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海外粗飼料情勢

輸入粗飼料情勢 / 令和3年3月号

1. アルファルファヘイ

  1. カリフォルニア州南部インペリアルバレー
     3月上旬のインペリアルバレー灌漑局からの発表によると、147,000エーカーが灌漑されています(前年同月:138,847エーカー、先月:147,040エーカー)。2番刈アルファルファは2月下旬から刈取開始となる見込みです。1番刈のほとんどは国内もしくはサウジアラビアに販売された模様で、中国を含め他の輸出業者は今のところ積極的に購買していない様子です。
     新穀の見栄えは非常に良いとは言えないものの、成分値は今のところ良好のようです。これまで早刈りアルファルファの新穀価格は、全グレードを含め昨年と比べて上昇しています。これはとうもろこし価格上昇を背景にタンパク源への需要が高くなっていることと、牧草の生産コスト(燃料・肥料・人件費)が上昇しているためと見られ、特に人件費は米国全体の最低賃金上昇を背景に20-25%程度上昇しています。このため、現在はアルファルファが安価なタンパク源となっています。今後、当地域のアルファルファ価格は更に上昇するとの見方もあり、この影響は西海岸全体へ波及する可能性もあります。
  2. ワシントン州コロンビア盆地
     2月上旬まで暖冬であったものの、2月中旬には多くの降雪があり、以降2週間は低気温・降雪が続きました。このため、国内酪農・肥育向けに一定の乾牧草が仕向けられましたが、結果として産地相場にはあまり影響はありません。現在、依然として圃場には一定の旧穀在庫があり、今後、輸出業者による購買や更に低気温が継続する、あるいは生産者が新穀の作付けを減少させない限りは、旧穀在庫は新穀まで繰り越される可能性があります。もしそうなれば、新穀相場にとっての弱材料になり得ると見られます。

2. 米国産チモシーヘイ

 天水地域においても先月降雪があり、土壌への水分補給を促すとともに、春先の強風の影響を回避するのに一定貢献した模様です。

3. スーダングラス

 3月上旬のインペリアルバレー灌漑局からの発表によると、2,441エーカーが灌漑されています(前年同月:4,860エーカー)。これまで少しずつ作付けがされていますが、本格化するのは3月下旬と見られます。燃料・肥料・人件費等の生産コスト上昇と、これまでの海上運賃上昇の影響もあり、日本の顧客による高価なスーダンの購買動向に懸念があるため、生産者は今のところ作付け意欲が旺盛ではない様子です。
 2020年産スーダンはこれまでの需要の高まりからほぼ販売が完了している模様です。需要は高い一方で、直近での物流停滞から一定荷動きの遅れが見られます。
 2021年の作付面積については、2020年産よりも少なくなるのではないか、との予想がありますが、作付同行によっては前年並みとなる可能性もあります。ある輸出業者は今年のスーダン種子の発注量が昨年よりも少なかったことも、作付面積減少に寄与していると見ています。
 2020年産の価格は生産者にとってあまり魅力的ではなかった一方、ここ2年でスーダンの生産コストが増加しています。仮に日本向けの需要の高まりによりスーダン価格が上昇すれば、生産者が小麦収穫後にスーダンを作付けすることが考えられます。

4. ストロー類(アニュアル・ペレニアル・フェスク)

 通常、新穀の収穫は6月下旬、ウィラメットバレー南部のアニュアルライグラス、フェスクストローから開始されます。以降、7月上旬に中部のフェスクストローが収穫開始され、ペレニアルライグラスストローは7月下旬頃に開始となります。

5. 豪州産オーツヘイ・小麦ストロー

  • オーツヘイ
     各州では来年の新穀へ向け、圃場の準備を開始する所です。順調に降雨があった事もあり、土壌の水分量は例年よりも高い状況となっており、今後は適期の降雨が期待されます。
  • 小麦ヘイ/ストロー
     豪州国内の畜産相場が高値圏で推移しており、豪州国内の需要が旺盛です。また、2020年産はオーツヘイが豊作だったことを受け各サプライヤーがストローの集荷を限定的にしたこと等を背景として、産地価格が上昇しています。

6. 海上運賃

 北米航路、豪州航路について、引き続き遅延が続いています。
(1)北米航路
 中国発北米向けの輸入量は引続き旺盛です。太平洋岸南西部(PSW)の貨物を船積みするロサンゼルス/ロングビーチ(LA/LB)港の混雑は継続しており、直近はターミナルの混雑によるコンテナヤード搬入時間の縮小や、船社の急なカットオフ(ヤードへの搬入締切)日時の変更に対応しきれていない状況です。沖にて荷役を待つコンテナ船の滞船状況についても数はあまり減っておらず、平均して1~2カ月程度の遅延となっています。日本に直接寄港するダイレクト便のサービスの減少などから、積み替え港での遅延も影響しています。
 太平洋岸北西部(PNW)の貨物を船積みするシアトル/タコマ港、ポートランド港については、LA/LB港程の混雑はないものの、空コンテナ不足の影響によりスケジュール通り貨物が輸出できておりません。また、航路の途中にあるバンクーバー港でも荷役待ちの滞船が発生しており、同様に1~2カ月程度の遅延が発生しています。また、天候の関係から内陸の貨車ターミナルの混雑・遅延も確認されており、今後の影響が懸念されています。
 各船会社は引き続き、空コンテナの輸送を優先していることから、各港ともブッキングが取れない状況が続いています。
 3月積のGRI(海上運賃一括値上げ)についてもアナウンスされており、今後運賃値上げが実施される見通しです。
(2)豪州航路
 豪州航路では、コンテナ不足については問題になってないものの、旧来航空便で行っていた果物などの、輸出貨物との競合により船腹が不足しブッキングが取りづらくなっている事、積替港(シンガポール、マレーシア、釜山等)の混雑を要因とする遅延が起こっています。
 ストライキについても妥結していない状況のため、今後の状況への注視が必要です。
 豪州の海上運賃は北米航路のようにGRIの発表はされませんが、船会社がシッパーに通知する形で運賃の値上げが行われます。一部の船会社は3月積で追加の値上げを表明、今後も値上げが継続される可能性がある事を示唆しているため、今後の影響が懸念されていります。

令和3年3月29日
全国農業協同組合連合会(JA全農)

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