海外粗飼料情勢
輸入粗飼料情勢 / 令和8年2月号
1. 米国産アルファルファヘイ
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- カリフォルニア州南部インペリアルバレー
- 現在、生産者は本格的な1番刈りに向けて、圃場の刈り取り作業と清掃作業を行っています。刈り取り作業は2025年12月に開始しましたが、降雨の影響で刈り取りシーズンは2026年2月前半まで延長されました。一般的には、この時期に圃場でビッグベール収穫をすると水分の問題が発生する可能性があるため、ほとんどのベールはスモールベールで収穫されますが、最近は天候に恵まれているため、大きなベールで収穫される圃場もあります。
この時期は成長が遅く、刈り取りから本格的な1番刈りまで40日程度掛かるため、1番刈りは、2月下旬から3月上旬になると予想しています。
一部の生産者は品質を重視しているため、若いうちに刈り取ります。これは、品質の高いものに高い価格を支払うサウジアラビアの影響です。現時点では、フォンドモンテ(サウジアラビア)による購買は、多くは報告されていません。
中国はまだ新穀アルファルファを購買しておらず、輸出事業との協議に基づくと、2026年の中国からのアルファルファ需要の見通しは2025年と同程度となる見込みです。
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- ワシントン州コロンビア盆地
- アルファルファの圃場は、2026年産の生育を待っているところです。
気温は、例年よりも2-5℃程度高く、天候は比較的穏やかです。一方、気温は氷点下を下回ることが少なく、雪よりも雨が多く、西海岸は冬の到来を待っています。コロンビア盆地の一部地域に水を供給する山岳地帯の積雪量は過去20年間で最低水準となっており、このままだと、小規模灌漑地域や天水地域では、充分な水源を確保できないかも知れません。
アルファルファの取引相場が低迷しているため、作付けは、昨年よりも更に10%程度の減少の見込みです。
2. 米国産チモシーヘイ
(1)米国コロンビア盆地
当地でのチモシー圃場は、Winter Kill(枯死)被害も少なく、穏やかな環境で生育しています。
米国西海岸の農作物価格が軒並み低迷しているため、比較的収益性の高いチモシーの面積は増加する見込みです。
(2)エレンズバーグ
順調に生育が進んでいますが、先般の洪水や、水源地での積雪不足が懸念材料です。
(3)アイダホ(天水地域)
穏やかな天候だったため、現時点での積雪は少ないです。この積雪にはWinter Kill(枯死)を防ぐことと、土壌へ時間を掛けて水分を供給することの2つが期待されています。
(4)カナダ(アルバータ州南部)灌漑地域
収穫時の天候の影響で、1番刈り、2番刈りともに良品の供給力は限定的です。
(5)カナダ(アルバータ州中部)天水地域
2025年産の収穫は完了しています。天候の影響で中級品以下の貨物が多くなっています。
ZHI(全農ヘイ)では、SDGsへの取り組みの一環として、ビニールラップの削減のためにユニタイズ製品の供給を開始しています。
3.米国産スーダングラス
スーダンは通常、地温が15℃以上で、2026年3月頃に作付けを開始します。
昨年は、遅植えされたスーダンはほとんど無く、早植えされました。3月に作付けされたスーダンは、育成に約90日掛かります。そのため、スーダン収穫は5月末から6月初旬の見込みで、これは通常の時期です。
2019年から2025年までの日本のスーダン輸入量の推定値は以下の通りです。
2019年:297,000トン
2020年:294,000トン
2021年:274,000トン
2022年:254,000トン
2023年:164,000トン
2024年:164,000トン(日本への輸入量)
2025年:148,000トン(日本への輸入量)
4.米国産バミューダ
現在、冬バミューダの種とストローが少し収穫されていると聞いていますが、まもなく終了する見込みです。収穫されているストローは、通常の夏用のストローとは異なり、草は柔らかく茶色です。韓国は夏に収穫されたバミューダストローの購買に旺盛です。
5. 米国産クレイングラス
今年もDIPプログラムへ登録する圃場は多く、生産量は作付面積に比例しない可能性が高いです。現在の圃場は、休眠中で通常2026年5月に1番刈りが始まります。最近は天候が良好なので、1番刈りは4月下旬に始まる見込みです。
6. 米国産ライグラス、フェスクストロー
日本向けは、安定した出荷となっています。韓国へは通常よりも多く出荷されています。
韓国のお客様は、国内収穫量の不足に加え、アフリカ豚コレラの影響でスペインからの輸入飼料が禁止されたことによる不足分を補うため、追加の牧草と麦わらの供給を求めています。現在、輸入禁止措置がまだ有効かどうか、また有効であればどのくらいの期間続くのかを確認中です。
ポートランドの空コンテナの手配は依然として厳しく、輸出事業者はポートランドCYでのコンテナの集荷・配達について、予約獲得に苦労しています。
オレゴン州およびワシントン州の一般的な収穫スケジュールは、以下となります。
7. 豪州産品目
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- オーツヘイ
- 24年産について、上級品~下級品まで在庫は払底しています。
各州における25年産新穀は収穫およびベーリング作業が終了しました。
西豪州の発生グレードは、10月中下旬にかけて少量の降雨があったことから中級品中心ではあるものの、上級品から下級品までバランスよく発生すると見られています。単収は平年を少し上回ると見られています。
南豪州では、収穫からベーリングまでの期間において多量の降雨が観測されたことで、発生グレードは中級~下級品が殆どになる予想です。
ビクトリア州では11月の降雨が予報よりも多く、多くの圃場が雨に当たったことから、中級~下級の発生が中心となる見通しです。播種の遅れと8月~9月の気温の低さから、単収は平年を下回る予想です。
韓国に続いて台湾もスペイン産牧草類の輸入を停止しました。そのため、代替として豪州産牧草の両国への輸出量が増加しており、供給制限がかかっております。
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- 小麦ヘイ/ストロー
- 24年産について、在庫はほぼ払底しています。
25年産新穀小麦ストローは、収穫作業が概ね完了しました。現在の収穫進捗は西豪州:95%、南豪州:100%、ビクトリア州:95%です。
豪州全体の輸出量の50%を担っている西豪州は輸出余力が無い状況です。スペイン産牧草の代替として韓国からの需要が増加していることが一因です。また、南豪州・ビクトリア州についても、旺盛な国内需要、国内価格の上昇等を受け、輸出余力があまり無い状況です。
8. 海上運賃情勢
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- 北米航路
- 中華圏の旧正月向け需要の収束や過去数年で導入された新造船の影響を受け、船会社はブランクセーリングを強化しており、ブッキングや寄港順序の変更による遅延が発生しやすくなります。ポートランド港において深刻な空コンテナ不足が発生しており、スケジュールの乱れが危惧されます。一部の船会社ではポートランド発の新規オーダーをブロックする動きが見られます。
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- 豪州航路
- 豪州貨物の多くはシンガポール港等のハブ港を経由し、本邦へ輸入されます。一部貨物では、ハブ港におけるスケジュール乱れにより本邦への到着遅延が発生しています。
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- 欧州航路
- 一部の船会社でスエズ運河航行復帰の動きがみられます。これが本格化すればサプライチェーンの安定化に繋がりますが、一時的な港湾の混雑が引き起こされる可能性があります。ただし、各船会社は紅海情勢の見極めを優先するため、本格的な復帰にはまだ時間がかかるとみられます。
以上
令和8年2月25日
全国農業協同組合連合会(JA全農)
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