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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和7年11月)

豚肉

供給

(1)国産
 9月の全国豚と畜頭数は、1,314千頭と前年を上回った。(前年比102.9%)地域別と畜頭数(数値は前年同月比):北海道103.0%、東北107.4%、関東103.3%、北陸甲信越110.0%、東海102.3%、近畿101.5%、中四国98.9%、九州・沖縄100.0%
 10月の全国と畜頭数は、1,478千頭(速報値10月31日まで集計、前年比101.4%)と前年を上回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年と同様で、1日当たりの平均と畜頭数は67,195頭(前年実績:66,288頭/日、前年差907頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課:10月23日付け)によると、11月:1,320千頭(前年比94%)、12月:1,475千頭(同101%)、2026年1月:1,346千頭(同96%)、2月:1,262千頭(同98%)、3月:1,339千頭(同99%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約97%と前年を下回る見込み。
(2)輸入
 9月の輸入通関実績は、豚肉全体で76.3千トン(前年比96.9%、前月比103.0%)と前年を下回った。内訳は、チルドが34.1千トン(前年比112.4%、前月比112.2%)、フローズンは42.2千トン(同87.2%、同96.6%)となった。
輸入相手国別では、チルドはカナダが増加した。フローズンはブラジルが増加した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド:カナダ20.1千トン(前年比130.7%)、米国10.7千トン(同98.2%)、メキシコ3.2千トン(同80.9%)
フローズン:スペイン12.2千トン(前年比85.6%)、ブラジル9.0千トン(同137.0%)、米国4.8千トン(同79.8%)、デンマーク4.3千トン(同85.7%)、カナダ3.5千トン(同87.5%)、メキシコ3.3千トン(同64.3%)
 独)農畜産業振興機構の需給予測(10月29日公表)によると、10月の輸入量:79.3千トン(前年比91.4%)、11月の輸入量:77.4千トン(同99.0%)と見込まれる。チルドは、現地相場高の影響等により米国産の減少が見込まれること等から、10月は前年同月を下回ると予測し、11月はカナダ産の増加が見込まれること等から上回ると予測する。フローズンは、国内の輸入品在庫が多いこと等から、10月、11月ともに前年同月を下回ると予測する。3か月平均では、チルドは前年同月を上回り、フローズンは下回ると見込んでいる。
令和7年10月:合計79.3千トン(前年比91.4%)、チルド33.2千トン(同97.1%)、フローズン46.1千トン(同87.7%)
令和7年11月:合計77.4千トン(前年比99.0%)、チルド32.5千トン(同106.8%)、フローズン44.9千トン(同94.0%)
直近3か月(9月~11月)平均:合計77.2千トン(前年比95.0%)、チルド33.0千トン(同104.4%)、フローズン44.1千トン(同89.0%)

需要

(1)家計
 総務省発表の9月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,807g(前年比103.9%)、支出金額が2,859円(同106.4%)となり、購入量、支出金額は前年同月を上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の9月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,203.6億円(前年比103.0%、既存店ベース101.3%)と前年を上回った。相場の高騰傾向が続く中でも、牛肉の低調と豚肉・鶏肉などの値ごろ商品への需要シフトが続いている。牛肉は高値が続き、国産を中心に苦戦傾向だが、猛暑によりBBQ、焼肉関連は好調。豚肉は国産の高騰が続き、比較的安価な輸入豚が好調に推移した。鶏肉も高騰が続く中でも販売は比較的堅調に推移した。
 日本チェーンストア協会が公表した9月販売概況によると、畜産品の売上は820.0億円(店舗調整後で前年比101.0%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉は鈍かった。鶏卵の動きは良かったが、ハム・ソーセージの動きは鈍かった。
 気温の低下に伴い鍋物需要が増加したものの、国内出荷頭数の増加や量販店での輸入豚肉取扱数量増などから国産豚肉の需給は緩んだ。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ゙工業協同組合発表の9月の豚肉加工品仕向量は29.0千トン(前年比98.9%)と、加工品の値上げによる販売不振が続き、前年を下回った。内訳は、国産原料5.5千トン(前年比99.7%)・輸入原料23.5千トン(同98.7%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは8.9千トン(前年比96.4%)と、前年を下回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(10月29日公表)によると、9月末の推定期末在庫量は234.7千トン(前年比105.4%、前月比98.6%)となり、前年を上回った。内訳は、輸入品:213.2千トン(前年比106.0%、前月比98.6%)と前年を上回り、国産品:21.5千トン(同99.8%、同98.2%)と前年並みとなった。また、今後の期末在庫は、10月は232.1千トン(同103.9%)、11月は220.7千トン(同102.1%)と前年を上回る見込みで推移するものと見られる。

市況

(1)10月~11月
 10月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:10月31日時点)は、556円/kg(前年比89.8%)と前年を下回った。10月の相場は、気温の低下に伴い鍋物需要は増加したものの、国内出荷頭数の増加や量販店での輸入豚肉の取扱数量増などから、国産豚肉の需給が緩んだため、前年・前月ともに下回った。
 11月の相場は、引き続き気温の低下に伴い鍋物需要等が堅調に推移すると想定されるものの、輸入豚肉のコスト上昇や国内出荷頭数が前年より減少する事が予測されていること等から、需給が引き締まる可能性が高く、強含みでの推移を見込む。

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