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食肉情勢(令和4年1月)

牛肉

供給

(1)国産
 令和3年11月の成牛と畜頭数は、106.5千頭(前年同月比101.2%)と前年をわずかに上回った。内訳を見ると、交雑牛は23.0千頭(同104.7%)と前年をわずかに上回ったが、和牛52.7千頭(前年同月比98.7%)・乳牛去勢13.2千頭(同 94.8%)と前年を下回った。
 令和3年12月の成牛と畜頭数は、速報値(12/28まで集計)で90.8千頭(前年比93.4%)で、前年をかなり下回った。
 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した牛肉の需給予測によると、1月の出荷頭数は和牛・交雑牛の出荷頭数の増加により、前年をわずかに上回るとともに、3か月平均(11~1月)でも、和牛・交雑牛の出荷頭数の増加で、出荷頭数(前年同期比101.8%)・生産量(同102.4%)ともに前年同期をわずかに上回ると予測する。
(2)輸入
 令和3年11月の輸入通関実績によると、現地価格の高騰により牛肉輸入量は全体で42.7千トン(前年比86.3%、前月比77.3%)と前年をかなり大きく下回った。内訳はチルドは16.4千トン(前年比76.1%、前月比80.2%)と前年をかなり大きく下回り、フローズンは26.2千トン(前年比94.2%、前月比75.5%)と前年をかなりな程度下回ることとなった。輸入量を主な国別でみると、チルドは米国8.1千トン(前年比 74.7%)、豪州6.1千トン(同 67.6%)、カナダ0.9千トン(同 119.6%)、フローズンは豪州11.2千トン(前年比92.4 %)、米国7.6千トン(同 64.4%)、カナダ3.5千トン(同 139.1%)、ニュージーランド1.4千トン(同 203.0%)メキシコ1.1千トン(同 254.8%)と、チルド・フローズンともに米国・豪州の減少、カナダの増加が目立つ。
 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した牛肉の需給予測によると、12月の輸入量について、チルドは前月に続き現地価格の高騰の影響でかなり大きく前年を下回り、フローズンは現地価格の高騰が続く豪州産は減少が見込まれるものの、他の生産国での代替により、前年をやや上回る輸入量となるものと予測している。1月も同様な傾向は続き、チルドはかなり大きく前年を下回り、フローズンは前年をやや上回ると見込んでいる。この結果、11~1月の3か月平均は、輸入量全体では前年をかなりの程度下回る(前年比91.7%)なか、チルドは前年を大幅に下回り(同82.8%)、フローズンは前年をわずかに下回る(同99.4%)こととなり、輸入量は再び減少傾向へ転じている。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年10月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は504g(前年比87.3%)、支出金額が1,760円(同99.4%)となり、支出金額・購入量ともに前年同月を下回った。(※前々年度同月比:購入量 105.4%、金額 115.6%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の11月の販売統計速報によると畜産部門の売上高は1,131億円(前年同月比98.3%、既存店ベース96.8%)と前年同月を下回った。国産品・輸入品ともに価格の上昇が続く中、牛肉・豚肉は国産・輸入ともに低調な荷動きが報告されている。
 日本チェーンストア協会が公表した11月販売概況によると、畜産品の売上は879.9億円(店舗調整後で前年同月比98.5%)となり、前年をわずかに下回った。前月に続き鶏卵は好調ながら、牛肉・豚肉・鶏肉・ハム・ソーセージ類の鈍い荷動きが報告されている。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査11月度結果報告によると、11月は全国的に約1年ぶりに営業時間の短縮要請が解除され、かつ、酒類提供の制限も無くなったことが影響して、夜間の客足は鈍いものの、全体売上はほぼ前年並となる99.8%、前々年比でも91.8%と回復基調にあると報告されている。業態別では、①ファーストフードの全体売上は、テイクアウト・デリバリー需要が堅調な洋風(前年比103.6%、前々年比115.2%)が牽引役となり、全業態で唯一前年比および前々年比を上回った。このうち牛丼等の和風は客足が戻るとともに、投入された新商品の貢献もあり、売上高は前年比102.4%(前々年比98.5%)と好調である。他業態は、回復基調にあるものの、夜間の来客数の戻りの悪さにより伸びやなんでおり、②ファミリーレストラン全体での売上は、前年比95.2%・前々年比83.7%、このうち焼肉は、夜間来客の戻りの鈍さに加え、コロナ禍前の営業時間帯に合わせた労働力確保も難しく、前年比94.3%・前々年比101.3%と伸び悩んでおり、③ディナーレストランでは前年比100.7%・前々年比80.0%、④喫茶では前年比105.2%・前々年比77.7%、⑤居酒屋では前年比91.0%・前々年比50.8%と、ディナー・レストラン以外の業態は、依然として前年比・前々年比ともに下回る状態が続いている。

在庫

 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した牛肉の需給予測によると、令和3年11月末の推定期末在庫量は140.3千トン(前年比110.0%、前月比95.1%)と前年をかなりの程度上回った。内訳は、輸入品在庫が126.2千トン(前年比108.5%、前月比95.1%)、国産品在庫が14.2千トン(同125.5%、前月比90.0)となり、輸入品・国産品ともに前年実績を上回った。なお、同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた今後の期末在庫の推移は、12月が141.7千トン(同113.8%)、翌年1月が144.4トン(同114.3%)と、いずれも前年を上回って推移するものと予測している。

市況

(1)12月~1月
 令和3年12月の東京市場枝肉卸売価格(速報値12/28時点)は、和牛去勢A5が2,796円(前年比97.4%)、和牛去勢A4が2,538円(同96.6%)、和牛去勢A3が2,294円(同 97.3%)、交雑牛B3が1,519円(同 90.7%)、乳牛去勢B2が1,088円(同117.3%)であった。
 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した令和4年1月の国内出荷予測頭数を品種別にみると、和牛が34.5千頭(前年比102.1%)、交雑牛が19.4千頭(同 111.3%)乳用牛が24.9千頭(同 94.4%)と、乳用牛以外は前年を上回り、全体では80.2千頭と出荷頭数(同 101.6%)・生産量(同102.3%)ともに前年を上回ると予測している。
 12月の枝肉相場は、11月に緊急事態宣言が解除され外食業態を中心に需要は回復基調となる中、全体的な出荷頭数の伸び悩みと、現地価格の高騰より品薄状態態が続く輸入牛の影響で、前半は強含みの推移となった。しかし後半は、出荷頭数の回復とともに、相場は徐々に落ち着きを取り戻し、月間での平均価格は和牛・交雑牛は前年を下回った。1月は、回復基調にある外食需要、堅調な輸出動向、政府の補助事業の影響等で相場は一定の下支えが期待されるが、年明けという季節的な背景もあり、相場は総じて弱含みな展開が予測される。なお、新型コロナウイルス感染の影響に伴う行政対応による相場への影響には引続き注視が必要である。

豚肉

供給

(1)国産
 令和3年11月度の全国の肉豚出荷頭数は1,504千頭(前年比103.5%)となった。11月の地域別出荷頭数を前年同月比で見ると、北海道105.5%、東北104.5%、関東102.1%、北陸甲信越105.0%、東海115.1%、近畿111.6%、中四国105.0%、九州・沖縄101.1%となった。
 令和3年12月の全国と畜頭数は速報値で1,392千頭(12/28まで集計)で、前年同月比91.6%となっている。稼働日数は昨年と同一ながら、1日当たりの平均と畜頭数は69,600頭(前年実績:72,371頭/日、前年比△2,771頭/日)と減少することとなった。
 農水省食肉鶏卵課の令和3年12月23日付肉豚生産出荷予測によると、今後の出荷予測頭数は令和4年1月1,399千頭(前年同月比99%)、2月1,310千頭(同98%)、3月1,446千頭(同95%)、4月1,387千頭(同96%)、5月1,355千頭(同104%)で今後5か月間合計頭数で前年比98.0%と前年をわずかに下回ると予測している。
(2)輸入
 令和3年11月の輸入通関実績は豚肉全体で78.5千トン(前年同月比111.3%、前月比100.8%)となった。内訳は、チルドが34.2千トン(前年同月比88.6%、前月比101.8%)、フローズンは44.4千トン(同138.7%、同100.0%)となった。チルドは現地価格の高騰の影響で前年を下回ったが、フローズンは中国の買い付けが弱まった欧州産の増加により前年を上回った。主な国別では、チルドは米国16.5千トン(前年同月比 80.9%)、カナダ16.1千トン(同94.2%)、メキシコ1.6千トン(同141.7%)となり、フローズンはスペイン12.9千トン(同256.3%)、デンマーク7.9千トン(同108.9%)、メキシコ8.4千トン(同127.4%)、カナダ2.4千トン(同102.2%)、米国2.1千トン(同66.6%)と、チルド・フローズンともに米国の減少、チルドではメキシコ、フローズンではスペインの増加が目立つ。
 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した豚肉の需給予測では、12月の輸入量は、チルドが北米の現地価格の高騰やカナダの洪水の影響等により前年をかなり大きく下回るが、フローズンは中国の買い付けが弱まったために値下がりした欧州産の増加のため、前年を大幅に上回り、合計では前年をわずかに上回ると見込んでいる。1月の輸入量は、チルドがカナダの洪水で繰り越された前月分の入荷のため前年をやや上回り、フローズンは欧州産の入荷量増加のため前年を大幅に上回り、合計ではかなりの程度上回るものと予測する。このため3か月平均では、チルドは前年をかなりな程度下回り、フローズンは前年を大幅に上回ることで、輸入量全体で前年をやや上回るとの報告されている。

需要

(1)家計
 総務省発表の令和3年10月期家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,955g(前年同月102.1%)、支出金額が2,690円(同97.8%)となり、購入量は前年を上回ったものの、金額は前年を下回った。(※前々年度同月比:購入量 108.1%、金額 105.3%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の11月の販売統計速報によると畜産部門の売上高は1,131億円(前年同月比98.3%、既存店ベース96.8%)と前年同月を下回った。国産品・輸入品ともに価格の上昇が続く中、牛肉・豚肉は国産・輸入ともに低調な荷動きが報告されている。
 日本チェーンストア協会が公表した11月販売概況によると、畜産品の売上は879.9億円(店舗調整後で前年同月比98.5%)となり、前年をわずかに下回った。前月に続き鶏卵は好調ながら、牛肉・豚肉・鶏肉・ハム・ソーセージ類は荷動きは総じて鈍かったとの報告内容となっている。
 12月の荷動きは、年末に向けて気温が低下する中で鍋需要が終始堅調に推移し、バラ・カタロースといったスライス系の部位が牽引役となり、全体的に良好な荷動きとなった。国産物・冷蔵は、終始バラが好調で、続いてカタロースも良好な荷動きとなり、モモ・ロースも荷余り感なく推移した。また、国産物・冷凍品も、前月同様、荷余り感がない締った需給が続き、バラを中心に堅調な荷動となった。一方、輸入品は米国での現地価格の高騰と通関遅れの恒常化に加えて、カナダでの洪水の影響により逼迫した品薄状態のなかで、チルドは量販店等はベリーを中心とした引合が強く、フローズンは、緊急事態宣言の解除により、低迷を続けた外食需要が緩やかに回復に転じるなか、荷動も回復傾向に転じることとなっている。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の令和3年10月の豚肉加工品仕向量は31.6千トン(前年同月比97.2%)と、前年をわずかに下回った。内訳は、国内物6.3千トン(前年同月比94.7%)・輸入物25.3千トン(同97.9%)で、国内物・輸入物ともに前年を下回った。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは、10.9千トン(前年同月比106.5%)と前年をかなりの程度上回ることとなった。

在庫

 (独)農畜産業振興機構が12月23日に公表した豚肉の需給予測によると令和3年11月末の推定期末在庫量は176.4千トン(前年比90.4%、前月比96.5%)となり、前年をかなりの程度下回った。内訳は、輸入品の在庫が154.8千トン(前年比88.1%、前月比95.9%)、国産品が21.6千トン(前年比111.3%、前月比100.9%)となり、輸入品は前年実績を下回り、国産品は前年実績を上回った。同機構によれば、国産品と輸入品を合わせた今後の期末在庫の推移は、12月が169.7千トン(同90.1%)、翌年4年1月については168.2千トン(同92.1%)と、いずれも前年を下回って推移するものと予測している

市況

(1)12月~1月
 令和3年12月の東京食肉市場枝肉相場は速報値(12/28時点)で 576円/kg(前年比107.6%)と前年を上回った。12月はカナダでの洪水等の影響で輸入品が品薄となる中、出荷頭数が伸び悩み、強含みな相場推移となった。相場は、上旬には540円中心で推移したが、中旬にかけて続伸し570円台中心まで上昇を続け、下旬は最終週のと畜頭数が大きく減少したため、600円台前半の推移となるまで相場は続伸した。この結果、相場は東京「上」月間平均では576円(速報値)となり、前年をかなりの程度上回る(前年比107.6%)とともに、2か月ぶりに500円を超えることとなった。
 農水省食肉鶏卵課の令和3年12月23日付肉豚生産出荷予測の令和4年1月出荷予測頭数は1,399千頭(前年同月比99%)と前年をわずかに下回る出荷頭数で、対過去5年平均でも99%と平年を下回る出荷予測となっている。外食需要が回復基調となる中、内食需要も底堅く、12月末からの急激な気温低下による増体不良のため出荷頭数がさらに減少することが懸念され、恒常化している輸入物の不安定な入荷状況もあり、一時的な乱れはあるものの、相場は総じて堅調な展開が予測される。なお、出荷頭数や新型コロナウイルスの影響に伴う行政対応等による相場への影響には引続き注視が必要である。

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