文字サイズ
標準
拡大

相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和7年7月)

豚肉

供給

(1)国産
 5月の全国豚と畜頭数は、1,297千頭と前年を下回った。(前年比95.4%)。地域別と畜頭数(数値は前年同月比):北海道98.6%、東北97.9%、関東95.0%、北陸甲信越100.4%、東海98.5%、近畿93.5%、中四国91.9%、九州・沖縄92.9%
 6月の全国と畜頭数は、1,226千頭(速報値6月30日まで集計、前年比102.7%)と前年を上回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年より1日多く、1日当たりの平均と畜頭数は58,371頭(前年実績:60,260頭/日、前年差▲1,889頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課:6月23日付け)によると、7月:1,303千頭(前年比99%)、8月:1,291千頭(同106%)、9月:1,289千頭(同101%)、10月:1,480千頭(同102%)、11月:1,321千頭(同94%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約100%と前年並みの見込み。
(2)輸入
 5月の輸入通関実績は、豚肉全体で90.5千トン(前年比96.2%、前月比96.3%)と前年を下回った。内訳は、チルドが34.5千トン(前年比102.9%、前月比96.3%)、フローズンは56.0千トン(同92.5%、同96.4%)となった。国別でみると、チルドではカナダが増加した。フローズンではスペイン、ブラジルが増加した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド:カナダ19.0千トン(前年比118.6%)、米国12.8千トン(同93.4%)、メキシコ2.7千トン(同71.1%)
フローズン:スペイン20.1千トン(前年比112.0%)、米国7.7千トン(同70.9%)、ブラジル7.7千トン(同154.9%)、カナダ4.8千トン(同86.2%)、メキシコ4.3千トン(同72.5%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(6月26日公表)によると、6月の輸入量:90.2千トン(前年比110.5%)、7月の輸入量:88.1千トン(同102.3%)と見込まれる。チルドは、米国産の価格上昇により、価格優位性が生じたカナダ産の増加が見込まれること等から、6月、7月ともに前年同月を上回ると予測する。フローズンは、価格優位性のあるブラジル産の増加が引き続き見込まれる中、6月は現地相場の軟化等を背景にスペイン産の増加見込まれること等から前年同月を上回る一方、7月は現地相場の影響によりデンマーク、メキシコ産の減少が見込まれること等から下回ると予測する。3か月平均では、チルドは前年同月を上回り、フローズンは下回ると見込んでいる。
令和7年6月:合計90.2千トン(前年比110.5%)、チルド34.5千トン(同114.2%)、フローズン55.7千トン(同108.3%)
令和7年7月:合計88.1千トン(前年比102.3%)、チルド33.7千トン(同121.1%)、フローズン54.4千トン(同93.3%)
直近3か月(5月~7月)平均:合計89.1千トン(前年比102.1%)、チルド34.3千トン(同112.5%)、フローズン54.8千トン(同96.5%)

需要

(1)家計
 総務省発表の5月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,877g(前年比102.3%)、支出金額が2,947円(同107.5%)となり、購入量、支出金額はともに上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の5月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,271.8億円(前年比104.4%、既存店ベース102.9%)と前年を上回った。全般的に相場高が続き、豚肉・鶏肉への需要シフトが継続しているが、前年からの反動もあり改善傾向がみられた。牛肉は依然として厳しい状況が続くものの、切り落としや味付肉など低価格・簡便な商材は好調だったが、連休・母の日のステーキ・焼肉などハレの日関連は好不調が分かれた。国産豚の価格上昇が続く一方、前年不振だった輸入豚が好調に推移した。
 日本チェーンストア協会が公表した5月販売概況によると、畜産品の売上は870.9億円(店舗調整後で前年比105.9%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉は鈍かった。鶏卵の動きは良かったが、ハム・ソーセージは鈍かった。
 昨夏の酷暑により母豚の受胎率が低下したことで、出生頭数が例年より少なくなり出荷適齢期を迎える肉豚が減少したため需給がひっ迫した。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の5月の豚肉加工品仕向量は29.4千トン(前年比99.9%)と、加工品の値上げによる販売不振は続くが、前年並みとなった。内訳は、国産原料5.9千トン(前年比103.9%)・輸入原料23.4千トン(同98.9%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは9.3千トン(前年比103.7%)と、前年を上回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(6月26日公表)によると、5月末の推定期末在庫量は238.2千トン(前年比111.2%、前月比107.4%)となり、前年を上回った。内訳は、輸入品:214.1千トン(前年比112.8%、前月比108.5%)と前年を上回り、国産品:24.1千トン(同99.4%、同98.4%)と前年並みとなった。また、今後の期末在庫は、6月は253.5千トン(同116.3%)、7月は262.8千トン(同120.1%)と前年を上回る見込みで推移するものと見られる。

市況

(1)6月~7月
 6月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:6月30日時点)は、794円/kg(前年比105.3%)と前年を上回った。消費者の節約志向は継続しているものの、昨夏の酷暑により母豚の受胎率が低下したことで、出荷適齢期を迎える肉豚頭数が減少したため、国内出荷頭数が低迷し、需給が引き締まり、月平均で前年・前月ともに上回った。
 7月は、消費者の節約志向が継続することが見込まれるものの、例年より早い梅雨明けにより各地で猛暑日を記録するなど暑い夏が想定され、肉豚生育の遅れなどの影響が考えられること等から、需給が引き締まり強含みで推移すると見込まれる。

ページトップ