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相場情報

JA全農ミートフーズの発表する豚枝肉相場場情報を掲載しています。
※相場情報サイトへリンクします

食肉情勢(令和7年8月)

豚肉

供給

(1)国産
 6月の全国豚と畜頭数は、1,231千頭と前年を上回った。(前年比103.2%)地域別と畜頭数(数値は前年同月比):北海道105.8%、東北105.7%、関東102.1%、北陸甲信越108.2%、東海103.4%、近畿106.7%、中四国103.9%、九州・沖縄101.1%
 7月の全国と畜頭数は、1,294千頭(速報値7月31日まで集計、前年比98.7%)と前年を下回る見込みとなった。なお、稼働日数は昨年と同様で、1日当たりの平均と畜頭数は58,823頭(前年実績:59,545頭/日、前年差▲722頭/日)となった。
 肉豚生産出荷予測(農水省食肉鶏卵課:7月23日付け)によると、8月:1,291千頭(前年比106%)、9月:1,289千頭(同101%)、10月:1,480千頭(同102%)11月:1,321千頭(同94%)、12月:1,428千頭(同98%)であり、今後5か月間の合計頭数は前年比約100%と前年並みの見込み。
(2)輸入
 6月の輸入通関実績は、豚肉全体で83.8千トン(前年比102.5%、前月比92.5%)と前年を上回った。内訳は、チルドが32.0千トン(前年比106.0%、前月比92.8%)、フローズンは51.7千トン(同100.5%、同92.4%)となった。国別でみると、チルドでは主要国全てで増加した。フローズンではスペイン、米国、ブラジルが増加した。
(参考)形態別相手国別輸入数量
チルド:カナダ16.9千トン(前年比105.2%)、米国11.0千トン(同101.8%)、メキシコ4.2千トン(同123.1%)
フローズン:スペイン17.5千トン(前年比122.3%)、米国8.4千トン(同105.2%)、ブラジル7.9千トン(同129.3%)、カナダ3.6千トン(同68.3%)、メキシコ5.0千トン(同89.0%)
 (独)農畜産業振興機構の需給予測(7月29日公表)によると、7月の輸入量:79.4千トン(前年比92.2%)、8月の輸入量:80.5千トン(同95.7%)と見込まれる。チルドは、米国産の価格上昇により、価格優位性が生じたカナダ産の増加が見込まれることや高騰する国産豚肉からの需要シフト等から、7月、8月ともに前年同月を上回ると予測する。フローズンは、国内の輸入品在庫が多いことに加え、相場高等により主に欧州産とメキシコ産の減少が見込まれること等から、7月、8月ともに前年同月を下回ると予測する。3か月平均では、チルドは前年同月を上回り、フローズンは下回ると見込んでいる。
令和7年7月:合計79.4千トン(前年比92.2%)、チルド31.8千トン(同114.3%)、フローズン47.6千トン(同81.6%)
令和7年8月:合計80.5千トン(前年比95.7%)、チルド31.7千トン(同109.2%)、フローズン48.8千トン(同88.7%)
直近3か月(6月~8月)平均:合計79.9千トン(前年比95.1%)、チルド31.5千トン(同108.5%)、フローズン48.4千トン(同88.1%)

需要

(1)家計
 総務省発表の6月度家計調査報告によると、全国二人以上の1世帯当たり豚肉購入数量は1,814g(前年比100.6%)、支出金額が2,844円(同104.3%)となり、購入量は前年並みだったが、支出金額は上回った。
(2)小売
 日本スーパーマーケット協会など食品関連スーパー3団体の6月の販売統計速報によると、畜産部門の売上高は1,224.7億円(前年比104.0%、既存店ベース102.3%)と前年を上回った。全般的に相場高が続き、豚肉・鶏肉への需要シフトが継続している。牛肉は国産、輸入ともに高値推移が続く中、中旬以降は気温上昇により焼肉需要に回復傾向もみられた。切り落としや味付肉など低価格・簡便な商材は好調に推移した。国産豚の価格上昇が続き、輸入豚が好調に推移した。鶏肉はブラジルでの鳥インフルエンザの影響があり高騰が続く。
 日本チェーンストア協会が公表した6月販売概況によると、畜産品の売上は833.7億円(店舗調整後で前年比104.6%)となり、前年を上回った。豚肉、鶏肉の動きは良かったものの、牛肉は鈍かった。鶏卵の動きは良かったが、ハム・ソーセージは鈍かった。
 西日本地区で例年より梅雨明けが早く、猛暑となった地域が多かったことから、肉豚の生育遅れ等により出荷頭数が減少し、需給がひっ迫した。中旬以降は学校給食の終了とともに需要が減退し需給が緩んだ。
(3)加工品
 日本ハム・ソーセージ工業協同組合発表の6月の豚肉加工品仕向量は28.6千トン(前年比95.4%)と、加工品の値上げによる販売不振が続き、前年を下回った。内訳は、国産原料6.1千トン(前年比102.7%)・輸入原料22.5千トン(同93.5%)となった。なお、上記仕向量とは別枠のシーズンドポークは8.7千トン(前年比102.8%)と、前年を上回った。

在庫

 (独)農畜産業振興機構の需給予測(7月29日公表)によると、6月末の推定期末在庫量は246.4千トン(前年比113.1%、前月比103.4%)となり、前年を上回った。内訳は、輸入品:222.3千トン(前年比115.1%、前月比103.8%)と前年を上回り、国産品:24.1千トン(同97.4%、同100.0%)と前年を下回った。また、今後の期末在庫は、7月は245.5千トン(同112.2%)、8月は251.0千トン(同112.9%)と前年を上回る見込みで推移するものと見られる。

市況

(1)7月~8月
 7月の東京市場枝肉卸売価格(速報値:7月31日時点)は、866円/kg(前年比104.2%)と前年を上回った。7月の相場は、例年より梅雨明けが早かった地域等で猛暑となり、肉豚の成育が遅れたこと等から出荷頭数が一時的に減少したため、需給がひっ迫し高騰した。7月後半は、学校給食の終了により需給が緩み相場が下落したものの、月平均では前年・前月ともに上回った。
 8月の相場は、盆休み手当等により需給が引き締まることが見込まれるものの、生育遅れの肉豚が出荷適期となることで出荷頭数が増加し、需給が緩むことが想定されるため、月平均では弱含みを見込む。

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