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食肉情勢(令和5年1月)

牛肉

供給

(1)国産
 令和4年11月の成牛と畜頭数は、111.1千頭(前年比104.4%)と前年を上回った。内訳を見ると、和牛:53.9千頭(前年比102.3%)、交雑牛:25.1千頭(同109.2%)、乳牛去勢:12.1千頭(同 91.4%)となった。
 令和4年12月の成牛と畜頭数は、速報値(12月31日まで集計)で96.9千頭(前年比99.5%)と下回った。
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(12月26日公表)によると、12月は和牛および交雑種で出荷頭数の増加が見込まれることから、上回ると予測する。令和5年1月は和牛および乳牛の頭数は減少するものの、交雑牛で出荷頭数の増加が見込まれることから、前年をわずかに上回ると予測する。(12月106.5千頭(前年比108.9%)、令和5年1月83.4千頭(前年比102.1%))そのため、3か月平均(11月~令和5年1月)では、出荷頭数99.8千頭(前年比104.7%)、生産量31.9千トン(同104.9%)と前年を上回る予測となっている。
(2)輸入
 令和4年11月の輸入通関実績は、全体で39.4千トン(前年比92.5%、前月比81.1%)と下回り、内訳ではチルド;17.6千トン(前年比107.2%、前月比121.2%)、フローズン;21.8千トン(前年比83.2%、前月比64.0%)となった。輸入相手国別では、チルドが現地価格の軟化や入船遅れにより豪州を除き増加したため上回った。一方でフローズンは、米国からのショートプレートは堅調だが、年明けに相場が下がる期待感等から買い控えが起こった豪州が大きく減少したため下回った。
(参考:形態別相手国別輸入数量)
チルド:米国9.7千トン(前年比119.0%)、豪州6.0千トン(同98.7%)、カナダ1.0千トン(同103.2%)、ニュージーランド0.5千トン(同102.5%)、メキシコ0.3千トン(同151.8%)
フローズン:豪州8.3千トン(同73.7%)、米国7.8千トン(同102.8%)、カナダ3.2千トン(同92.6%)、ニュージーランド1.4千トン(同102.6%)、メキシコ0.5千トン(同52.0%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、12月の輸入数量は、国内需要の低下や為替の影響等からチルド・フローズンともに下回る見込み。令和5年1月は、チルドが前年同月の輸入量が少なかったため上回るが、フローズンが下回るため全体では下回ると見込んでいる。
令和4年12月 合計:41.6千トン(前年比91.0%)、チルド;17.5千トン(同84.2%)、フローズン;24.1千トン(同96.9%)
令和5年1月 合計;39.8千トン(前年比98.5%)、チルド;16.5千トン(同101.1%)、フローズン;23.3千トン(同96.9%)
直近3か月(11~令和5年1月)平均 合計;40.2千トン(前年比93.7%)、チルド;17.2千トン(同96.2%)、フローズン;23.0千トン(同92.0%)

需要

(1)家計
 総務省発表の令和4年11月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり牛肉購入量は456g(前年比92.9%)、支出金額が1,731円(同103.0%)となり、購入量は前年を下回ったが、支出金額は上回った。(※2019年度同月比:購入量 81.3%、金額 105.0%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の11月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,178億円(前年比104.0%、既存店ベース102.6%)と前年を上回った。加工肉は価格が高騰しているが、一部に回復傾向もみられた。牛肉は国産、輸入ともに動きは鈍いが、豚肉は小間切れやミンチが好調。鶏肉は鳥インフルエンザの影響を受け、伸び悩んだ店舗もみられた。日本チェーンストア協会が公表した11月販売概況によると、畜産品の売上は911.7億円(店舗調整後で前年比101.7%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉の動きは鈍かった。鶏卵、ハム・ソーセージは、まずまずの動きだったと報告されている。
(3)外食
 日本フードサービス協会がまとめた外食産業市場調査11月度結果報告によると、訪日外国人の受け入れや全国旅行支援が10月から実施され、売上数値が伸びてきたが、原材料費、光熱費、人件費等の高騰は価格改定ではカバーしきれない程大きい。全体売上は前年比108.9%となり、2019年比では100.7%と新型コロナ禍以前並みとなった。
業態別;
①ファーストフード 前年比109.2%、2019年度比111.6% テイクアウト・デリバリーの堅調に加え、店内飲食の回復や季節メニューの好調により、売上は引き続き好調。
②ファミリーレストラン 前年比107.5%、2019年度比93.9% 客単価上昇や全国旅行支援の効果もあり売上は上向きだが、焼肉店は夜間の客の戻りに伸び悩む。
③ディナーレストラン 前年比108.1%、2019年度比84.5% 全国旅行支援やインバウンド需要で客数は増加しつつあり、売上は上向き傾向。
④居酒屋 前年比110.2%、2019年度比58.3% コロナ拡大を見越した忘年会の先取りやW杯の観戦需要があり、売上は好調。法人や夜間需要等は未だ戻らず。
(4)輸出
 令和4年11月の輸出実績は687.6t(前年比85.9%)と前年を下回った。コロナ感染症の規制緩和により外食需要が回復した東南アジア地域(カンボジアを除く)向けの数量は好調なものの、米国向けが前年比約6割まで落ち込んだことや、カンボジア向けが前年比約3割まで大きく落ち込んだことが影響し、下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測によると、令和4年11月末の推定期末在庫量は162.7千トン(前年比115.9%、前月比98.7%)と前年を上回った。内訳は、輸入品;150.0千トン(前年比118.9%、前月比98.7%)、国産品;12.7千トン(同89.7%、同96.9%)となり、輸入品は前年実績を上回ったが、国産品は下回った。なお、今後の期末在庫の推移は、12月末;158.4千トン(同118.3%)、令和5年1月末;158.6千トン(同117.9%)と、前年を上回って推移すると見込まれている。

市況

(1)12月~1月
 令和4年12月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;12月31日時点)は、和牛去勢A5が2,712円(前年比95.9%)、A4が2,413円(同93.6%)、交雑牛B3が1,611円(同104.4%)乳牛去勢B2が1,071円(同98.8%)であった。
 12月の相場は、最大需要月を迎えたことに加え、量販店向けなどで国産牛肉とりわけ和牛肉の引き合いが強まったことなどから、前月より和牛の相場が上昇した。交雑牛は出荷頭数が多いものの、和牛相場にけん引され更に伸長した。一方で、乳牛去勢は輸入代替需要が継続しているが、代替需要の一部が和牛肉に向けられたことから弱含みとなった。
 1月の相場は、全国旅行支援やインバウンド需要の更なる復調により外食需要の増加は見込まれるものの、量販店向けなどが前月の反動から減少すると見込まれるため和牛・交雑牛は弱含みで推移すると見込む。乳牛は、輸入代替需要が継続しているものの、出荷頭数が限定的なため弱含みを見込む。

豚肉

供給

(1)国産
 令和4年11月の全国肉豚出荷頭数は、1,484千頭(前年比98.7%)と前年を下回った。
 地域別出荷頭数(数値は前年同月比);北海道101.7%、東北100.3%、関東97.2%、北陸甲信越100.0%、東海100.5%、近畿93.3%、中四国100.6%、九州・沖縄97.8%
 令和4年12月の全国と畜頭数は、1,434千頭(速報値12月31日まで集計、前年比95.0%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年同様で、1日当たりの平均と畜頭数は71,705頭(前年実績:75,513頭/日、前年差△3,808頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課;令和4年12月23日付け)によると、令和5年1月;1,422千頭(前年比99%)、2月;1,322千頭(同99%)、3月;1,408千頭(同94%)、4月;1,382千頭(同100%)、5月;1,330千頭(同101%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約98%と前年を下回る。
(2)輸入
 令和4年11月の輸入通関実績は、豚肉全体で88.0千トン(前年比112.0%、前月比116.0%)と前年を上回った。内訳は、チルドが42.2千トン(前年比123.6%、前月149.7%)、フローズンは45.7千トン(同103.1%、同96.1%)となった。国別でみると、チルドでは入船遅れにより各国とも増加し、フローズンではデンマーク、オランダ、チリ、からの輸入量が増加した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド;カナダ20.5千トン(同127.5%)、米国18.3千トン(前年比110.9%)、メキシコ3.4千トン(同213.0%)
フローズン:スペイン12.6千トン(同97.8%)、デンマーク9.9千トン(同124.2%)、メキシコ7.0千トン(同82.6%)、オランダ2.8千トン(同100.9%)、チリ2.7千トン(同119.1%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(12月26日公表)によると、12月の輸入量;73.6千トン(前年比98.8%)および1月の輸入量;78.2千トン(同94.8%)ともに前年を下回る見込みとなっている。チルドは北米の現地価格の高止まりや為替の影響などから、低調な数量が継続するが、1月は前年同月がカナダの洪水による一時的に通関がずれ込んだため数量が多く前年を下回ると見込まれる。フローズンは、情勢に変化はないが増加に転じていた数量が一巡となるため下回ると見込まれる。
令和4年12月:合計73.6千トン(前年比98.8%)、チルド30.4千トン(同99.3%)、フローズン43.2千トン(同98.5%)
令和5年1月:合計78.2千トン(前年比94.8%)、チルド35.5千トン(同91.3%)、フローズン42.7千トン(同97.9%)
直近3か月(11~令和5年1月)平均:合計79.0千トン(前年比100.6%)、チルド35.3千トン(同102.1%)、フローズン43.7千トン(同99.5%)

需要

(1)家計
 総務省発表の令和4年11月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,823g(前年比99.0%)、支出金額が2,760円(同103.4%)となり、購入量は前年を下回ったが、金額は前年を上回った。(※2019年度比:購入量 102.2%、金額 109.7%)
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の11月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,178億円(前年比104.0%、既存店ベース102.6%)と前年を上回った。加工肉は価格が高騰しているが、一部に回復傾向もみられた。牛肉は国産、輸入ともに動きは鈍いが、豚肉は小間切れやミンチが好調。鶏肉は鳥インフルエンザの影響を受け、伸び悩んだ店舗もみられた。
 日本チェーンストア協会が公表した11月販売概況によると、畜産品の売上は911.7億円(店舗調整後で前年比101.7%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉の動きは鈍かった。鶏卵、ハム・ソーセージは、まずまずの動きだったと報告されている。
 12月は日本海側を中心に厳しい寒さに見舞われ、記録的な積雪となった地域があったものの、と畜頭数が70,000頭/日を超えて推移する日が多くあり、供給面で前年は下回ったが直近平均を上回ったことから、堅調な鍋物需要やクリスマス時期の鶏肉不足による代替需要へ応えることが出来た。また、安価な豚肉需要への対応として、輸入冷凍の解凍品(バラ)が一部の量販店の店頭で見受けられた。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の令和4年11月の豚肉加工品仕向量は33.9千トン(前年比93.9%)と、加工品の値上げによる販売不振から前年を下回った。内訳は、国産原料6.8千トン(前年比91.0%)・輸入原料27.1千トン(同94.7%)で、国産原料、輸入原料共に前年を下回った。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは11.0千トン(前年比99.2%)と、前年並みとなった。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(12月26日公表)によると、令和4年11月末の推定期末在庫量は214.3千トン(前年比121.5%、前月比99.3%)となり、前年を上回った。内訳は、輸入品;195.6千トン(前年比126.4%、前月比99.7%)で前年を上回り、国産品;18.8千トン(同86.8%、同95.4%)で前年を下回った。また、今後の期末在庫は、12月が206.6千トン(同122.6%)、令和5年1月が209.5千トン(同118.2%)と、いずれも前年を上回って推移するものと見られる。

市況

(1)12月~1月
 令和4年12月の東京市場枝肉卸売価格(速報値;12月31日時点)は、567円/kg(前年比98.1%)と前年を下回った。12月の相場は、行動制限のない年末のため需要期ではあったものの、忘年会や会合等での外食需要がコロナ感染者数の増加などから期待ほど盛り上がらなかったことや、10~11月に高値で相場が推移したことで、一部の業者が早めから手当てに動いたことなどから需要が分散したため、600円/kgを超えることなく推移した。
 1月の相場は、厳しい寒さが継続する中で鍋物需要が堅調であることに加え、全国旅行支援が中旬以降再開されることなどから、都市部より地方での需要増に期待がもてる。一方で、生産コストが増高しているが、12月に次ぐ出荷頭数が予想されており、供給に余力が出てくることで需給の緩和が見込まれるため、弱含みを見込む。

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