店などの販売が底堅く推移した。輸入チルドポークは入船遅れが生じ一部アイテムで品薄感が強まるなか、ベリーやスソ物の引き合いが強い一方、フローズンは外食需要の停滞状況を反映し、荷動きが鈍かった。国産物・冷蔵品では、ウデやモモといったスソ物は堅調な一方で、好調だったバラの荷動きが鈍化し、ロースの荷動きは非常に鈍いものとなった。国産物・冷凍品はウデ・モモ・挽材は好調、前月まで好調だったバラ・カタロースがそれに続く荷動きとなっている。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表 令和3年1月の豚肉加工品仕向量は27.4千トン(前年同月比99.6%、前月比82.5%)となった。この内、国内物が5.2千トン(前年同月比106.9%)、輸入物が22.2千トン(同98.0%)となっている。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは10.1千トン(前年同月比105.9%)となっている。

在庫

 農畜産業振興機構発表の令和3年1月末の推定期末在庫量は、182.5千トン(前年比87.3%、前月比96.9%)となった。内訳は、輸入品の在庫が160.1千トン(前年比85.3%、前月比95.4%)、国産品が22.4千トン(同104.5%、同109.9%)となり、輸入品は前年・前月ともに下回り、国産品は前年・前月を上向る結果となっている。

市況

(1)3月~4月
 令和3年3月の東京食肉市場枝肉相場は、速報値(3/31時点)で480円/kg(前年同月比99.4%)となった。需要面では、緊急事態宣言の解除延長に伴い底堅い内食需要が継続しているものの、スソ物中心の荷動きとなった。供給面では、輸入チルドポークの輸入量は、北米からの入船遅れ・一部工場の稼働停止による供給量の減少等のため前年を下回り、全国と畜頭数は前年同期を上回った。相場の推移は、上旬は内食需要に支えられ堅調だったが、中旬以降は国内の出荷頭数が安定すると弱含みに転じ、下旬には軟調となった。
 (独)農畜産業振興機構は4月出荷予測頭数を1,367千頭(前年同月比94.3%)と予測している。4月は①堅調な内食需要を連休向けの需要が後押しすることが見込まれること、②供給面では、輸入品は入船遅れなどにより入荷が不安定で、国内出荷頭数が前年を下回ることが予測されること、③緊急事態宣言の解除による需要-特に外食需要の回復が期待されること、などから相場は強含で展開するが予測される。ただし、出荷頭数や新型コロナウイルスの影響に伴う行政対応等による相場への影響には引続き注視が必要である。

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