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食肉情勢(令和4年6月)

牛肉

供給

(1)国産
 令和4年4月の成牛と畜頭数は、92.5千頭(前年同月比102.3%)と前年並みとなった。内訳を見ると、和牛:42.9千頭(前年同月比101.8%)、交雑牛:21.4千頭(同108.5%)は前年を上回り、乳牛去勢:12.2千頭(同 92.2%)は前年を下回った。
 令和4年5月の成牛と畜頭数は、速報値(5月31日まで集計)で79.0千頭(前年比99.5%)と前年並みとなっている。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月26日公表)によると、5月の出荷頭数は和牛・交雑牛の増加により、前年をやや上回る見込みとなっている。そのため、3か月平均(4~6月)では、出荷頭数(前年同期比102.2%)、生産量(同102.8%)と前年並みの予測となっている。
(2)輸入
 令和4年4月の輸入通関実績は、全体で61.6千トン(前年同月比111.2%、前月比181.4%)と前年を上回り、内訳ではチルド;20.5千トン(前年比80.2%、前月比121.4%)、フローズン;41.0千トン(前年比138.0%、前月比241.1%)となった。輸入相手国別では、米国や豪州での現地価格が高騰した影響を受け、前月に引き続き主要国からの輸入量は減少しているが、フローズンではメキシコやニュージーランドが増加している。
(参考:形態別相手国別輸入数量)
チルド:米国10.7千トン(前年比81.5%)、豪州7.0千トン(同69.3%)、カナダ1.1千トン(同96.2%)、ニュージーランド0.7千トン(同100.5%)、メキシコ0.5千トン(同115.9%)、
フローズン:豪州15.4千トン(前年比104.5%)、米国14.6千トン(同175.9%)、カナダ3.6千トン(同114.4%)、ニュージーランド2.8千トン(同154.0%)、メキシコ2.7千トン(同208.2%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、5月および6月の輸入数量は、チルドが前年を大きく下回るためフローズンは前年並みか上回るが全体では前年を下回ると見込まれている。
令和4年5月 チルド;19.6千トン(前年同月比86.8%)、フローズン;28.1千トン(同103.8%)
令和4年6月 チルド;20.5千トン(前年同月比86.1%)、フローズン;28.6千トン(同100.7%)
直近3か月(4~6月)平均 チルド;20.8千トン(前年同月比86.9%)、フローズン;31.8千トン(同112.1%)と全体では前年並み

需要

(1)家計
 総務省発表の令和4年3月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は532g(前年比97.3%)、支出金額が1,739円(同94.3%)となり、支出金額・購入量ともに前年同月を下回った。(※2019年度同月比:購入量 88.7%、金額 94.1%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,100億円(前年同月比98.3%、既存店ベース96.7%)と前年同月を下回った。内食需要が落ち着きを見せ買上点数が低迷したことや、ハムなどの加工品は前年好調の反動から伸び悩んだことが要因。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は842.5億円(店舗調整後で前年同月比96.6%)となり、前年を下回った。牛肉、豚肉の動きは鈍かったが、鶏肉はまずまずの動きだった。また、ハム・ソーセージの動きも鈍かったと報告されている。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査4月度結果報告によると、コロナによる制限が解除されたことにより、おおむね回復基調となり、前年比113.5%となった。一方で、新型コロナ禍以前の2019年比では91.9%となった。コロナ下での生活習慣の変化により、夜間の外食需要は戻っていない。また、営業回復に必須の人員確保が難しく、売上の回復が遅れている。
業態別;
①ファーストフード 前年同月比108.4%、2019年度同月比107.7% テイクアウト需要は底堅く、店内飲食の回復や新商品の発売もあり堅調に推移
②ファミリーレストラン 前年同月比117.5%、2019年度同月比79.9% 焼肉店は家族客が好調で、夜間営業も開始され、前年同月比128.1%
③ディナーレストラン 前年同月比136.3%、2019年度同月比74.2% 個人客の戻りはあったが、夜間の集客や宴会の需要が少なくコロナ前の7割程度
④居酒屋 前年同月比181.9%、2019年度同月比47.6% 前年を上回ったが、コロナ前の半分と厳しい環境が続いている

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、令和4年4月末の推定期末在庫量は126.0千トン(前年比107.1%、前月比98.6%)と前年を上回った。内訳は、輸入品;114.2千トン(前年同月比109.0%、前月比99.6%)、国産品;11.8千トン(同92.2%、同89.4%)となり、輸入品は前年実績を上回ったが、国産品は下回った。なお、今後の期末在庫の推移は、5月末;135.4千トン(同109.9%)、6月末;142.4千トン(同111.4%)と、いずれも前年を上回って推移するものと見込まれている。

市況

(1)5月~6月
 令和4年5月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;5月31日時点)は、和牛去勢A5が2,583円(前年比97.3%)、A4が2,356円(同98.4%)、交雑牛B3が1,600円(同 95.6%)、乳牛去勢B2が1,096円(同101.9%)であった。
 令和4年6月の国内出荷予測頭数((独)農畜産業振興機構公表)は、和牛が38.8千頭(前年比100.8%)、交雑牛が19.6千頭(同 107.0%)、乳用牛が26.2千頭(同 101.2%)と、前年並み、出荷頭数(86.8千頭・同102.2%)・生産量(27.8千トン・同102.8%)は、前年並みの予測である。
 5月の枝肉相場は、GW直前の駆け込み需要の反動や食品全般の値上がり等から需要が鈍くなり、全品種で前年を下回る軟調な相場展開となった。なお、乳牛去勢牛は、輸入牛肉の高騰による代替需要が続いており前年は上回った。
 6月の枝肉相場は、外食に動きはあるが、週末に需要が集中し回復が鈍いこと、父の日に向け特定部位に動きはあるが全体では荷余り感があること等から和牛・交雑牛とも前月と同水準が見込まれる。(和牛は前年同水準、交雑牛は前年を上回る見込み)また、乳牛去勢牛についても輸入代替需要が続いていることから引き続き底堅い相場展開が見込まれる。

豚肉

供給

(1)国産
 令和4年4月の全国の肉豚出荷頭数は、1,385千頭(前年比95.6%)と下回った。地域別出荷頭数(数値は前年同月比);北海道97.9%、東北94.3%、関東93.5%、北陸甲信越96.0%、東海104.5%、近畿99.5%、中四国98.6%、九州・沖縄95.4%
 令和4年5月の全国と畜頭数は、1,210千頭(速報値;5月31日まで集計、前年同月比92.4%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年より1日少なく、1日当たりの平均と畜頭数は63,684頭(前年実績:68,919頭/日、前年差△5,235頭/日)と下回った。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課;令和4年5月19日付け)によると、令和4年6月;1,324千頭(前年同月比98%)、7月;1,314千頭(同100%)、8月;1,302千頭(同98%)、9月;1,356千頭(同98%)、10月;1,458千頭(同103%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約99%と前年並みとなっている。
(2)輸入
 令和4年4月の輸入通関実績は、豚肉全体で108.9千トン(前年同月比110.3%、前月比151.4%)と上回り、チルドが37.3千トン(前年同月比92.0%、前月95.5%)、フローズンは71.6千トン(同123.1%、同217.9%)となった。国別でみると、チルドではメキシコが増加し、フローズンではEU域内でのASF発生による相場の低迷や中国の輸入減少等からスペインの大幅な増加が目立つ結果となった。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド   ;カナダ18.1千トン(前年同月比 97.3%)、米国16.5千トン(同 79.4%)、メキシコ2.8千トン
フローズン;スペイン23.2千トン(同 193.3%)、メキシコ12.0千トン(同 109.6%)、デンマーク13.9千トン(同 106.6%)、米国5.6千トン(同 80.4%)、カナダ3.5千トン(同 114.7%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月26日公表)によると、5月の輸入量は、78.2千トン(前年同月比109.8%)と前年を上回る見込みとなっている。6月の輸入量は、75.7千トン(同100.6%)と前年を上回る見通しとなっている。チルドは現地価格の高騰を受け低調な数量が継続すると見込まれる(5月のフローズンは前年同月の輸入量がコロナにより大きく減少していたため前年を上回る)。
令和4年5月:チルド32.6千トン(前年同月比94.5%)、フローズン45.6千トン(同124.3%)
令和4年6月:チルド33.2千トン(前年同月比93.3%)、フローズン42.5千トン(同107.2%)
直近3か月(4~6月)平均:チルド34.3千トン(同期比92.9%)、フローズン50.4千トン(同期比112.5%)、合計84.7千トン(同期比103.6%)

需要

(1)家計
 総務省発表の令和4年3月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,930g(前年同月比101.9%)、支出金額が2,672円(同101.2%)となり、購入量・金額ともに前年をやや上回った。(※2019年度同月比:購入量 94.4%、金額 94.8%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の4月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,100億円(前年同月比98.3%、既存店ベース96.7%)と前年同月を下回った。内食需要が落ち着きを見せ買上点数が低迷したことや、ハムなどの加工品は前年好調の反動から伸び悩んだことが要因。
 日本チェーンストア協会が公表した4月販売概況によると、畜産品の売上は842.5億円(店舗調整後で前年同月比96.6%)となり、前年を下回った。牛肉、豚肉の動きは鈍かったが、鶏肉はまずまずの動きだった。また、ハム・ソーセージの動きも鈍かったと報告されている。
 5月の荷動きは、輸入豚肉の供給不安や先高感から国産への代替需要があったこと、関東での豚熱発生による出荷頭数の減少等から需給が引き締まり堅調となった。GWは地方を中心に久々に動きがあったが、食品各種の値上げにより生活防衛意識が高まり、末端消費は徐々に冷え込んで来ていると推測される。一方で、輸入物はベリーの需要が依然強いが、円安から先高感は強く、さらにコンテナ不足等から先行きが不透明な状態が続いている。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の令和4年4月の豚肉加工品仕向量は31.8千トン(前年同月比97.4%)と、前年を下回った。内訳は、国産原料6.1千トン(前年同月比100.2%)・輸入原料25.7千トン(同96.8%)で、国産原料は前年並だったが、輸入原料は前年を下回った。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは10.9千トン(前年同月比90.8%)と、前年を下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(5月26日公表)によると、令和4年4月末の推定期末在庫量は192.2千トン(前年比104.1%、前月比106.7%)となり、前年並みとなった。内訳は、輸入品;170.0千トン(前年比106.9%、前月比108.9%)が、国産品;22.2千トン(前年比86.9%、前月比92.5%)ともに前年並み。また、今後の期末在庫は、5月が196.1千トン(同105.7%)、6月が195.5千トン(同104.1%)と、いずれも前年を上回って推移するものと見られる。

市況

(1)5月~6月
 令和4年5月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;5月31日時点)は、636円/kg前年比125.7%)と前年を上回った。全国と畜頭数が減少したことに加え、輸入豚肉の供給が不安定で為替の影響から先高感が強くなったことで、国産豚肉への代替需要が高まり相場を押し上げた。なお、東京市場「上物」は、月間平均価格が5か月連続で500円超となり、前年より堅調に推移している。
 6月の相場は、肉豚出荷頭数が1,324千頭(98.4%)と減少する見込みに加え、輸入豚肉の現地価格高騰や供給不足等を背景に、需給が引き締まる可能性が高く、前年を上回る価格で推移する見込み。

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